「私の障害について（疾病・障害について）」という書類は必要？必要ない？

今回は就職活動の際に「ご自分の障害を伝え、説明する書類」（「私の障害について」「自分の障害説明書」など様々な呼び名があります。）をご紹介したいと思います。

本来であればそれが望ましいです。

 

ただ最近、就労支援機関やハローワークの相談窓口などで、「疾病・障害について」の書類作成等の説明を聞かれていない方と何人も出会いました。

そもそも、こういった書類作成のサポートがされていなかったり、作っていたとしても数ページにもわたっていてとても情報量が多かったり…

 

こういった状況は、6年余り携わった神奈川県の難病患者就職サポーターとしての活動の中でも散見しています。

もちろん、疾病・障害について整理すること自体の意義はあります。

 

しかし、整理用と事業者への提出用を分けるなどの工夫は必要だとも考えています。

 

（必要な方は、就職後に別途、詳細な書類を渡すなど）

福祉職目線では当事者配慮な視点に傾きがちではありますが、履歴書や職務経歴書同様に、事業者に対する提出書類である以上、

 

・採用選考の際の事業者目線
・採用選考の場である認識やバランス

 

などは与したいものですね。

一般的に、障害に関する説明資料は必ず作らなければならないものとは言われていません。

 

が、事前に説明資料を送ったり提出することで、障害のことや必要な配慮について事業者に伝えることは障害者雇用率制度での応募では可能でうまく活用する必要があります。

そうですね。障害者雇用率制度の適用にあたって、安全配慮義務や合理的配慮という観点からも重要と言えます。

そうですね。

 

私の相談経験の中でも数例、病気を開示する書類を事業者に提出した上で、一般雇用枠として就職した事例があります。

 

しかし、書類の内容は、一般雇用用にアレンジしています。

障害者雇用の研究発表、事例発表の中で散見されるのは（いくつかありますが、主要な点としては）、

 

①当事者に支援者がいること
②障害や疾病について説明を他者にできる準備性

 

といった点を事業者が重要視しているという意見です。

また、障害者雇用促進法における合理的配慮にはケースバイケースという性質があります。

 

そのため、双方のコミュニケーションを軸にした合意形成によって個別的に「合理的配慮」が出来あがっていくんですね。

だからこそ、合理的配慮を求める方が「どんな配慮があると働きやすいのか」を自己決定していることが大切です。

 

と同時に、企業に求める配慮の情報を整理し、そして伝えることで合意形成を醸成していく「双方の準備性」も大切になります。

障害者雇用率制度での障害者採用の際には、制度や法律の側面からも「疾病・障害について」は実質、必要書類になっています。

 

ですので、履歴書・職務経歴書と同様な準備をして就活に臨まれるのが、双方にとっていいのではないかと考えます。