子供が「死」を考えるメカニズムとは?臨床心理士が分かりやすく解説

2016.11.28公開 2019.05.16更新

子ども達は大人が思っているよりもはるかに多く、「死」について考えています。今回は、子供が「死」を考えるメカニズムについて、臨床心理士に解説してもらいました。

 

 

死を意識し始める時期

早い子だと、四歳くらいから考え始めています

 

この時、自分が死ぬことについて考える子と、親が死ぬことについて考える子がいます(成長に伴いとても自然な反応であることをお忘れなく!)。

 

また、「死」のことを考えて、それを親(多くの場合は母親)に言う子と、誰にも言わずに一人で考えている子がいます。

 

どちらにしても、子どもにとって「死」は恐ろしいことであり、途方もなくさびしいことに変わりはありません。

 

 

親はどう対応する?

まず大切なことは、一方的に否定しないことです

 

親としては、四歳くらいの子どもが急に「お母さんも、お父さんも私より先に死んじゃうの?」「私が死んだらどうなっちゃうの?」などと言い出すと、つい驚いてしまい、答えに困ってしまう場合もあります。

 

飼っていた金魚やペットが突然死んでしまった姿などを見て、「○○はどうなっちゃうの?死んだらどうなるの?」などと、素直に疑問をぶつけてくることもあります。

 

ここでまず大切なことは、「うちの子は変なことを言う。心配し過ぎだ!考えすぎだ!」とか「そんなことは考えなくていいの!」などと、その質問を一方的に否定しないことです。

 

多くの親御さんは上手く対応していますが、親御さん自身が幼少期の頃に、親から一方的に否定され続けていたり、「死」に対して敏感な過去を持っていたりする場合に、子どもの訴えにうまく対応が出来ず、否定から入ってしまうことがまれにあります。

 

そうなってしまうと、子どもの「死」に対する不安が解消されないまま成長していくことになるので、「死」というものにとても敏感になります。

 

 

子供が「死」を親に表現すること

親に対する信頼の証拠でもある

 

子どもが「死」に対する不安や恐怖を表現できるというのは、親に対する信頼の厚さがあるという証拠でもあります。

 

「死」のことを考えながら、親に言わずにシクシクと泣いてしまう子も結構多くいますが、「死」に対する不安や恐怖を表現できることはとても大切なことなので、親御さんとしては、是非受け止めてあげて欲しいと思います。

 

子どもと悲しみを分け合う気持ちでいると、子どもは自分の力で自然とそこを抜け出していきます。

 

そして、このように「死」に対する子どもなりの不安や恐怖を親にしっかりと受け止めてもらえた経験は、その子の将来のために大いに役立つと思われます。

 

 

記事提供

佐藤文昭 臨床心理士

おやこ心理相談室 室長

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年11月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。