産後うつさんごうつ

2016.07.05公開
2017.03.16更新

産後うつとは

産後の女性はうつになりやすく、産後女性の10%-15%が産後うつに罹ると言われています。症状としては通常のうつ病とほとんど同じです。

 

産後の体は妊娠前の状態に戻ろうとしてホルモンバランスが崩れがちになります。そのようなときに、育児のストレスや家事と育児の両立が出来ない事への罪悪感などがきっかけで産後うつに陥ります。

 

産後うつが生じる時期は様々ですが、産後1-2か月以内に起きることも、数か月してから起こることもあります。また、妊娠中からうつ状態を呈し、産後もその症状が続いている人もいます。

 

治るまでには1か月以上かかることも多いですが、長いと生後1年を過ぎても症状があらわれます。

 

 

産後うつの初期症状

基本的にはうつの初期症状に似ています。気分が沈みがちになる、夜眠れない、漠然と不安を感じるなどが挙げられます。

 

うつ病の一般的な症状の他に、子どもが生活の中心となって縛られていることに憤りを感じる、子供がかわいいと思えないというような育児にまつわる症状も現れてきます。

 

このような状態が長引くと子どもの発達に悪影響を与えることになります。また、児童虐待や無理心中といった最悪の結果に結びつく可能性があります。

 

このような症状が見られたら、早めに精神科を受診しましょう。

 

うつ病のセルフチェックはこちら

 

 

産後うつの原因

ホルモンバランスの乱れが大きな要因でしょう。出産により急激に変化したホルモンバランスの乱れが自律神経に作用し産後うつの症状が現れます。

 

また、育児を自分一人でこなさなければならない環境などで、ストレスがたまることによっても生じます。このように産後うつも発症する要因は一つではなく、いくつかの要因が絡み合って発症していると言えるでしょう。

 

もちろん、通常のうつ病の原因でもある人間関係のトラブルや別離などのストレスを出産前後に経験することでも、産後うつになりやすいでしょう。

 

 

産後うつの克服法

カウンセリングや薬物療法は有効でしょう。症状の程度が比較的軽ければ、カウンセリングで話を聞いてもらいながら心の整理を図ることで十分に改善されていくでしょう。

 

その人の症状によっては抗うつ薬などを処方される可能性があるためまずは医師の診察を受け、指示に従ってみるとよいでしょう。子どもが生まれたということはそれだけで親としての責任が増します。

 

そのため、ついつい頑張りすぎてしまい、産後うつに、という方も少なくありません。過度に思いつめないように自分の責任感を少し緩める、家族に助けを求め、睡眠時間や一人でゆっくり出来る時間を確保するようにしましょう。

 

 

産後うつの人との接し方

まずは育児のストレスについてじっくりと耳を傾け効いてあげるとよいでしょう。とても頑張っている方が多いため、励ましは禁物です。産後うつになると家事や育児をうまくこなせないことがあります。

 

そのような状態になったとしても、決して怠けているというわけではありません。そのようなことを念頭に置き、家事や育児の負担をなるべく減らしてあげられるようにお手伝いをして挙げてください。

 

育児に追われ睡眠時間が削られていると産後うつを悪化させてしまうことになるからです。家族皆で協力し、誰かの負担ばかりが重くならないように配慮するとよいでしょう。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
0

関連記事