こころ百科KEYWORDS

解離性障害かいりせいしょうがい

2016.07.06公開
2017.02.17更新

解離性障害とは

解離性障害では、通常まとまっている自分自身であるという感覚(思考・記憶・感情・行動)がバラバラになってしまっている状態をさします。

 

例えば、記憶があいまいになるまたは思い出せない、自分の体じゃないような感じがする、楽しいことをしているはずなのに楽しいと感じられないなどがあります。

 

解離というのは、体に備わった機能の一つで、危機に陥った時に苦痛を最小限に抑えるために発揮される能力です。この能力が過剰に働き、日常生活に支障をきたしてしまうことで、解離性障害が生じます。

 

 

解離性障害の初期症状

記憶がとぎれとぎれになることがあります。記憶にないことについて怒られたり、何かを言われることが出てきます。

 

始めは、相手の間違いか、ボーっとしていて忘れたのかも、程度に思いますが、段々とそのような状況が増え、不安を感じ始めます。

 

やがて自分自身を外から眺めているような感覚に襲われたり(離人症)、体を動かしたり言葉を交わしたりできない(解離性昏迷)といった状態も見られるようになります。

 

中には、複数の人格を持ち、それらの人格が交代で現れるといった多重人格障害を呈する方もいます。1つの人格が出ている時には別の人格の記憶はありません。

 

 

解離性障害の原因

解離は、急性ストレス障害やPTSDと呼ばれている外傷後ストレス障害の一つであり、その原因の多くが強いストレストラウマ体験です。そのような体験は、生死にかかわるような危機の体験が多いでしょう。

 

例えば地震や火山の噴火などの大きな自然災害、飛行機事故、殺人事件などです。また、実際に体験しなくとも、目撃するだけでも大きなストレスになります。

 

あまりに過酷な体験であるため、いつも通りの日常生活を送ることが難しく、自動的に記憶があいまいになったり思い出さないようにすることでなんとか日常を保とうとするのです。

 

 

解離性障害の克服法

安心できる治療環境を整えることが重要です。その中には周囲の方や家族の理解を得ること、精神科へ受診しているなら医師との信頼関係も含まれます。

 

何故なら、解離性障害というのはトラウマを抑え込むことで周囲の環境に適応しようとしている状態であるため、そのトラウマを表現できるような安心できる環境が必要だからです。

 

心理療法ならば眼球を動かしながらトラウマとなった体験を思い出すEMDR、体の感覚を感じるフォーカシングなどが有効でしょう。解離性障害の場合は薬物療法は補助的な役割を担います。

 

 

解離性障害の人との接し方

解離性障害を呈しているご本人は、そのような解離症状に気が付いていないことが少なくありません。来た記憶のない場所にいる、買った記憶のない衣類を持っているなど、困惑することが多くあります。

 

外からは分からない症状ですので、中々信用してもらうことが出来ず、結果孤立感を高めてしまうことが考えられます。そのため、解離性障害の特徴について学び、理解を持って接していくことが一番のサポートになります。

 

また、解離症状のため約束を守れなかったり、社会生活が上手くいかないことも多くなることでしょう。その中でも、社会との接点が切れないようになるべく配慮することも必要になります。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

シェア
ツイート
はてブ
お気に入り
共感
0