学歴コンプレックスを克服したい…たった1つの方法を臨床心理士が解説
学歴コンプレックスとどう向き合う?
劣等感コンプレックスというのは、根深いもので簡単に解決できるものではありません。
世の中には、学歴コンプレックスで悩んでいる方が沢山いることからも、簡単に克服できるものでないことは、うすうす感じているのではないでしょうか。
私は思春期の臨床をメインフィールドとしてやっていますので、学歴に関する悩みを告げられることも多いです。
中には、10数年そのことが心の中で引っかかり続けている方もいらっしゃいます。
本人は、学歴コンプレックスを全然意識していないけれども、様々な問題行動の背景には学歴コンプレックスが隠れていたということもあります。
今でも、「こうすれば学歴コンプレックスから解放される!」という即効性のあるものは、私自身持ち合わせていません。
しかしながら、多くのケースを経験してきて「これが鍵になるかな」というヒントのようなものは見いだせたような気がしています。
そのヒントを一言で言うとすると、「自己肯定感を高めることが出来れば、コンプレックス解決の糸口になる」ということが言えます。
コンプレックスと自己肯定感
自己肯定感について簡単に説明をしていきましょう。
自己肯定感とは、単純に「自分に自信を持つこと」いった、簡単な概念ではありません。
ロジャースという心理学者が「来談者中心療法」という、カウンセリング理論を提唱しました。この中に「無条件の肯定的配慮」という概念があります。
カウンセラーがクライアント(相談者)と接するときに「無条件の肯定的配慮が必要ですよ」と言っています。
私たちは、普段から相手を肯定的に見るということをしています。しかし、そのほとんどが「条件付きの肯定的配慮」なのです。
例えば、自分に対して、やたら攻撃的に突っかかってくる人に対して肯定的には見られませんよね。
これは「私を攻撃しないなら」という条件がついたうえでの肯定的配慮なのです。
カウンセリング場面では、相手が自分を攻撃してこようが、相手が1時間ずっと無言でいようが、相手が法や命を脅かさない限り、肯定的に見ます。
「どんな相手でも」肯定的にみるから「無条件の」肯定的配慮なのです。
この肯定的配慮を自分にも行えるかどうかと言うことが、自己肯定感にもつながっていきます。
たとえ勉強ができなくても、運動が出来なくても、歌が下手でも、「自分はこれでもいい」と思えることが自己肯定感とも言えます。
自己肯定感を高める方法
では、どのようにすれば、自己肯定感を高めることが出来るのでしょうか。
最も効果的な方法は、一度カウンセリングを受けてみることです。お金はかかりますが、かなり効果的な方法だと言えるでしょう。
もし、「学歴コンプレックスが辛すぎて日常生活がちゃんとおくれない」と思っているのならば、思い切って心理相談室の門を叩くことをお勧めします。
しかし、カウンセリングを受けるのは、ハードルが高いと感じている方もいらっしゃると思います。
そこで、日常でもできる自己肯定感を高める習慣を紹介しましょう。
自己肯定感を高めるためには、自分の中で「今できていること」を発見することが必要です。
「自分はダメな人間だ」と思っていても、日常で出来ていることは意外と多いものです。
そこで、私がお勧めしたいのは日記をつけてみることです。自分の生活の中で、小さなことでも出来ていることを再発見していくことが出来ます。
例えば、無職で働いておらず、「自分はダメだ」と思っている人でも、ネットで求人情報を眺めて居たり、コンビニの求人情報を写真で撮っていたりするものです。
そういう毎日の積み重ねが、自己肯定感の高まりへとつながっていきます。
さいごに
今回は、学歴コンプレックスをテーマに、コンプレックスとうまく向き合う方法をお伝えしました。
学歴コンプレックスとうまく付き合うためには「自己肯定感」を高めていくことです。
自己肯定感を高める上で、カウンセリングを受けてみたり、日々の生活の中で「出来ていること」に注目することが大切です。
ぜひ実践してみてくださいね。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2017年3月2日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。