産後うつへの夫の対応…ついやりがちな3つのNG対応とは?【村田あゆみさん】

「産後うつで動きたくても動けないのに、夫が分かってくれない…」

 

乳児ママのコンサルをしていると、そんな声を耳にすることがしばしばあります。

 

産後うつの認知は広がって来ていますが、家庭内での理解はまだまだ浸透していません。

 

また、「うちの妻に限って」といった男性側の思い込みで、産後うつの症状が見過ごされてしまっていることもあるのです。

 

そんな夫がとりがちなNG対応が、症状をより悪化させてしまうのです。

 

ここでは、あえてNG対応を取り上げることで、どんな点に気をつけるとよいのかを見ていきましょう。

 

>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜

 

 

産後うつ、夫のNG対応

【無視する】

仕事で疲れて帰って来たら、妻からの愚痴の嵐、もしくは話しかけてもほとんど反応がない。

 

そんな様子の妻に、「なんだよ」と思ってしまうかもしれませんね。

 

場合によっては、だったら話も聞かないし、話しかけるのもやめてしまおうと、コミュニケーションを取るのが嫌になってしまうこともあるかもしれません。

 

ですが、一日中会話らしい会話をすることもなく、家の中にいて赤ちゃんと過ごしていると、とっさに言葉が出なかったり、話すことがおっくうになったりするものです。

 

また、逆にようやく会話できる人が現れたとばかりに、たまっていた気持ちをはき出したくなることもあります。

 

いずれのケースでも、「俺だって疲れている」と相手にしないのはNG。

 

相づちを打ちながら話を聞いてもらえると心が少し軽くなりますし、話をしたくなったらいつでも聞くというメッセージを伝えてもらえるだけで安心できるものです。

 

産後うつの時は感情の起伏も大きくなっています。

 

日によって異なるコンディションに合わせるのは大変だと思いますが、様子を見ながらいつでも支えているということを伝えていきましょう。

 

 

【けなす】

言わずもがなのことなのですが、うっかりやってしまいがちなのが妻をけなすことです。

 

「これくらいやっておいてよ」

 

その一言が、心を砕いてしまうのです。

 

日中の育児は、男性が思い描いている以上に大変なものです。

 

子どもが産まれる前の基準で考えると、できていないことだらけ。

 

産後うつのきっかけに家事がとどこおることがあるくらいに、妻はこれまで通りにできないことに対してプレッシャーや罪悪感を感じています。

 

「どうしてこれくらいのことができないの」

 

という言葉は、傷ついた妻の心にとどめをさす一言です。

 

できていないことがあると思った時には、何も言わずご自分で片付けてもらえると傷つかずにすみます。

 

正直なところをお伝えすると、夫が何をしても、しなくても、自分を責めることが止められるわけではありません。

 

夫が何もしてくれなければ「あなた一人ラクをして」と腹が立ちますし、やってくれれば「私はその程度のこともできない人間だと思われている」と落ち込みます。

 

周りに対しても、自分に対しても肯定的にとらえられないからつらいのですね。

 

だとしたら、少しでも整った環境を作るために動いた方がいいですよね。

 

 

【ほめる】

「ほめちゃいけないの?」って驚いてしまいますよね。

 

もちろん、ケースバイケースではありますが、実は、ほめるという行為は上下関係を作ってしまいます。

 

「よくできているね」「ちゃんとやってるよ」というほめ言葉は、イコール評価の言葉です。

 

特に、産後うつの症状がある時には自己否定しやすくなっているので、

 

「この程度のことでほめられるなんて私は低く見られている」

 

「こんなことでしか認められない私はダメだ」

 

というように、過敏に反応してしまうのです。

 

また、ほめ言葉はできていないことに対しては使えませんね。

 

足の踏み場のないぐちゃぐちゃな部屋、お皿が置かれたままの台所を見て、「よくできている」とは言えません。

 

「ほめる」ではなく、できていることに目を向けて「認める」言葉がけに切りかえてみてください。

 

「今日一日、赤ちゃんのお世話をしてくれてありがとう」

 

そんな一言が、ママの心に小さな安心をもたらしてくれるのです。

 

 

さいごに

産後うつの妻が夫に求めるのは、ただただ寄り添って話を聞いてくれることだけなのです。

 

困っていることへの解決策もいらなければ、ねぎらいの言葉もいりません。

 

できていないことや、感情の起伏の激しさにいらだつこともあるかと思います。

 

ただ、こうした症状をママ自身もどうすることもできないのが産後うつなのです。

 

時間がかかることもありますが、家族の支えがあれば良くなる病気でもあります。

 

その点を理解して、妻の大変さに寄り添ってほしいと思います。

 

>>【産後うつまとめ】特徴・原因・チェック項目・夫婦関係・セルフケア〜

 

 

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【Part  1】産後うつかも?経験者が教えるチェックしたい3つの前兆とは?

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【Part  5】産後うつにカウンセリングがオススメな3つの理由とは?

【Part  6】産後クライシスの解決法!私が実践した3つの方法をご紹介

【Part  7】産後うつ・クライシスで離婚?後悔する前に試してほしい3つのこと

【Part  8】産後クライシスで夫が浮気?夫婦関係を改善する3つの方法とは?

【Part  9】産後うつを夫が理解しない…夫の理解を得るための3つのコツ

【Part10】産後うつへの夫の対応…ついやりがちな3つのNG対応とは?

【Part11】産後うつで夫ができることって?私が嬉しかった3つのこと

【Part12】産後クライシスで夫がうつになる前に!4つの予防方法とは?

【Part13】二人目で産後うつの再発が心配…大切な5つのマインドセットとは?

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村田あゆみ

Shiny Edu代表・教育コンサルタント

高校教師として3,000人を超える高校生を指導。「21世紀型子育てレッスン」講座・講演主催。教員経験、子育てでの産後うつ、不登校経験から学童期までの母子の関わりの大切さを伝えています。【所有資格】中学校1種教員免許状(国語)、高校専修教員免許状(国語)、JAOS認定留学アドバイザー、アドラー心理学ELMリーダー講師、勇気づけ親子心理学SHINEbasicリーダー講師

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年6月19日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。