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神経症しんけいしょう

2016.07.06公開
2016.07.07更新

神経症とは

神経症は、ストレスによって生じる慢性的な心理的苦悩をまとめた呼び方です。

 

誰でもストレスによって不安や恐怖を感じますが、それが、日常生活に支障をきたしてしまうほど長いものになったり、辛くて我慢できなくなった場合に神経症ということになります。

 

神経症は誰でも生じうるものです。また、神経症では、身体的に何の問題もなくても身体症状が訴えられるという特徴があります。主な神経症としては、全般性不安障害、解離性障害、強迫神経症などが挙げられます。

 

 

神経症の初期症状

神経症では、何が原因でといった具体的でない、あいまいな不安を感じます。動悸や息苦しさも感じるようになります。しかし、身体諸検査をしたとしても、異常は見つかりません。

 

そのような精神的・身体的な症状に苦しみながらも、周囲の人から見ると大きな問題があるようには見えません。

 

また、不安が生じるような場面が過ぎ去ったとしても、また同じような場面で不安になるのではないかといった予期不安が起こるため、不安な気持ちが中々治まらず持続します。

 

 

神経症の原因

神経症は、対人関係、仕事上の問題など、本人にとって精神的な葛藤を引き起こす出来事があり、それが基となり症状を呈します。

 

例えば、学校の授業で突然指名され、問題を答えるのにしどろもどろになって顔が赤くなってしまったとします。そのときのことを後から思い返し、ひどく恥ずかしいことをしてしまった、クラスの皆は変に思ったに違いないと感じ、そこから同じ状況に遭遇した時に自分の挙動に意識が向き、顔のほてりを敏感に感じ取ってしまったり、人のちょっとした視線を自分に関連付けて考えてしまうようになります。

 

 

神経症の克服法

誰でも起こり得るものですので、一人で抱え込まずに、専門家へ相談しましょう。

 

そこで薬物療法、精神療法によって症状を和らげていきましょう。症状が軽い場合は精神療法のみで治療が行われることもあります。精神療法では、新たな考え方を見つけたり、気持ちの整理などをしていきます。

 

もしも、精神科への受診が大きなハードルであると感じた場合は、「いのちの電話」などの電話相談システムや、同じ症状で悩んでいる人や、症状を克服した人たちが集まるグループに参加してみるのも良いかもしれません。

 

 

神経症の人との接し方

ご本人への気持ちの理解が最も重要であると考えられます。ご本人の感じている辛さや不安を寄り添う気持ちで聞いてあげてください。それだけでも心の負担は和らぐでしょう。

 

誰でも程度の差こそあれ感じているような不安から症状が生じているため、ご本人の不安な気持ちが軽視されがちですが、神経症症状を表しているということは、他の人が感じているよりもさらに不安を感じているのです。

 

また、症状に対する知識を身につけようとする姿勢も大切でしょう。症状を理解しようとしている様子が見られれば、患者さんの孤独感が和らぎます。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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