カインとアベル…兄弟間での心の闇やコンプレックスからの解放方法とは?

2016.10.31公開 2016.11.29更新
 
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10月から始まったTVドラマのタイトルにもなっている「カインとアベル」。

 

ドラマでは、なんでもうまくできる兄と、失敗ばかりの弟として話が始まりましたが、旧約聖書の「カインとアベル」は、神が、弟アベルの貢ぎ物だけを喜び、兄カインの貢ぎ物を無視したことから発した殺人事件です。

 

兄カインは、怒りと嫉妬のために弟アベルを殺害し、しかも、そのことを隠すために嘘までついて自分を守ろうとしたのです。

 

兄弟は、同じ血を分けた肉親です。ですが、両親の愛を独り占めしたい気持ちが満たされない時、兄弟はライバルでありながら、憎しみの存在へと変わります。

 

カインコンプレックスが生じる心の闇とは、両親に愛されなかった自己否定であり、他の兄弟への激しい嫉妬。同じ血を分けた兄弟だからこそ、その能力や愛情の差を見せつけられることで劣等感を抱くのです。

 

今回は、兄弟間における心の闇と、コンプレックスからの解放方法をご説明します。

 

 

両親の愛情の差と自己否定

兄弟は、同じ親から生まれているからこそ、両親の愛情の差を感じやすい存在です。

 

特に、上の兄は、弟が生まれるまでは両親の愛情を一身に受けていたはずが、弟の誕生で、両親の愛情に差が生まれたことを知ります。

 

そして、兄は「長男だから」と良い子を命じられることが多いのに比べ、弟は子育てになれた両親にとって、愛情だけを注ぎこめる対象になります。

 

両親は、しっかりものの兄がいるからこそ、安心して弟には自由を与えやすく、甘くなりがちなのです。

 

 

「お兄ちゃんだから」

ですが、兄の視点で見れば、独占していた両親の愛情が、弟に向かった理由はわかりません。

 

しかも、「お兄ちゃんだから」と弟のように甘えることが許されず、両親が自分を愛してくれなくなったのは、自分に興味がなくなった、自分が悪い子だからと思います。

 

そのため、愛されるために、両親の期待に応えようと無理して、勉強などを頑張ります。

 

 

弟への嫉妬や憎しみ

同時に弟に対しては、「お前が生まれてこなければ、親は俺を愛してくれていた」という嫉妬や憎しみというネガティブな感情を抱いています。

 

そのネガティブで強い感情も、自分が長男として認められている場合には、心の闇を抑えることができます。

 

ですが、その「自分のほうが上である」という自分を支えている最後の砦が壊れた時、憎しみが弟への向かってしまうのです。

 

兄弟である意味は、同じ親の子であると同時に、親の愛を奪い合う存在なのです。

 

 

周囲の人を巻き込む報われない思い

両親に愛されなかった思いが強い兄弟は、学校や仕事などでも、同じ感情を掻き立てられる相手に対し、敵意を持つ傾向があります。

 

弟の自由奔放さを感じさせる同僚や部下に対して、必要以上に厳しく接してしまったり、わざと仕事が失敗するように仕向けたりするようになります。

 

また、異性に対しても同様です。弟が好意を持っている相手に対し、わざと近づき奪い取ろうとしたり、弟よりも自分のほうが優れた人間であることを認めさせるための行動をとったりします。

 

これは、両親から愛されたい思いを弟の恋人に投影したり、弟への嫉妬や憎しみを部下や同僚に転移しているだけなのですが、本人がその本当の心の闇に気が付かなければ、何度も同じことを繰り返すだけになってしまいます。

 

そのうち、人間関係も兄弟との関係も破綻し、周囲に誰もいなくなってしまう場合さえあります。

 

 

カインコンプレックスから解放されるには

カインコンプレックスは、親から十分な愛情を得られなかったことから起こる「劣等感」が基盤にあります。親から愛されなかった自分自身に自信がないのです。

 

カインコンプレックスから解放されるためには、

 

〇家族から距離を置く

〇自分をそのまま受け入れてくれる友人を作る

〇親や兄弟の関係を客観的にみる

〇両親から精神的に自立する

〇親に愛されたかった自分を認め、受け入れる

〇自分の良い面に目を向ける

〇一人で頑張っている自分に自信を持つ

〇友人や恋人に心の弱さを吐き出す

〇カウンセリングなどを通して、心の再構成を行う

 

などがあります。

 

親が子供にかける愛情に差があったとしても、それはあなたの問題ではなく、両親の問題です。あなたには、兄弟と違う良さがたくさんあるのです。

 

そのことに気が付くことが、カインコンプレックスから解放され、同じ血を分けた兄弟を、嫉妬や憎しみの対象としてではなく、全く違う新たな意味での関係へと変えることができるのです。

 

 

まとめ

「カインとアベル」は、旧約聖書に出てくる兄弟で、神が人間を創造して初めて起こった弟殺しであり、自分を守るために嘘までついた物語です。

 

同じ親から生まれたにも拘わらず、同じ分だけの愛情を受けることができなかった自分への自己否定と劣等感、親の愛情を独り占めできなくさせた兄弟への憎しみがベースにあります。

 

親の呪縛から解き放され、同じ血を分けたかけがえのない存在として、兄弟として生まれた意味を書き換えることができれば、カインコンプレックスから解放されます。

 

あなたは、あなたのままで、十分素敵な存在であることに気が付いてください。

 

【執筆者】

村松真実 看護師・心理相談員

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