キャリアウーマンから専業主婦へ…変化を楽しむための心がけとは?
専業主婦も「キャリア」になる
1950年代に、米国の教育学者ドナルド・E・スーパーが発表した「ライフキャリア・レインボー」の理論によると、人生は年齢や場面のさまざまな役割(ライフロール)の組み合わせと定義しています。
人生全般にわたり、社会や家庭でさまざまな役割の経験を積み重ねて、初めて自身のキャリアが形成されると考えます。
子供、学生、職業人、配偶者、家庭人、親、余暇人、市民としての役割はすべて「キャリア」です。
ドナルド・E・スーパーの理論は、現在でもキャリア理論の基礎となっている考え方ですが、この理論によれば、専業主婦も「家庭人」(「配偶者」、「親」も含まれます)という立派なキャリアになるのです。
つまり人生全般という大きな視点で捉えると、一つの大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
専業主婦であるあなたは、家族にとってかけがえのない存在です。
また専業主婦と言えば、狭い世界になると思われがちですが、そうではありません。
専業主婦になることで、視野が広がるのです。
そういう意味でも、専業主婦という時間は今しかない貴重な時間なのです。
知力も体力もフル回転。専業主婦はマルチタスク
専業主婦にはたくさんの仕事があります。
・家族が快適に家で過ごせるように、部屋を隅々まできれいに保つこと
・毎日栄養バランスを考えながら食事を作ること
・家計を管理し収入と支出のバランスを取ること
など、やろうと思えば仕事なんてたくさんあります。
家庭における「ヒト・モノ・カネ・情報」の管理をすると思えば、ある意味、会社を経営することに似ています。
また出産を経ると、もっと「ヒト・モノ・カネ・情報」の管理は大変になります。
そして、子どものマネージメントは知力も体力もフル回転です。
地域社会とのかかわりも増えてきます。
そのように考えていくと、専業主婦というのは決して楽ではありません。
「仕事をしているほうが専業主婦よりもよっぽど楽だった」という人も結構いるくらいです。
思っている以上に、専業主婦という役割はマルチタスクであり、大変なのですが、キャリアウーマン時代には見えなかった景色や気持ちを感じることもできます。
掃除、洗濯、食事の準備などを段取りよくこなし、家族が快適に過ごせる空間を作ること。
平日の昼間の街の景色を感じながら、子どもとのかけがえのない今という瞬間を過ごすこと。
そこにはキャリアウーマンが決して見ることができない「違う世界」が広がっています。
社会の一員としての専業主婦
また、専業主婦になり、地域社会とのつながりを持つことは、様々なバックグラウンドを抱えた人々と関わることになります。
そこでは、今まで関わることができなかった様々なコミュニティにおいて、色々な価値観を持った人との新しい出会いがあります。
会社での肩書を脱ぎ捨てると、あなたは生身の自分で勝負しなければなりません。
自分の存在がいかに小さく限られた人間関係の中にいたのかを感じさせられます。
本当の意味で社会の一員であり、人として生きるとはどういうことなのかを考えさせられます。
自己投資のための貴重な時間
また、キャリアウーマン時代にやりたかったけれど、できなかったことにチャレンジすることも良いでしょう。
資格をとるのも良いですし、趣味に時間を割くのも楽しいひと時です。
自分への投資をすることで世界も広がり、心の幅も広がります。
今後、再び仕事に復帰する時に備えて、自己投資することも専業主婦の間にしかできない贅沢な時間かもしれません。
さいごに
専業主婦という今の時間を大切にすることは、あなたの今後の人生をより有意義で実り多いものにします。
専業主婦という時間は、今しかないのです。
専業主婦というキャリアはあなたの視野を広げます。
今まで演じてこなかった役割を演じることで、違う視点から物事を捉えることができ、人間の幅が広がるのではないでしょうか。
そういった意味で、私は専業主婦という時間は貴重な時間だと考えています。
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- 本記事は2016年11月1日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。