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アスペルガー症候群あすぺるがーしょうこうぐん

2016.07.11公開
2017.03.16更新

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は発達障害のうちの一つです。最近は自閉症とともに「自閉症スペクトラム障害」または「広汎性発達障害」とも呼ばれています。

 

その特徴とは、視線が合わなかったり集団行動が苦手といった対人関係の苦手さ、好きなものにとことんこだわってしまう、同じしぐさや行動を繰り返すといった限定的な興味やこだわりが強い等が挙げられます。

 

一方で、自閉症とは違い、言葉が出てくるのが遅いといったことはありません。しかし、周りの人が理解し難いたとえ話をしたり、話が回りくどいといった特徴があります。

 

 

アスペルガー症候群の初期症状

個人差も大きいですが、幼い頃に感覚過敏、または鈍感、といったやや強い個性が見られることがあります。

 

例えば、いつもはおとなしい赤ちゃんなのに、抱っこをすると体をそっくり返らせて嫌がる、洗顔や歯磨きを嫌がる、服の感触についてのこだわりが強い等です。

 

好き嫌いが激しい、通常は1歳になる頃には確立する睡眠リズムが2-3歳になっても安定せず、夜中に目を覚ましてしまう、といった個性を示す場合もあります。

 

中には、目立つ個性がなく「おとなしく手がかからない子」と見られて、幼稚園や小学校などの集団生活が始まるまで障害が誰にも気が付かれないこともあります。

 

その徴候を捉えることが難しいので、日々の子育ての中で注意深く目を向けることが重要でしょう。

 

自閉スペクトラム症のセルフチェックはこちら

 

 

アスペルガー症候群の原因

遺伝要因による脳の特性によるものとして考えられています。

 

そのため、五感の敏感さが現れたり、周囲からの情報を取り込んで理解し、それを表現するといった一連の流れが、上手く働かずにコミュニケーション方法が独特なものになるのだと考えられています。

 

アスペルガー症候群の「こだわり」は周囲の人から見ると、「わがまま」に見えてしまい、それが「親のしつけのせいだ」との誤解も多く見受けられます。

 

しかし、このような症状は脳の働きによるものであり、決して親の育て方やしつけが原因だというわけではありません。

 

 

アスペルガー症候群の克服法

アスペルガー症候群は、生まれつきの脳の特性によって、対人関係の苦手さやこだわりなどの日常生活における困難さが生じています。そのため、「アスペルガー症候群を治療して治す」というのは難しいでしょう。

 

お子さんであれば、今後社会や学校に出た時に集団の中で困ることなく生活できるように「療育」を受けると良いでしょう。

 

「療育」は「治療教育」の略語であり、お子さん一人一人の性格や特性に合わせて、集団の中で困ることが少しでもなくなるように指導をします。

 

大人の方であれば、既に生じている日常生活での上手くいかなさ、困り事をカウンセリングの場でカウンセラーとともに考えていく事で、よりその場にふさわしい対処法を身につけていく事が出来ると思われます。

 

 

アスペルガー症候群の人との接し方

アスペルガー症候群は言葉の遅れはなく、そればかりか表面上は難しい言葉を使っていたりもします。また、「変わった性格だから」と捉えられがちで、本人のお困りごとに気が付かれないこともあると思われます。

 

そのため、周囲の方はまずアスペルガー症候群についての知識を身につけましょう。そうすることで、本人のお困り事をある程度理解できます。

 

また、対人関係の中での暗黙の了解といったものを感じ取ることは難しいため、何をしてほしいか、自分は何を思っているか、ということを率直にお伝えすることで、お互いのコミュニケーションのズレが少なくなります。

こころ百科 監修
杉山崇

杉山崇

臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

神奈川大学人間科学部 教授
学習院大学大学院人文科学研究科修了。精神科、教育委員会、産業カウンセリングなどで20年あまり心理職を務める。日本学術振興会特別研究員、山梨英和大学准教授などを経て、2013年より現職。

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