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ハンチントン病はんちんとんびょう

2016.07.06公開
2016.07.07更新

ハンチントン病とは

ハンチントン病では、自分の意志ではないのに体が動いてしまう不随意運動、転びやすくなったり食事でむせてしまう運動症状、苛立ちや興奮を抑えられない精神症状などがあります。

 

精神症状によって急激に人が変わったように見えるため、統合失調症などの異なる疾患と間違えられてしまう可能性もあります。症状が進行すると、合理的な考えが出来なくなったり認知症が生じ、やがて寝たきりとなります。

 

このような恐ろしい疾患であるため、日本では厚生労働省の特定疾患と指定されています。

 

 

ハンチントン病の初期症状

字を書くといった細かい運動がしにくくなったり顔をしかめたりするような様子が見られます。落ち着きがなくなったり、うつのような症状が見られるといったこともあります。

 

初期には目立つような症状が見られないためなかなか疾患であると気づかれず、最近神経質になった、そそっかしくなった、という風に捉えられてしまうことも多々あります。

 

しかし、先ほども書いたように特定疾患と指定される難病です。遺伝性の疾患であるため、このような症状が見られ、家族の中にハンチントン病罹患者がいる場合には、なるべく早く病院を受診し、遺伝子検査を行った方がよいでしょう。

 

 

ハンチントン病の原因

IT15と呼ばれている第四染色体の遺伝子内の配列の一部が異常に長くなってしまったことが原因でハンチントン病を発症します。しかも配列の長さが長くなれば長くなるほど症状が強く、発症も早まります。

 

しかし、なぜ長くなってしまうかといった理由はわかっていません。ハンチントン病となる遺伝子を両親のどちらかが持っていたとすれば、子どもがハンチントン病に罹る確率は50%とかなりの確率になります。

 

この遺伝子を引き継いでいるかどうかは血液を分析する遺伝子検査で調べることが出来ます。

 

 

ハンチントン病の克服法

ハンチントン病を完治させる治療法は、残念ながらいまだ見つかっていません。しかし、ハンチントン病の症状を和らげる方法はいくつかあります。

 

例えば、薬物療法を行えば、うつ症状などの精神症状や不随意運動などを緩和させることが出来ます。また、リハビリテーションによって運動機能の低下に対してアプローチを行うことも出来ます。

 

ハンチントン病は一般的に、症状が進行していくと社会生活を自分の力で送ることが困難になってしまうため、症状が軽いうちに伸び伸びと、やりたいことを十分に楽しむことも大切です。

 

 

ハンチントン病の人との接し方

症状が進行すると、寝たきりになることも少なくない疾患であるため、周囲の方の全面的な支援が必要となってくるでしょう。

 

例えば、食べ物を細かくして食べやすくするなどの食事面もそうですし、身の回りを清潔にしてあげるといった衛生面も支援していく必要があります。

 

また、トイレや着替え、入浴といった身の回りのことも手伝う必要が出てくるかもしれません。このような重い疾患に罹られた方は、悲しみや悔しさ、絶望的な気持ちを抱えていることもあるでしょう。

 

周囲の方々は、身の回りの介助も大切ですが、ご本人の気持ちを感じながら、暖かく接していくことが、患者さんにとって最も大きな支えになると思われます。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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