広汎性発達障害こうはんせいはったつしょうがい

2016.07.06公開
2017.03.16更新

広汎性発達障害とは

広汎性発達障害とは、社会性やコミュニケーション等の発達の遅れを特徴とする発達障害の総称です。

 

自閉症アスペルガー障害に加え、小児期崩壊性障害(順調に発達していた精神発達が退行し始める障害)などがあります。比較的発達の遅れが軽いものも含まれています。

 

広汎性発達障害の特徴としては、友人関係が苦手という対人関係の障害、会話が一問一答になってしまうなどのコミュニケーションの障害、同じパターンを好み、そうでないことをとても嫌がったりパニックを起こすこだわりの3つがあります。

 

 

広汎性発達障害の初期症状

広汎性発達障害は突然に発症するようなものではありません。赤ちゃんの頃から多かれ少なかれ兆候があります。

 

例えば人への関心が薄く、お母さんがあやしたとしてもあまり反応を示さない、友達と遊ばずに一人遊びを好むといった傾向があります。言葉の遅れも見られます。2-3歳になっても言葉が出にくいなどが見られるでしょう。

 

また、言葉を覚えても相手の話をおうむ返しするなど、場面に合わせて会話を変化させるといったことが苦手です。その他には感情表現が極端であるとか、感覚が敏感であることもあります。

 

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広汎性発達障害の原因

詳しくわかっていませんが、持って生まれた脳の個性によるものと考えられています。必ずしも遺伝病というわけではありません。しかし、社会への関心や人への関心に遺伝的な個人差があることがわかっています。

 

この関心の薄さが極端な場合に発達しょうがいと言われる状態になります。昔は親(特に母親)の育て方が原因だということが言われていた時期がありました。

 

今でもそのように考えてしまう方も少なからずいるかもしれません。しかし現在は育て方の問題ではないということが分かってきていますので、そのように考えることは控えた方がよいでしょう。

 

 

広汎性発達障害の克服法

生得的な脳の個性によって生じる状態であるため、根本的な治療ですっかり改善する、というようなことはありません。

 

それよりも、周囲からの様々な支援や療育を通じて苦手な部分を補強し、ご本人の社会適応を上げていく関わりが必要になると思われます。

 

例えば言葉の問題があるという事であれば、発話の練習をしたり、その子に合った教材を使い言葉の勉強をしたりします。

 

人とのコミュニケーションが苦手なのであれば、対人場面のロールプレイなどを行い、足りない対人スキルを身につけていきます。

 

 

広汎性発達障害の人との接し方

周囲の方の理解が必要不可欠になります。まずはどういった接し方が最も効果的なのか、接する中で、また注意分画観察する中で探ってみてください。

 

言葉で言っても中々理解出来ないという方に伝えたいことを簡潔にまとめた図をお渡しするとすんなり理解できるという時もあります。その方の何が強みか、何が苦手なのかを探り、それを基に接していくのがよいでしょう。

 

また、冷静な対応も大切です。話が伝わらないからと言っていら立っても、ご本人は何で怒られているか分からず、パニックになってしまうこともあります。

 

何か指摘したいことがあるならば、冷静に、端的に伝えるとよいと思われます。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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