認知症患者の尊厳とは?先輩に意見ができずに悩んでいます【看護師の相談室Vol.1】

2017.01.29公開 2017.04.03更新
ロケ民子

回答者
ロケ民子
正看護師

 
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ご質問

私は20代の看護師で総合病院で働いているものです。 私の勤務する病棟は、いわゆる慢性疾患の方が対象です。

 

日本が高齢社会ということもあってか、80歳以上、90歳以上の方が入院してきます。

 

すべての患者さんがではないのですが、なかには認知症の既往があったり、緊急入院をして環境の変化に順応できず、せん妄となる患者さんも少なくありません。

 

仕方ないのかもしれませんが、不穏だから、認知症ですと点滴を自己抜去してしまったりすることも少なくないのですが、そういった患者さんは、もれなく四肢を抑制されたり、車椅子に座らせられたりして1時間、2時間は座らせられたまま放置されます。

 

褥瘡ができないように、除圧程度は行われますが、そういった対応は患者さんの尊厳や倫理を考えると間違っているように思うのですが、先輩方が当然のように行っていて意見ができず悩んでいます。

回答

こんにちは。ご質問ありがとうございます。

 

毎日、ご自分の思いとは裏腹な行動をしなければならない葛藤がとてもよく伝わってきました。

 

スタッフの人数も少ない中、やらなければならない仕事も山積みで、一人の患者さんだけに付き添っていることもできない。でも、転倒転落は防がなければならない。

 

そんな中での苦肉の策が、離床しながら車椅子での抑制になってしまうのかもしれませんね。

 

それをわかっていても、その状況を見続ける事は辛い事だと思います。

 

ぜひ、あなたの今のその気持ちを忘れずに大切にしてください。

 

というのも、人はある辛い状況に置かれると苦痛から逃れるために、「慣れる」という選択をします。

 

そうなった時、今まで「おかしい。普通ではない」と思っていた事でも何とも感じずにしようします。それは自分自身を守る防御反応とも言えます。

 

そう考えると、もしかしたら、今は当然の事として行っているように見える先輩方も、以前はあなたと同じように感じていたかもしれません。

 

また、今でもそう考えながら、抑制をせざるを得ず仕方なく行っていることかもしれませんね。

 

先輩方の考えについて、質問する事は出来ます。まずは先輩看護師の考えを聞いてみるのも相手を理解するひとつの方法になりますね。

 

先輩方の考えが分かるだけでも、あなたのジレンマは軽減すると思います。

 

また、抑制行為自体は医師や師長を含めて全体で判断しなければならない事だと思うので、あなたの意見が言えないこともあるかもしれません。

 

そんな時は、病棟全体を把握している看護師長などの上司に、個人的に自分が困っている事、ジレンマを抱えている事として相談してみると解決の糸口が見つかると思います。

 

あなたの気持ちを溜め込まず、理解してくれる人に話すことで、あなた自身もストレスも軽くなります。あなたを理解してくれる人はきっといますよ。

 

もし誰にも話せないようでしたら、どんな小さなことでもいいのでこちらにご相談ください。

 

はじめにもお伝えしたように、長くその場にいるとどんな状況でも少なからず慣れてしまい、いろいろな視点に気づかないこともあります。

 

あなたの持っているその感覚をぜひ大切にしてください。

 

今すぐこの状況に激変が起こらないかもしれませんが、あなたの抱く気持ちは今後働く上でいろいろと役だってくると思います。

 

あなた自身が気持ち良く働けることができるようお祈りしています。

ロケ民子

ロケ民子

正看護師

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