根拠のない自信を幼児期から育もう!チャイルドカウンセラーが解説

2017.05.09公開
 
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前回の記事では、学童期の子育てにおいて「あいまいさ」が大事だと書きました。

 

今回は、その「あいまいさ」を身につけるために、幼児期から大事にしてほしいことについて書きます。

 

 

「根拠のない自信」は心の栄養

幼児期に、もっと言えば、生まれた瞬間から、親が子どもに与えてほしい大事なものは「根拠のない自信」です。

 

根拠のない自信は、心が健全に育つために必要な、いわば「心の栄養」です。

 

「根拠のない自信」とは、その名の通り理由や説明のない自信です。「根拠のない自信」がある子は、

 

「よくわからないけど、私はすごい。」

「私はたっぷり愛された。」

「私は、愛されるべき存在だ。」

「私は、大切な存在だ。」

「私は、ここにいてもいいんだ。」

「この世は案外いいところだ。」

 

と、自分で自分を大切にすることができます。

 

この、「私は愛された、愛されるべき存在だ。」という感覚に根拠は全く必要ありません。「私は~だから」という理由や意味づけは必要ないのです。

 

 

「根拠のない自信」がないと…

幼少期に根拠のない自信が育たなかった場合、子ども達は、

 

「自分に自信がない。」

「自分が嫌い。」

「他人の目や評価が気になる。」

「自分なんて、大した価値がない。」

 

と訴え始めます。さらに、なにかで失敗したり、悪い事が起こると、

 

「自分のせいだ。」

「自分はダメだ。」

「自分が悪かったからだ。」

「努力が足りなかったからだ。」

 

と自分を責めるようになります。

 

実は、この自己否定感にも根拠がなく、いわば、「根拠のない否定」なのです。

 

「お前はダメだ。」

「何をやってもダメだ。」

「なんで、いつもできないの。」

「どうしようもないやつだ。」

 

などといった否定的なフレーズを日頃から聞いていると、子ども達は無意識に「根拠のない否定」を育ててしまいます。

 

 

「根拠のない自信」は子どものうちに

学童期や青年期になっても、「自信がない」というフレーズをよく聞きますが、大人になってから自信をつける作業は本当にたいへんで、時間もかかります。

 

自分の中に、自分を支える軸のようなもの(これを「自我」といいます)が欠如しているんですね。

 

だから、何か起きたときに自分を支えられず、「自分のせいだ。」と思うことで、本当は自分を守っているのです。

 

しかし、この「自分がダメだから」という思い込みで、ありのままの自分を否定し、他人にとっての「良い子」になるために、必要のない努力を始めるようになります。

 

実は、ここにいろいろなこころの病気の原点があります。

 

幼少期に様々な事情で「根拠のない自信」が育っていないと、自分らしく生きることができず、大人になっていろいろなこころの病気につながる可能性が高くなるのです。

 

 

「根拠のない自信」と「自信過剰」の違い

親御さんの中には、たくさん自信をつけさせることで「自信過剰」になるのでは?と心配する方もいます。

 

しかし、「根拠のない自信」と「自信過剰」は全くの別物です。

 

「自信過剰」とは、「私はこれができるからすごい」と、他者に対して自分の見た目や能力を自慢することです。

 

実は、これは自分の秀でているところを自慢することで「人に認められたい」という承認欲求を満たそうとしているのです。

 

言い換えれば、認められたいという気持ちが強いことの表れです。

 

逆に、「根拠のない自信」がある人は、自分の存在がしっかり受け入れられている、承認されている、満足している状態なので、この類の自信をいくら持っていても、人と比べたり、ひけらかす必要がないのです。

 

「根拠のない自信」が基盤にあって初めて、能力や見た目に対する自信が適切に持てるようになるのです。

 

まず先に、自分の存在に対するゆるぎない「根拠のない自信」をしっかり養ってから、能力に対する評価を受けることで、子ども達はいろんな才能を開花させていきます。

 

基盤がしっかりしていないところに、焦って能力をつけさせることだけを強調しても、なかなか伸びなかったり、人と比べたり、自分が出来ないことに耐えられなかったり、途中で投げ出してしまったり、と結果的に苦しい思いをすることが多いように見えます。

 

「根拠のない自信」という基盤があって初めて能力が育つ。

 

この順番が大切なのです。

 

 

親は「親バカ」でいい

根拠のない自信を育てるためには、親は「親バカ」なくらいでいいのです。

 

「うちの子は、すごい!」

「うちの子は、かわいい!」

 

と、理由はなくても、それくらい思っている方がいいと思います。

 

「私たちは、こんなにあなたを愛している。だから、あなたは愛されて当然なんだ。」

「大事にされて当然なんだ。大切な存在なんだ。」

「あなたが生まれてきてくれて、本当に良かった。私たちは幸せだ。」

 

と来る日も来る日も、子どもに浴びせるくらい伝えることで、

 

「自分はこの家に生まれてラッキーだ。」

「私は、幸せだ。」

 

と、子どもに思い込ませる事が、この時期の親の仕事であり、自分の存在に対する「根拠のない自信」を植え付けることに繋がるのだと思います。

 

 

声かけの際の注意点

しかし、ここで注意が必要なのは、「お前は~~ができるから、すごい。」という条件付けの愛情のかけ方です。

 

これは一見、親バカフレーズのように見えますが、子ども達は「~~ができる」という条件を満たしたときに、初めて親が認めてくれるということを学習してしまい、本来の子どもの存在を認めているということにはなりません。

 

もし、「~~ができるから、すごい」というフレーズを頻繁に使っているのなら、「できなくても」という一節を加えて、「~~ができても、できなくても、お前という存在はすごい」と言ってみましょう。

 

 

「根拠のない自信」は揺るがない自信に

勉強が出来ても、出来なくても、美人でも、そうでなくても、親に愛された――

 

このことが、何があっても揺るがない自信につながります。

 

ものおじしない子は、オドオドした子よりずっと人と接する機会が多いため、ますます確かな「愛される」自信を作っていきます。

 

親バカでいることは、実は、こうしたよい循環の基礎をつくっているのです。

 

そして次の段階で、何か起きたときに、必要以上に自分を責めることのないような、「ま、いいか」と切り返せるような、「あいまいさ」を身につけることにスムーズに移行できるのです。

 

「根拠のない自信」を持たせるか、「根拠のない否定」を持たせるか。

 

どちらを持たせるかでその子の人生が大きく変わってくるのです。

 

子どもが小学校高学年にもなると、親にも子どもにも恥ずかしさが出てくるものです。

 

できれば、思春期に入る前の段階に、たくさん親バカぶりを発揮して「根拠のない自信」を持たせてあげましょう。

 

 

【執筆者】

佐藤真由美 チャイルドカウンセラー

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