子供のリストカット…親のNG対応と8つの声掛け例を臨床心理士が解説
親の3つのOK対応とは?
1.傷の手当をする
リストカットを発見したら、どうしていいか分からずに戸惑うでしょうが、まず一緒に傷の手当をしてください。
傷の様子や具合を確認して、手当てをすることで、
「私のことを心配してくれている」
という気持ちが伝わります。
2.行動の裏にある子供の気持ちを汲む
落ち着いてきたら、リストカットという行動の背景にある本当の気持ちを汲むように心掛けて、話をしてみましょう。
子供たちは、いけないことだと分かっていても、手首を切らなければならないほど、誰にも言えずにガマンしてきた気持ちを抱えて、一人で苦しんできたのではないでしょうか。
「そんな気持ちを抱えていたんだね」
「今まで苦しかったね」
「一人でよく頑張ったな」
子供の気持ちが本当に理解できるかよりも、理解しようとする姿勢を見せることが大切なのです。
3.親の素直な気持ちを伝える
子供の気持ちを受け止めた上で、親としての素直な気持ちを伝えましょう。
「あなたの傷を見るととても悲しい」
「できれば、やめてほしいと思う」
そのために、
・手助けできることがあれば伝えてほしいこと
・悩みやストレスがあれば相談してほしいこと
・自分でも誰でもいいから人を頼ってほしいこと
などを伝えてください。
このくらいコミュニケーションが取れれば、症状が改善する見込みは大いにあります。
医療機関やカウンセリングに行くタイミング
いくらリストカットをやめられずに苦しんでいても、子供から病院に行きたいとは言えません。
むしろ、子供たちはいけないことをしているという自覚があるので、親には見つからないように隠そうと努力します。
だから、家族が気付いて、リストカットを発見したときが、リストカットを改善するチャンスです。
まず、命の危険があるほど出血が多い場合は、すぐに病院を受診して傷の処置を受けてください。
傷の数や具合から、リストカットを繰り返している場合や傷が深くて深刻な場合は、心の問題を抱えている可能性が高いので、専門家のカウンセリングを受けることが望ましいです。
・傷の深さ
・度合い
・頻度
・子供の様子
などを見て、きちんと家族で会話をして、子供の同意を得てから専門家に相談することをおすすめします。
さいごに
我が子が手首を切るという現実に出くわすと、親としては大きなショックと衝撃を受けます。
頭では対応が理解できても、いざその場になるとうまく出来ないことばかりです。
でも、それは親が未熟だからではありません。
子供たちは、どんな親でも、ただ自分に関心を持ち、興味を持ってほしいのです。
リストカットを発見したとき、気付いたとき、向き合ったときが改善のチャンスだと考え、まず一緒に手当てをすることから始めましょう。
その先に、子供たちとその家族の本当の笑顔が待っていると思います。
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- 本記事は2019年5月5日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。