学習障害がくしゅうしょうがい

2016.07.06公開
2016.07.07更新

学習障害とは

学習障害とは、知的発達に遅れはなく、漢字が読めない、計算が出来ない、書くことができない、話すことが出来ないなど特定の能力の修得が困難な病気です。

 

近年では、LDと呼ばれています。誰でも不得意・得意はありますが、LDはその差が極端に大きく、偏りが激しくあることが特徴です。

 

特定の能力以外は普通と変わらずに出来るため、「さぼっている」「頭が悪い」など誤った解釈や、気づかれにくいことがあります。また、学習が始まる小学生になるまで全く分からないことが多くあります。

 

時にはある能力は欠けていても、ある能力はとても優れている場合もあります。

 

 

学習障害の初期症状

初期症状は、話す場合だと、話す時に声のトーンなど話し方が不自然であったり、言葉につまることがあったりするなどです。

 

読む場合だと、文を読むスピードが明らかに遅かったり、文章の意味を誤って理解していたりすることがあるなどが挙げられます。

 

計算の場合だと、数字・記号の理解ができない、数の大小が理解できないなどがあります。

 

このように、能力の領域によって様々な症状がみられます。そのため対人関係が苦手になったり、どう動いてよいかわからずに運動も苦手になることがあります。

 

このようなことから、学校に行き始める前に気づくことは困難であるといえます。

 

 

学習障害の原因

学習障害の原因は、はっきりとはまだ解明されていません。今のところ分かっていることは、脳や中枢神経に何らかの機能障害が発生しているものと考えられています。

 

また、親族などに発症している人がいると発症しやすいことから遺伝も関係あるのではないかと研究が進められています。親のしつけが悪い、環境などは関係ないということも分かっています。

 

 

学習障害の克服法

学習障害は、原因がまだ解明されていないことから、発症そのものを予防することは困難で、医学的療法もまだ明らかになっていないことが現状です。

 

しかし、学習障害の人のために出来る改善方法はあり、症状をそれ以上重くしない、生活に困らないようにすることは可能です。

 

なにかが上手にできないことが続いたら、単なる苦手やサボりなどと思わずに、学習障害の可能性を専門家に相談してみましょう。そして、本人のペースに合わせて学習を進めていくということが大事になります。

 

学習障害は、人によって個人差はありますが、焦らず繰り返し何度も何度も学習することによって、少しずつ出来るようになります。つまり、訓練次第では能力の劣っている部分を伸ばすことも不可能ではないのです。

 

 

学習障害の人との接し方

学習障害は、周囲の人の理解によって症状が軽減されます。例えば、話を聞くことが苦手なのであればなるべく近くではっきり話すようにしたり、絵や写真を使ったりすることで伝えることが出来ます。

 

また、学習障害は他の人に誤解されてしまうことが多いため、本人もストレスを大きく感じてしまいます。学校などでは個人のスペースで勉強する時間を設けることも大切です。

 

さらに、家族からの理解も大切です。学習障害があるからしょうがないと考えて甘やかすのではなく、なるべく偏った部分や生活に困らない程度に能力をつけるために、どうしたらいいのかを考えることが大切です。

 

対応の仕方が分からなかったり、生活の中で改善していく方法が分からなかったりするときは、カウンセラーや医師、教師に相談することなど周りからの協力が必要です。

 

学習障害は、まだ認知度の低い障害です。そのため周りの人からの理解が最も重要です。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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