いじめ問題・親の神対応3選!事例・会話例で臨床心理士が分かりやすく解説

2019.05.14公開 2020.06.04更新

【いじめ問題】親の神対応3選

ケース1:中学生女子Aさん

中学生のAさんは、

男子から容姿のことでひどいことを言われたり、暴力を振るわれたり、

女子のグループからも無視されたり、

ひどいいじめにあって、不登校気味になっていました。

 

人の目が怖くなり、昼間は外に出ることもできず、夜になると恐怖体験がフラッシュバックしてきて涙が止まらなくなるような毎日でした。

 

見かねたご両親がAさんに訳を聞いて、いじめが発覚しました。

 

すぐに、お母さんが学校に連絡し、スクールカウンセラーと繋がることが出来ました。

 

Aさん本人はとても学校へカウンセリングに行ける状態ではありませんでした。

 

そのため、お母さんが一人でカウンセリングに行き、対応や今後の見通しを相談し、カウンセリングを受け続けました。

 

カウンセリングの中で、お母さんがAさんへの対応を学び、素早く適切に対応できたことで、Aさんは家庭でゆっくり休み、気持ちを整理することができるようになりました。

 

また、学校側もスクールカウンセラーと情報を共有しながら、対策を取ってくれていました。

 

お母さんが学校とのつながりを維持しながら、粘り強くサポートしたおかげで、Aさんは保健室登校ができるようになり、少しずつ学校に戻れるようになりました。

 

ケース2:中学生男子B君

B君は学校で数人のクラスメイトからいじめを受けていました。

 

それを誰にも言えずに一人で抱えて苦しい思いをしていました。

「バレたらもっといじめられるかもしれない」

という恐怖で、外では平気な自分を演じてやり過ごしていました。

 

しかし、心の中では不安と恐怖に押しつぶされそうになっていました。

 

必然的に家でもいじめのことが頭から離れなくなっていたので、元気がなくなり、何も手につかないような状態でした。

 

言葉数も減り、「学校に行きたくない」と訴え始めたのでした。

 

お母さんは、B君の様子から「いじめられているのかも?」と感じ取りましたが、B君は理由を教えてくれませんでした。

 

なぜなら、B君は心の中で、

「誰にも迷惑をかけたくない」

と思っていたのです。

 

そこで、お母さんは無理に聞き出そうとはぜず、家族で相談しB君の同意を得た上で、学校に連絡をして、とりあえず当分の間、学校を休ませることを伝えました。

 

その間に、B君を連れてカウンセリングに行くことを決めました。

 

B君の家族がスクールカウンセラーではなく、外部の相談室を選んだのは、学校とは離れていて、学校の関係者がいないことが安心に思えたからだそうです。

 

B君は今まで一人で抱えてきたつらさをカウンセラーに伝えることができ、苦しさからようやく解放されました。

 

子供たちが自分から「いじめられている」と訴えることはとても難しいものです。

・ご両親がいじめに気付いたこと

・すぐに学校を休ませて子供の心のケアをしたこと

・子供の気持ちを尊重しつつ迅速な対応を取ったこと

が素晴らしかったです。

 

日頃から子供をよく見ているという習慣が、早期発見・早期対応に繋がったケースです。

 

ケース3:小学5年生女子

最後のケースは、母親との会話の中でいじめをリフレイム(再枠付け)して、乗り越えたケースです。

母親:「最近、元気がないけど、学校で何かあったの?」

子供:

「う~ん。○○ちゃんたちが意地悪するの。仲間に入れてくれなかったり、私の方を見てコソコソしゃべってたり、無視したり…。」

母親:「そっか。そんなことがあったのね。それで、あなたはどう思ったの?」

子供:

「すっごくムカついた。いやな気分…。」

母親:

「それはそうよね。ママだってそんなことされたら嫌だし、あなたがされているって聞くだけでも嫌な気分だわ。」

子供:

「それでさ、私が『やめてよ。どうしてそんなことするの?』って聞いても何も答えてくれないし…。」

母親:「そうなんだ。ちゃんと『やめて』って言えてすごいじゃん。あなたにできることはきちんと自分の気持ちを言うことだけだからね。」

 

自分の気持ちが言えたら100点。後は相手の問題。でもさ、そんなことするなんて、その子達はよっぽど自分を大切にできないのね。」

子供:

「どういうこと?」

母親:「自分を大切にできないから、他の人も大切にできないのよ。」

 

「人のことをいじめても平気なのは、自分もそうされて当然だと思ってるからじゃないかな?」

 

「ママは、人をいじめるって、『はい!私は自分を大切にできません!』って言ってるようなものだと思うし、恥ずかしいと思うな~。」

子供:

「そっか。そう言われてみれば、そうかも。それって恥ずかしいよね。」

母親:

「ね~。だから、自分を大切にしている人を見ると、理解できないし、うらやましいし、意地悪したくなっちゃうのかもね。」

 

「でもそれって、あなたが『自分を大切にできる素敵な人』だからでしょ?ママは、あなたはそのままでいいと思うな。」

 

「あなたがそのままでいることが、彼女たちにとっては一番おもしろくないんだから。」

子供:

「そっか。私は私のままでいいんだ。分かった。そのままでいるよ。」

母親:

「うんうん。また、何かされていやな気分になったらすぐ教えてね。次はママもパパもみんな一緒に考えるから。

 

どうしてもつらいときはすぐに逃げていいからね。一人で頑張りすぎないでね。」

子供:「うん。」

 

 

【いじめ問題】親の神対応3つの共通点

①逃げ場所を確保する

どのケースも、

・実際に学校を休ませる

・不登校になったことを咎めない

・保健室へ行く

など、「逃げてもいい」というメッセージを含んでいます。

 

②子供を責めない

いじめを受けた子供に何か落ち度があったり、悪いところがあったということはほとんどありません。

 

子供たちはいじめられたことで十分傷ついているので、それ以上責めずに、つらい気持ちを聞きだすことがとても大切です。

 

家族だけではどうしょうもできない場合は、勇気を出して専門家を頼ることも検討しましょう。

 

③家族で取り組む

どのケースも、いじめを子供一人の問題ではなく、自分のこととして受け止め、家族で考えようという姿勢を持って、問題解決に挑んでいます。

 

子供に、

「何かあっても一人じゃない」

「家族がいつも味方だ」

と信じ続けてもらうことが、いじめ対策にはとても重要です。

 

 

さいごに

いじめ問題の対策として、親ができることはたくさんあります。

 

大事なのは、そのときに上手く対応しようとすることよりも日頃から、

「お父さんやお母さんがいるから大丈夫だ、あなたはそのままでいいんだよ」

というメッセージを伝え続けることだと思います。

 

このメッセージが子供たちを守るシールド(盾)となり、外の世界で役に立つのです。

「いじめはいつどこで起きてもおかしくない」

というスタンスを持ち、日頃から子供達の様子に興味を持って、たくさん話を聞いておくことが一番のいじめ対策だと思います。

 

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【監修】佐藤文昭

臨床心理士

おやこ心理相談室 室長 >>詳しい情報はこちら

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  • 本記事は2019年5月14日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。