こころ百科KEYWORDS

社交不安障害しゃこうふあんしょうがい

2016.07.06公開
2016.07.07更新

社交不安障害とは

社交不安障害は、社会不安障害の別称です。そのため、症状としては、人から注目されるような場面などで強い不安や恐怖を感じるといった社会不安障害と同様の症状が現れます。

 

代表的な恐怖場面状況は、人前でスピーチをする際非常に強いプレッシャーを感じ、頭が真っ白になるなどのスピーチ恐怖、他人の視線に怖さを感じたり、自分の視線が相手を不快にさせてしまうのではないかと恐れる視線恐怖などが挙げられます。

 

このような強い不安を人に知られたくないという思いから、不安を生じさせる状況を避けてしまいがちです。

 

 

社交不安障害の初期症状

ある不安を生じさせるような状況に置かれると、手足が震える、顔が赤面してほてる、汗が止まらなくなる、呼吸が早くなり息苦しくなるといったことが起こります。

 

そして、それらのことによって恥ずかしい思いをしたと感じ、また症状が出たらどうしよう、という不安を同時に体験します。そのため、ご本人も周囲の人も疾患であるとは思わず、極度のあがり症なのだと感じてしまうでしょう。

 

しかしそのままにしていると、やがて不安を感じるような状況を回避するようになり、日常生活に支障が生じます。

 

 

社交不安障害の原因

神経伝達物質の働きが崩れが原因として考えられています。

 

神経伝達物質の中には、不安や恐怖を感じるセロトニンという物質があり、このセロトニンの働きが崩れることで、恐怖や不安を感じやすくなってしまうのではないかと考えられてます。

 

また、元々の性格傾向として劣等感が強かったり、他人の評価に敏感である人は人前で失敗することをひどく恐れるため、社交不安障害が発症しやすいと言われています。

 

また、人前で顔が赤くなることや、言葉が詰まってしまうようなことを恥ずかしいことであるとか、変に思われることであると考えている人も、社会不安障害になりやすいでしょう。

 

 

社交不安障害の克服法

薬物用法と精神療法が有効と言われています。精神療法では、人前で話すことや不安が生じるような場面を想定し、そのような場面でどう振る舞うかを練習したりします。

 

また、不安症状が起きてしまった時の対処法について考えていくこともあるでしょう。

 

人前での赤面や緊張を、恥ずかしいこと、変に思われることという考えが根底にある場合には、そのような考え方が本当に正しいかどうか見つめ直し、不安が生じにくいような考え方にシフトしていけるように考えていく方法もあります。

 

 

社交不安障害の人との接し方

気持ちが弱いために不安な状況を避けているというわけではありません。そのため、甘えであるとか、わがままだ、というような言葉がけはしないようにしましょう。

 

そして、ご本人がプレッシャーに感じるような状況は出来るだけ作り出さないようにした方がいいかもしれません。

 

頑張れというような励ましの言葉も逆効果になります。また社交不安障害の場合、極度のあがり症として性格の問題だ、と思い受診へ至ることが少ないと思われます。

 

適切な治療でよくなるものであるため、ご本人の話をよく聞いたうえで、社交不安障害の可能性をやんわりと伝え、受診を勧めてみましょう。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
0