孤独が寂しくて辛い…愛されたい心理と3つの対処法とは?精神保健福祉士が解説
孤独の背景にある心理とは?
では、孤独感が強い人にはどのような気持ち・背景があるのでしょうか。
心の成長過程で生じる「愛着」を軸に解説していきます。
人をはじめとした哺乳類は、生まれたばかりのときはひとりで生きられるような状態ではありません。
保護、養育が必要な状態です。
そばにいる人から守られている感覚や心を開いて相手と接する状態に安心感を覚えます。
心理学では、生まれてから養育者(母親)との間に生まれるこのような心理状態を「愛着」と表現します。
人は愛着を感じる対象が必ずしも母親とは限りませんが、幼い時期を母親と過ごした記憶がある人は多いでしょう。
つまり、生まれながらにして孤独感に強い人はいないということです。
ここで、相手と親密になることや相手を信頼する気持ちが育つと、
「自分はこのままで、ここにいていいのだ」
という自己肯定感が強くなります。
孤独感が強い人は自己肯定感がうまく育たないことで、自分の存在を他者に求める傾向があるのです。
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孤独感が強い人の代表的な感情・行動は以下のようなものです。
孤独感の強い人の3つの行動・感情
①周囲の反応が気になって仕方がない
自己肯定感が低く、周囲に認められないと正しさを感じることができないため、人からどう見られているかをとても気にしてしまいます。
自分が周囲から浮いているんじゃないかと不安になったり、自分への悪口を言われているような気分になったりします。
②相手が自分のことを肯定しているか試してしまう
仲が良い友人や恋人に対してであっても、
「嫌われているのではないか」
「いつか捨てられるのではないか」
と疑心暗鬼になる傾向があります。
そのため、わざとけんかを吹っ掛けたり、ちょっとしたことをきっかけに、
「やっぱり自分のことを好きではないのだ」
と相手を責めたりしてしまいます。
③ひとりでいることを悪いことだと感じる
世の中には、ひとりで過ごすことが好きな人もたくさんいますよね。
自己肯定感が高く、自分で自分を満たしてあげられる人は、ひとりで過ごす時間を大切にすることができます。
一方で孤独感や寂しさが強い人は、自分の存在を他者に委ねたり評価をとても気にしたりしてしまうので、ひとりで過ごすこと自体にとても抵抗があります。
孤独の寂しさを抜け出す3つのポイント
ここまでの解説で伝えたかったことは、
「孤独感を克服する=人と交流すれば解決する」というわけではない
ということです。
人と一緒に過ごしても、相手を信じられなかったり、話についていけなかったりすれば孤独感は募ります。
では、実際に孤独感や寂しさから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか?
①寂しいと感じている自分を受け入れる
自分を受け入れることはとても大切です。
孤独に弱い自分、誰かと一緒にいないと安心できない自分を認めましょう。
孤独を味わったことがないのであれば、それまでは家族や友人など自分を認めてくれる人がそばにいたのかもしれません。
②人と自分を比べない
「Aさんと比べて、自分は友人が少ない」
「みんなと比べて、予定が少ない」
など、他の人を基準に考えることをやめてみましょう。
多くの人と関わって刺激を得ることが好きな人もいれば、人と会うことで疲れてしまったり、体力がなくて予定をこなせなかったりする人もいます。
大切なのは、自分の満足感であり、人と同じになることではありません。
③愛情を得ることにこだわらない
孤独感を埋めたいときは、愛情や承認を「得る」ことに必死になってしまいがちです。
愛情を得ようとしている行動は、相手にその必死さが伝わりやすくなってしまいます。
必死であればあるほど、相手は引いてしまい、逆に認めてもらうことが難しくなってしまうことも多いです。
愛情や承認は得るよりも、「与える」ことを意識すると少しずつ反応が返ってくると思います。
さいごに
誰もが最初から孤独に強いわけではないと思います。
しかし、人と過ごすことだけが生活の楽しみではありません。
・誰かと過ごすことで充実した時間となるのか
・もっと他に自分を満たすものがあるのか
など、視野を広げてみることが大切ではないでしょうか。
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- 本記事は2019年5月9日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。