今の自分を受け入れられるようになったカウンセラーの一言【あやなさんPart2】

ひたすら寝るだけの結婚生活

結婚して1年くらいは、ただひたすら寝るだけといった生活でした。

 

夕飯を作ったり、買い物に出たり…といったことができない日が続いて、それでちょっと旦那の機嫌を悪くさせてしまうこともありました。

 

ただ旦那は、「できないことは、言ってくれたらこっちが対処するから、ちゃんと言ってね」と言ってくれていたので、その点は有難かったです。

 

例えば、元気がないなという日は、「今日は元気がないので、夕飯を作れそうにありません。何か買ってきてください」とLINEをすると、

 

「分かった」「何が食べたい?」って怒らずに返信してくれていました。

 

最初の頃は「申し訳ございません、申し訳ございません」って泣きながらLINEをする感じでした。

 

それでも、「この人はちゃんと先に言っておけば、やってくれる人なんだ」という認識が当たり前になってきてから、「頼って良いんだ」と思えるようになっていましたね。

 

今でも自慢の旦那です。私にとって完璧ですね。

 

 

一緒に泣いてくれた旦那

同棲を始めた頃でしたが、「もう辛い、辛い、辛い。あんたなんか私の辛さ、分からないんでしょ!」って八つ当たりしてしまった時がありました。

 

その時も、当時彼氏だった旦那はポロポロ泣きながら、「辛いのを分かってあげられなくてごめんね」と一緒に泣いてくれて。

 

「辛いのは私だけじゃないんだ」

「彼氏も辛いんだ」

 

って思えた時に、なんか安心したというか、ほっとしましたね。

 

辛いのは私だけじゃないぞって。一緒に闘ってくれている感じがしました。

 

 

 

親に相談できなかった理由

お母さんやお父さんには、なかなか相談できなかったですね。

 

やっぱり心配かけちゃうしとか、家にいて寝てるだけでも十分心配かけてるだろうし。

 

お母さんも病気だから、お母さんが心配しすぎて悪化させちゃいけないとか。お父さんがいる時でも、お母さんが一緒にいると病気の話はできませんでした。

 

あと、「病院に行くな」と父親に言われてからの1年の間、割と精神面でおかしかったのに、放置されていたというのもあって、この人たちには何を言っても伝わんないのかなって。

 

だから、自分が辛いときに実家に通わせてもらい、ご飯を食べさせてくれるだけでも、十分有り難いと思っていました。

 

 

働かないと私には価値がない

体調が良くなってきてからは、ウェブデザインの仕事を探し、悪くなって辞めて、また体調が良くなると仕事を探し…ということを繰り返していました。

 

毎回、旦那には「まだ早いと思うよ」とは言われていました。

 

それでも、「こんなに元気になったんだから大丈夫」「私、働きたい」という気持ちが強かったのですが、その裏には、「働かないと私には価値がない」と思っていたんです。

 

家でグータラ寝てるだけじゃだめだ、働いて自分の価値を旦那に見せなきゃって。

 

ただ、ずっと寝ている生活が1年ぐらい続いて、体調が良くなったり、仕事をしてみようと思うタイミングやきっかけでハッキリしたものはなかったかもしれません。

 

急に「なんか今日はやる気があるぞ!」みたいになって、どんどん起きる時間が長くなったりすることはありましたが。

 

まだその時も、「良い子でいなきゃ」という気持ちがあったんでしょうね。

 

 

「助けて」が言えなかった

転職1社目(B社)のアルバイトとして、新しいウェブデザインの仕事を始めた時も、最初は楽しかったんです。

 

でも、「自分には仕事が重すぎる」となった時に、「助けて」って言えなかったんですよ。上司や先輩に。

 

さらに、会社に来ると眠くなるようになってしまって、ますます仕事ができなくなっちゃったんです。

 

それでまた、怒られるようになって。「仕事中に寝てたらだめだよ」って。

 

「すみません、すみません」と難度も謝ってばかりで、仕事もろくにできないし、眠さを我慢するのも苦しい…。

 

上司には当然心配されて、「辛そうだけど大丈夫?」と言われたので、「ダメになったら言います」って言ったんです。

 

そうしたら、「ダメになる前に言ってね」と言われ、「実はちょっと私には難しいです」「すみません、病気悪化したんで辞めます」って打ち明けて辞めることにしました。

 

 

過眠症を疑うほどの眠気に悩む

そのまた数ヶ月後に、アルバイトとして次の会社(C社)に就職しました。そこでも最初のほうはなんとか出来ていたのですが、ある程度期間が経つと、どうしても眠くなってしまったんです。

 

自分の中で「これ以上は無理」となると、眠たいスイッチが入っちゃうみたいな感覚です。

 

過眠症を疑って睡眠外来にも行こうとしたら、予約が3ヶ月待ちとかで。その待ってる間に、仕事が辛くなって辞めてしまいました。

 

さらにその後、D社にウェブデザイナーとして勤め始めましたが、やっぱりまた眠くなっちゃう…。

 

今度は、学生でもできるような仕事しか回って来なくて。ちょっとプライドが傷ついたというのもあります。

 

また、仕事中に寝てしまっているので、作業が遅れているはずなのに、「いやぁ、仕事早いね」とか言われて。

 

それで、この会社は合わないなという気持ちは、罪悪感もあって、「私に何の価値もないじゃん」と。

 

「自分に価値がないから辞めます」みたいな感じで辞めてしまいました。

 

 

最長でも3ヶ月だった

B社、C社、D社と転職を繰り返しましたが、一番長く勤めても3ヶ月でした。

 

さすがに職種を変えたほうが良いんじゃないかと思って、接客業を始めたら、1日でダメだったっていう(笑)

 

それでもう、旦那に「働かなくても良いですか?」って聞いたら、「だって働けないものは働けないでしょ」って。

 

「そもそも最初からどれも無理だと思ってたよ」

「なんで働くんだろうくらいに思ってたよ」

「無理に働けなんて言わないよ」

「働かなくて良いよ」

 

と言ってもらえたことは私にとってはとてもラッキーでした。

 

そして、しっかり治療に専念しようと決心しました。今から、2~3年前の話です。

 

 

治すではなく「解消」する

仕事から離れた期間中、病院にもちゃんと通い、もうその頃には薬の副作用で苦しむこともなく、アヤナ様の声が聞こえるといったこともほとんどありませんでした。

 

自責の念が減ってきたのは、2年前にカウンセリングを受けるようになってからかなと自分では感じています。

 

私が通っていた専門学校の恩師が、学校のカウンセラーさんだったんです。

 

その先生はフリースクールの先生でもあるんですが、私の抱えていたモヤモヤを引き出してくれて、カウンセリング受けてみようかなと思って依頼したんです。

 

ただ、「私は精神疾患の勉強をしてないから、あなたの期待に応えられるか分からない。それでも良い?」と言われて、「それでも大丈夫です」って二つ返事で答えました。

 

そしたら、「治すとか解決するではなく、解消する。自分の気持ちが楽になるように、ゆるゆるおしゃべりしましょう」という風に言ってくださって。

 

「解消する」

 

まさにそれが、私が欲しかったことだったと、その時すごく感じていました。

 

 

カウンセラーの一言で変われた

カウンセリングを受けるまでは、友達などによく電話をして相談していましたが、その友達が就職して忙しくなってからは、私が辛い時にすぐ頼れなくなってしまって。

 

カウンセリングを受けることになってからは、何か辛いことがあった時はもちろん、逆に楽しくて良いことがあった時とかでも、「先生にお話したいことがあるのでお願いします」といった感じで活用しています。

 

「実はこういうことがあったんです」

「今、こういうことを頑張ってるんです」

 

なんてことを言うと、「すごいじゃない」って褒めてもらえて、その一言で不思議なくらい元気になれるんです。

 

「辛いことでも、楽しいことでも、話したいことを話すのがカウンセリングだもんね」と言ってくださって、私としてもすごく助かっています。

 

 

カウンセリングと障害年金

カウンセリングは、月1回の頻度で1年くらい続けています。

 

カウンセリングを受けると当然、出費が増えますよね。しかも私、働いてないのに。

 

そんな私が、なんで保険外のカウンセリングを受けられたと言うと、障害年金を貰うことができたことが大きいと思います。

 

それまでは、「私は障害者じゃない」みたいな気持ちもありました。

 

でも、よく話す友達から、「障害者とか障害者じゃないとか深く考えないで、貰えるものは貰って利用しなよ」って言ってくれて「そういう考え方ももあるんだな」と思って。

 

現在、障害年金2級なのですが、そのおかげで負担が少なくカウンセリングを受けられるようになりました。

 

 

障害年金の申請は自分で

私の場合、厚生年金を払っていた時だったので、国民年金の障害年金と厚生年金の障害年金が貰えるっていうことで、月単位にすると10万円以上いただいています。

 

厚生年金の場合は年金事務所、国民年金の場合は市役所に行って申請しました。

 

専用の診断書があるので、申請は大変でした。診断書を書いてもらうのに、2~3ヶ月はかかりましたし。

 

先生からも障害年金について教えてもらえるわけではないんですよ。

 

私が、「障害年金って貰えますかね?」って聞いたら、「貰えると思いますよ」って言われて。

 

それだったら、今までなんで言ってくれなかったんだろうと(笑)

 

申請にあたって、社労士さんに依頼する人もいますが、私の場合は「貰えたらラッキー」ぐらいなつもりだったので、書類作成には2,3週間はかかりましたが、自分で全部やりました。

 

軽い気持ちで、ダメもとで良いから申請してみようと。そしたら通った!という感じです。

 

 

完璧な人なんていないから

あるカウンセリングの時、旦那のことを自慢したことがあったんです。

 

「私の旦那は、病気の私に対してもこんなに優しくて、こんなにすごくて、こんなに理解のある人で」って。

 

そしたら、

 

「そんな旦那と結婚した、あなたもすごいのよ」

「あなたもすごい人だから、そんな素敵な旦那さんが隣にいてくれるのよ」

 

と、思わぬことを言われて「えっ?」ってなりました。

 

さらに、「そんな自分をもっと褒めてあげたほうが良いよ」って言われて。

 

そこから、今の自分を受け入れたり、大事にしようという意識に変わってきたように思います。

 

それまでの私って、完璧主義だったんでしょうね。

 

でもカウンセラーからの言葉で、自分の完璧な理想像を壊すことができたんです。

 

完璧な人間なんていないんだから、完璧な私も存在しないものだって。

 

本当にカウンセラーの一言のおかげで、「生きるのが超ラク」って感じられるようになりました。

 

 

今、大事にしている想い

そうですね、「自分を一番愛してくれるのは自分」ということでしょうか。

 

自分のことを一番大事にするのも自分だし、誰かに愛して欲しいって思った時、一番手っ取り早いのは自分だったりもします。

 

少なくとも、自分だけは自分の悪いところを認めてあげることはできたりするのではないでしょうか。

 

もちろん、それがなかなかできなくて辛い時もあります。

 

それでも、自分のことを許してあげずに、周りにばかり優しくしていると自分が辛くなっちゃうことになりますよね。

 

こういう考え方を持てたのは、やっぱりカウンセリングのおかげと思っています。

 

 

無理することがあなたの仕事?

これを読んでくれている方には「頑張らなくても良いんだよ」っていうことを伝えたいです。

 

特に統合失調症の場合、山あり谷ありで波のある病気なので、発症してから症状が悪化するのは仕方ないらしいんです。

 

だからこそ、辛さに耐えてようとしすぎず、辛くなったら周りを頼って、ちょっとでもおかしいなと思ったら病院に行って欲しいです。

 

そして、相談できる友人、パートナー、カウンセラーを見つけて欲しいですね。SNS上で見つけるのも良いですし、頼れる人を見つけて欲しいです。

 

精神面での病気って、心のガソリンが切れている状態だとつくづく実感しています。

 

そんな状態で運転しようとしても無理じゃないですか。

 

きっと、もう十分頑張ってるんだから、それ以上、頑張らないで欲しいですし、無理して仕事することがあなたの仕事ではないですよと伝えたいですね。

 

私も「頑張らなきゃいけない」と思い込んでいたんですけど、私みたいなチャランポランな生き方をしている人も生きてますから。

 

 

「人のためになりたい」

これからの人生でチャレンジしたいことを考えた時、「人のためになることがしたいな」ってすごく思ったんです。

 

もしまた働くことができたら、私もカウンセラーやフリースクールの先生、精神病の方を支える仕事に就きたいという気持ちもあります。

 

これまで、本当いろんな人に助けてもらったので、今度は私が恩返しする番だと思っています。

 

そう思えることで、今、本当に生きている感じがしています。

 

>>あやなさんのTwitterはこちら(@ayana_sm_sz

 

あやなさん全インタビュー

【Part1】もっと早く病院に行きたかった…統合失調症と向き合う日々

【Part2】今の自分を受け入れられるようになったカウンセラーの一言

 

 

インタビューを受けてくださる方、募集中です

臨床心理士、精神保健福祉士、看護師、保健師、産業カウンセラー、支援機関の職員など、すでに多くの方にインタビューを行っています。

 

また、精神疾患などの当事者の方、メンタルヘルスや人間関係でお悩みの方などのインタビューも行っております。

 

これまでの経験・取り組みや、ご自身の想いを読者に届けていただき、Remeのミッションである「こころの専門家へのアクセスの向上」「こころの健康に関するリテラシーの向上」の実現のために、お力をお貸しいただけますと幸いです。

 

 

ご興味をお持ちいただけましたら、下記フォームよりお問い合わせください。24時間以内にご連絡いたします。

 

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年4月22日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。