ネット依存ねっといぞん

2016.07.07公開
2017.03.15更新

ネット依存とは

インターネットの普及に伴って見られるようになってきた比較的新しい依存症です。

 

インターネットを介した比較的安全なコミュニケーションや、匿名で暴力的な言葉を書き込めること、目新しい情報に触れる高揚感、などが癖になるあまり、脳がインターネットを快楽とみなすようになっています。

 

他にやることもあるはずなのですが、仕事や日常のことなどよりもインターネットへのアクセスを優先し、コントロールできなくなるとネット依存と呼ばれます。

 

引きこもりのように社会生活が破綻しているレベルのものから、スキマ時間があったらついついネットにアクセスして…という比較的軽度なレベルのものまであります。

 

ネット依存の初期症状

無意味に、あてもなく、時間も制限せずにインターネットにアクセスするようになったら初期症状と思ってよいでしょう。

 

仕事や学業、公共料金の支払などの生活を支えるための諸活動よりも、インターネットへのアクセスを優先するようになったら危険な徴候です。何もかもを後回しにしてインターネット中心の生活になっていきます。

 

引きこもりに繋がるような例では、人との直接的な交流が減り、身なりも気にしなくなります。何日も同じ服を着て入浴もしなくなるなど不衛生な状態になることもあります。

 

身だしなみが整っていないことは自覚があるので、ますますリアルな人との関わりが減っていきます。

 

 

ネット依存の原因

原因は他の依存症と共通していますが、何かに依存しやすい性格、目的のない生活や人生設計、良好な人間関係の欠如、低い自尊心、など多岐にわたります。

 

インターネットは比較的手軽でリスクが少ないので、リスクを犯すことを好まない内向的で繊細な性格が背景にある場合もあります。

 

また、家族との絆が希薄な場合は、家族に放置されている虚しさ中で、脳の中でインターネットの快楽化が進み、回復がますます困難になるという例もあります。

 

 

ネット依存の克服法

脳がインターネットに快楽を求めるように変化してしまっています。

 

一人で克服するのは難しいことが多いですが、社会生活が破綻していないスキマ時間に依存するというレベルなら、お一人で克服することは不可能ではありません。

 

たとえば何を求めてネットに依存しているのかを探り、より適切な方法を取り入れて生活設計や習慣を見直す行動療法が有効です。

 

社会生活が破綻している場合は生活を管理してもらえる環境で、安易にインターネットに快楽を求めない生活習慣が身につくまで計画的に生活改善に取り組むことが必要です。

 

 

ネット依存の人との接し方

脳がネットを求めるようになってしまっています。これは本人の意志を超えたものなので、「だらしない」「みっともない」「かっこわるい」と本人の自尊心を必要以上に損ねる関わり方は控えましょう。

 

大切なことは新しい生活習慣を身につけることと、その前提としての生活を変える意欲を育てることです。

 

もともとがネット依存しやすい人は生活の変化を嫌う性格であることが多いので、新しい習慣を身につけることが人並み以上につらいことであることも理解しておいてもらえると良いでしょう。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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