介護度の高い患者を押し付けられます。我慢すべきでしょうか?【看護師の相談室Vol.1】

2017.01.27公開 2017.03.21更新
池上枝里子

回答者
池上枝里子
正看護師 上級プロフェッショナル心理カウンセラー

 
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ご質問

20代の若造が言うのもおこがましいのかもしれませんが、介護度の高い患者を押し付けるのはやめてほしいです。

 

私の働く病棟は循環器内科の病棟ですが、2チームに分かれており、チーム1が緊急で経皮的冠動脈形成術を施行した患者やいわゆる重症の患者を担当し、チーム2が状態の安定している患者、慢性期の患者を受け持ちます。

 

チーム1のほうに緊急入院しても、認知症やせん妄になってしまう患者は、早々にチーム2に部屋移動をされます。

 

もちろん状態は安定していますが、昼夜問わず大声を出してしまったり、転倒リスクがある患者です。

 

チーム1の患者は日常生活度も自立している方も多く、土日のひどいといときは、患者数も介護度も明らかにチーム2のほうが大変です。

 

挙句の果てに、私はチーム2で働いているのですが、チーム1のスタッフに「介護多くて大変だね」って言われたときは怒りを感じました。

 

こういうものは我慢するしかないのでしょうか?

回答

ご相談を拝見いたしました。

 

きちんとした治療を提供する安全な看護と、認知症患者の生活に対応する介護との両立は、本当に大変なことです。そこをしっかりと担っているからこそのご相談だと思いました。

 

スタッフの言葉は、チーム2の介護は大変だと知っていて、ねぎらいの気持ちだったとしても、チームが違うからと突き放されたようにも感じられますね。

 

患者の治療と安全への重たい責任と仕事分担の理不尽さを感じながらも、まだご自分は若いからと我慢してきたのだから、怒りを感じるのも無理はありません。

 

このご相談では、2つのポイントがあるように思います。

 

まずは、今の状況では、あなたは「怒り」を抱えて「我慢」をし、仕事のモチベーションが下がっているのではないか、ということ。

 

そして、詳しい状況はわかりませんが、もしかすると、患者が安全な入院生活を送るということに、もっとできることがあるかもしれない、ということです。

 

こういった状況では、あなたの我慢が限界にきた時に、事故にも繋がりかねないために、適切な人に相談できるといいかと思いましたが、いかがでしょうか?

 

しかし、その伝え方は悩むところかと思います。怒りのままの言動や、愚痴と思われてしまっては有効な結果にはならないので、ぜひ、一緒に考えていければと思います。

 

まず、あなたが感じている「怒り」ですが、怒りは二次感情といわれています。あなたの怒りの奥には、一次感情と言われる、隠れた気持ちがあるのです。

 

なので、怒りに隠れた本当の気持ちを、あなた自身で感じてあげられると、冷静になれるように思います。

 

怒りに隠れた気持ちには、「落胆」「悲しみ」「心配」「傷つき」「寂しさ」などの気持ちがあると言われています。

 

その一次感情を自身で感じられると、冷静になれてご自分が何を望んでいるのかが見えてくるように思います。

 

例えば、チーム1のスタッフの言葉から、協力が得られないと感じた悲しみがあり、本当は協力して欲しいと思っているのかもしれません。

 

すると、誰に、どのように相談すればいいのか見えてくると思います。また、チーム2の介護の大変さを認めてもらえていないと感じる、がっかりした気持ちかもしれません。

 

ならば、チーム2での細やかなケアの状況を、もっと伝えていくことが必要かもしれません。様々な感情が重なっていたり、もっと別なことも影響していたりする場合もあります。

 

一次感情をご自身で感じられると、誰に、どのように相談したらいいのかが見えてきて、冷静に伝えられるので、状況とあなたの気持ちが相談者にも伝わりやすくなり、有効な相談になるかと思います。

 

もし、望むことが明確ではなくても、上司にあなたの本当の気持ちを聞いてもらえれば、モチベーションの維持に繋がるかもしれません。

 

相談するのは勇気がいるものですね。しかし、頑張っているあなただからこそ大事なのは、我慢ではなく、あなたのモチベーションを維持して高める行動だと思います。「怒り」にはパワーがあります。

 

今のあなたには、もっとよい方法を考える力があるのだと思いました。

 

あなたの納得が深まって、今までの怒りや我慢を払拭する気持ちを得て、看護を続けてほしいと思います。

 

あなたの素敵な看護師ライフを応援しています。

池上枝里子

池上枝里子

正看護師 上級プロフェッショナル心理カウンセラー

スマイル・ココロオフィス 代表

池上さんのインタビュー記事はこちら

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