学歴コンプレックスを克服したい…たった1つの方法を臨床心理士が解説
第一志望に落ちて、滑り止めの学校に受かったけれども劣等感を感じてしまう…
高卒で就職したけれども、大卒の社員を見ると腹が立ってしまう…
自分より仕事が出来ないと思っていた人が自分よりも偏差値の高い大学出身だった…
など、様々な場面で学歴コンプレックスは顔を出します。
「学歴コンプレックス」は、非常に向き合うのが難しいものの一つです。
そこで今回は、コンプレックスとはそもそも何なのかを踏まえて、うまく向き合える方法を解説していきたいと思います。
コンプレックスとは?
「コンプレックス」という言葉は日常的に耳にするようになりました。コンプレックスとは直訳すると、「複合体」という意味です。
本来は、「様々な感情と出来事が、ひとかたまりになった複合体」という意味で使われていたのですが、最近では劣等感という言葉とほぼ同意で使われています。
「シネマコンプレックス」というものを最近繁華街で見かけるようになりました。この場合のコンプレックスは「様々なスクリーンが沢山集まった『複合体』」という意味で使われています。
実は、心理学上のコンプレックスという言葉も、これと似た概念から出発しています。
本来バラバラであるはずの概念や物事が、感情と言う接着剤で一つになったものが、コンプレックスとして表されます。
マザコンとコンプレックス
「マザコン」という言葉を例に、説明してみましょう。母親と「母親と同じ髪型をした女性」というのは、本来何の関係もない別々の人間です。
母親に対して好意を抱いていると、この母親と同じ髪型をしている女性にも好意を抱くという現象が「マザコン」と言えます。
もしくは、母親と「性的な対象」というのは、本来葛藤が伴いバラバラになるものですが、好意という感情があるとこれが一緒になります。
今あげた例は、本来バラバラだったものが「好意」という感情を接着剤にして一つになったコンプレックスの例と言えます。
このように、コンプレックス=劣等感のように日常では使われていますが、劣等感でないコンプレックスという言葉も私たちはよく使っているのです。
この接着剤となるべき感情が「劣等感」の場合は、劣等感コンプレックスと呼ばれます。
学歴とコンプレックス
当然のことながら、学歴コンプレックスは劣等感コンプレックスです。
それでは、学歴コンプレックスは、どういう事柄が劣等感という感情で結びついているのでしょうか。
必ずしも全員がそうではないと、前置きをしておきますが、「学歴」と「個人の人間的魅力」が劣等感によって結びついているのが学歴コンプレックスだと考えられます。
学歴に劣等感を感じていると、本来、別のものであるはずの「自身の魅力」に対しても、劣等感を覚えるということになります。
「いやいや、勉強ができるかどうかという魅力を反映しているから、学歴と魅力は本来一緒のものじゃないか」という意見をいただくこともあります。
もちろん「学歴」と言うのは、「勉強の成績」と言うものを表す、一つの指標であることは否めません。
勉強の成績も、高学歴から得られるであろう高収入も、その人を表す一つの側面かもしれませんが、それが人間的魅力かどうかと言われると、私は疑問を抱かずにはいられません。
学歴がなくても、年収が低くても、「この人は素敵だなあ」と思う人は沢山います。
このように、学歴コンプレックスとは、劣等感によって学歴と魅力がくっつけられてしまったものと言えます。
しかし、学歴が低いことで、自分という人間に自信が持てなくなってくると、色々なところで辛さを感じることが出てくるのではないでしょうか。
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- 本記事は2017年3月2日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。