不登校に関するブログを読む時に気をつけたい3つのこと【一ノ瀬健太さん】

2018.02.26公開 2018.10.24更新

何か問題が起きた時、誰かに相談するよりも、先にネットで検索する…そんな時代になりました。

 

おそらく、お子さんが不登校で悩んでおられる親御さんたちも、ネットでの情報収集をされていることでしょう。

 

気軽に相談できるような問題ではないので、至極当たり前と言えます。

 

しかし、ネット(特にブログ)の情報は、書き手の価値観や思想がストレートに反映されるため、情報に偏りが出るものです。

 

最後のコラムとなる今回は、不登校に関するブログを読む際の注意点について、3つに分けてお話しします。

 

【関連記事】

【Part 1】小学生の不登校の未来は暗い?29歳、元不登校生の今

【Part 2】不登校の小学生の心理って?元不登校生が伝える3つの心理

【Part 3】不登校に関するブログを読む時に気をつけたい3つのこと

 

不登校ブログを読む際の注意点

書き手の背景を知り、どのような立場で記事を書いているかを知る

私自身もアメーバブログで、【不登校児、父になる。】というブログを運営しているので、不登校に関するブログを多々見てきました。

 

不登校という同じテーマを扱うブログであっても、趣旨や内容、情報は実に様々です。

 

私の主観ではありますが、不登校に関するブログは大別して3つのジャンルがあります。その3つのジャンルを以下にまとめます。

 

経験談、日記型

不登校の経験を役立てたいという思いを持っている方や、備忘録的にご自身の経験を書き留めておられる方のブログです。(不登校当事者よりも、親御さんのブログが多い。)

 

スピリチュアル型

不登校の原因はスピリチュアルな部分にある、もしくはスピリチュアルな方法で解決できるという立場のブログです。具体的にはレイキ、占星術が多いように感じます。

 

ビジネス型

不登校支援をマネタイズ(収益化)されている方のブログです。カウンセリング○○分△△円というような形で、支援先からお金をいただいて解決に導く、というような趣旨です。

 

実際は上記のうち、スピリチュアル型とビジネス型についても、不登校経験者が発信されていることが多いです。

 

さらに言えば、不登校経験者やその親御さんがスピリチュアルなものに価値を見出し、それをビジネスにされているパターンもあります。

 

いずれにせよ、我が子が不登校になれば、藁にもすがりたい気持ちになっている方も多いので、ブログに書かれていることを妄信することは危険です。

 

良いと思う記事があれば、どんどんと読み進める前に、書き手のプロフィールをしっかりと読むことをおすすめします。

 

必要以上のネガティブな情報は避ける

不登校に理解のない方だと、不登校の原因は「甘え」や「親の教育不足」、挙句の果てには「病気だからすぐに心療内科に連れて行け」と言うような人もいます。

 

はっきり言って、そのような情報を気にする必要はなく、むしろ避けて通るべきです。

 

不登校の子を持つ親御さんには、「自分の育て方が悪かったんじゃないか…」というような自責の念を抱えている方が多くおられます。

 

しかし、元不登校生を代表して言わせていただきたいのは、親御さんは悪くないということです。

 

人間には誰しも向き、不向きがあり、少なくとも私自身は“学校に行くのが向いていなかった”ということだと思っています。

 

もちろん、不登校になる要因は人それぞれですが、親御さんが自責の念を持っていると、当事者である子どもたちも追い込まれていきます。

 

そのような悪循環を避けるためにも、ネガティブな情報は避け、心にゆとりと希望を与えてくれるような情報を得ることを心がけていただきたいと思います。

 

もちろん、親御さんの対応ひとつで、お子さんの将来も変わっていきますが、何よりも重要なことは、「自分のことも子どものことも責めない。」という心持ちです。

 

“不登校の解決”とは何かを考える

ネット上には「〇ヶ月で復学!」とか、「不登校解決実績○○件!」というような売り文句で宣伝されている方がいます。

 

そういった方々のことを批判するつもりはありません。

 

しかし、そもそも不登校の解決とは一体なんでしょうか。

 

復学すれば全てが解決するのでしょうか。

 

「復学すればそれでいい!」と考えておられる親御さんなら、そういったカウンセラーに相談して、復学を目指すこともひとつなのかもしれません。

 

しかし、私は復学だけを目的にするのは的外れだと感じるのです。

 

私は二児の父ですが、自分の子ども達に求めるのは学校に行くことではなく、“とにかく幸せな人生を送ってほしい”ということです。

 

つまり、学校に行くことは幸せな人生を送るための“手段”であって、“目的”ではない。

 

この“手段”が“目的”にすり替わってしまうと、目立つ情報だけに踊らされてしまいます。

 

私は“不登校を肯定的に捉えることができた時、初めて解決と言える”と思っています。

 

復学だけがゴールではありません。

 

自宅学習やフリースクール等の選択肢も視野に入れて、お子さんの幸せに繋がる情報を精査してください。

 

 

さいごに

以上の注意点を心に留めていれば、様々な情報に一喜一憂することが減るのではないでしょうか。

 

ブログで情報を集めることの最大のメリットは「同じような境遇にある人」に出会えるということです。

 

これからの時代、教育の枠組みが変わっていくと思いますが、依然として不登校に対する風当たりは強いままです。

 

でも、不登校で悩んでいるのは、あなただけじゃない。

 

ひとりで悩まず、明るい未来を描くためのヒントを手に入れてほしいと願います。

 

私自身、5年間の不登校を経験しました。

 

当時はとても苦しく、両親も相当悩んでいたようです。

 

しかし、29歳になった今、結婚して、二児の父になり、マイホームに住んでいます。

 

今の幸せがあるのは、不登校だったお陰だと心の底から思っています。

 

このコラム上では書ききれない思いや、経験談は私のブログ【不登校児、父になる。】を読んでいただければ幸いです。

 

不登校で悩む子どもとその親御さんが「不登校で良かった!」と言える未来を心から願いつつ。

 

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一ノ瀬健太

1988年京都市生まれ。小学校2年生から中学校1年生まで、約5年間の不登校を経験。光の子どもクリスチャンスクール中等部、高等部卒業。>>ブログ【不登校児、父になる。】

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年2月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。