こころ百科KEYWORDS

仮面うつ病かめんうつびょう

2016.07.05公開
2017.03.29更新

仮面うつ病とは

仮面うつ病とは、憂うつ感や気分の落ち込みといった精神症状よりも、頭痛や微熱などの身体症状が前面に現れてくるうつ病の事です。

 

そのため、ご本人にうつ病の自覚がなく、内科や耳鼻科などの身体症状に当てはまる医療機関を受診したとしても、原因がわからず、検査でも身体的な異常が見られません。内科の薬を服用しても改善されません。

 

よくよく話を聞いていくと、わずかにうつ病的症状があるという感じなので、発見が遅れやすい、厄介なうつ病です。

 

 

 

仮面うつ病の初期症状

最も一般的な症状は倦怠感です。倦怠感を覚えるのは体が疲れているせいだ、と思いがちですが、休んでも休んでも疲れが取れないといった症状があります。よく眠れないといった不眠の症状も出てきます。

 

不眠が続けば、体の怠さや不調ともつながっていってしまいます。仮面うつ病では、このような、体調がいつもと何となく違う、とい違和感から始まります。

 

また、「おなかが痛い」「頭痛が止まらない」といった内科的な症状もあります。仮面うつ病ではこうした部分的な痛みも代表的な症状として挙げられます。

 

うつ病のセルフチェックはこちら

 

 

仮面うつ病の原因

仮面うつ病は抑うつ症状を前面に出さないとはいえ、うつ病の一種です。なかでも、遺伝や体質などの持って生まれた感じ方の癖が原因の一つになっている事が多いと言われています。

 

具体的には、

 

・責任感を感じやすい

・真面目で完璧でないと許せない気持ちになる

 

といった感じ方の癖が強いと罹りやすいと言われています。

 

また、このような性格傾向を持つ方は自分に厳しく、気分の落ち込みや憂うつ感を自分が抱いているということに納得がいかない、または許せないという方が多いでしょう。

 

そのため、症状は精神的な症状としては生じずに、身体症状として表現されると考えられます。

 

 

仮面うつ病の克服法

従来のうつ病と同様の治療が求められます。たっぷりと休むこと、薬物療法、精神療法です。

 

特に抗うつ薬には痛みに効果的なものが多く、そのため身体症状として体の各箇所に痛みを感じている仮面性うつ病の方にはこの薬物療法が効果的と言えるでしょう。

 

また、自分に厳しい方が多いため、疲れを感じることを自分に許す、たまには頑張らなくてもいいんだと思えるようになれるようにカウンセリングによって気持ちの整理を図ることも大切でしょう。

 

 

仮面うつ病の人との接し方

従来のうつ病と同じで、励ましの言葉をかけることは禁物です。

 

ストレスを抱えながらもとても頑張ってしまったために、身体症状が出ているため、励ましは負担になることが考えられます。

 

また、仮面うつ病の方は、自分がうつであるということを中々認められないこともあるでしょう。

 

典型的なうつ症状ではないことに加え、そのような病にかかることが認められないような自分に厳しい方が多いからです。

 

そんな時は、しっかりとお話を聞きながらも、その方の体を気遣ったお言葉をかけてあげてください。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
0