看護師を目指す妹がうつ病に…接し方に悩んでいます(20代・女性)

2017.11.06公開
村松真実

回答者
村松真実
看護師 心理相談員

 
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ご質問

看護師を目指している妹がうつ病になってしまい、接し方に悩んでいます。

 

家族の中でも、妹に最も近い立場にいる者として支え続けなくてはならないことはよく分かっています。

 

しかし、恥ずかしながら支えるべき自分も本格的なうつ病になりかかっています…。

 

私は現在、学生で妹も学生です。妹は医療職をかねてから志し、どうしても行きたいと願って看護学部へ入り、入学当初はとても充実していたようでした。

 

ちなみに妹はお世辞にも手先が器用な方ではなかったので、家族は彼女が看護に行くことに最初は反対しました。

 

ただ、彼女自身がどうしても勉強したいと譲らず、たっての希望で看護学部に編入しました。

 

そんな彼女の様子が変わってしまったのは5月の半ば頃からで、朝はなかなか起きずに学校へも行きたくないというようになりました。

 

見ていた私も、その頃は一種の5月病のようなものかと思ってさほど気に留めてはいませんでした。

 

ただ、本格的に看護技術の練習や実習のための練習が始まると、やはりといいますか、周りの人よりも器用ではないからか、先生が見せてくれるお手本の通りに真似をすることもなかなかままならないそうでした。

 

しまいには、この前の技術試験のときに全ての履修者の中で、妹だけが試験に落ちてしまい、実習の先生を含め、その他2名くらいの先生にも「あなたは向いていないんじゃないか」というようなことを言われたそうです。

 

更に、いつも一緒に行動している友人との話題がなくて、全く話せない日もあるほど会話が成立しないことが精神的に辛くなったことで「看護を辞めたい」と言い出しました。

 

それに追い討ちをかけるように、小テストや実技が時々出来なかったりすることもあって、頻繁に「辞めたい」と言うようになっているので、先生に「向いていないんじゃないか」と言われたことが辞めたいと言い出した原因ではありません。

 

これまで話して来たような理由で看護を辞めたいと毎日のように言うようになっています。

 

私は、これらのことを毎日何回も相談されていて、その度に、

 

・辞めるのは今すぐでなくても可能なため、まずは自分のペースでゆっくり勉強を進めればいいこと

 

・精神状況が不安定なときに、看護学部を辞めるという大きな決断をするべきではないこと

 

などを毎回相談される度に説得していますが、当然というか全く効果はありません。

 

看護学部を辞めても他に目指したい仕事はなく、専業主婦願望もなく仕事はなにかしらやりたいらしいのです。

 

ただ、「何をやっても人より出来なくて すぐ逃げたくなる自分が卑怯で嫌い過ぎて、今の自分が情けなく思い、看護学部もすっぱり辞めて全てをリセットしたい」と言っています。

 

 

私ではこれ以上、相談に乗れることがないので医療機関の受診をなんども勧めましたが、どうせ言われることは分かっていると言ったりする上、実習などで忙しくすぐにはかかれる見込みがありません。

 

しかし、彼女の相談を四六時中聞いている私の方も、精神的に限界に来てしまい、はっきり言ってもう疲弊しそうです。

 

どなたか専門の方にすぐにご相談がしたくて堪らず、こちらで少しでも聞いていただければと思い、相談させていただいた次第です。

 

長くなってしまい、纏まらず申し訳ありません。

 

可能であれば、どうかアドバイス等をいただければ幸いです。

回答

ご相談ありがとうございました。

 

妹さんのことが影響して、あなた自身も精神的につらい状況に追い込まれてしまっているのですね。

 

解決策の見えない妹さんの相談に乗り続けることは、大変だったことと思います。

 

妹さんは、看護師を目指して大学に入られたけれど、技術試験や周囲の仲間との関係性がうまく行かないことがきっかけで辞めたいと思うようになったようですが、私は少し違う印象を受けました。

 

実は、私も看護師です。

 

そして、学生や新人一年目で躓いてしまう方の中に、自分が描いてた看護師とは違う現実を垣間見て、看護師を続けられなくなってしまう方がいます。

 

特に、看護師という職業に強い夢や期待を抱いていた方ほど、理想と現実のギャップを前にした時、どう乗り越えて良いか判らなくなることがあります。

 

看護師は、決してきれいなお仕事ではなく、排泄や食事の介助、清潔ケアなど、濃厚な関わりを必要とします。

 

今でこそ、食事をしながら排泄の話しもできますが、看護学生の時は違いましたし、どうしても生理的に受け付けないケアなどもありました。

 

もしかしたら、妹さんは、そんな理想と現実のギャップを感じた自分を許せないのかもしれないと感じました。

 

両親の反対を押し切って、看護学部に進んだこともあり、理想と現実が違っていたことを今更言えないのかもしれません。

 

そのため、必要以上に緊張して、技術試験がうまくできなかったりするのではないでしょうか。

 

私も技術試験は、あがり症で一度でパスすることはありませんでした。ですが、練習あるのみと思い、家族まで巻き込んで練習したことを覚えています。

 

技術は、頭ではなく体で覚えるもの。器用でないと思うからこそ、体で覚えてしまうことが大切で、練習をした分だけ技術は身に付きます。

 

妹さんは、できないことだけを意識してしまっているのでしょう。けれど、この技術は、将来の患者さんのためのものです。

 

できない私はダメだ、で終わってしまうのだとしたら、患者さんに直接対応させるわけにはいかないと判断されてしまうことになってしまいます。

 

医療は、患者さんの命を預かる仕事なため、できないからOKでは済まされず、頑張って乗り越える強さは必要になります。

 

妹さんが「取返しのつかないことをしでかした」と感じていることが、実技試験の失敗や期末試験のことを指すとしたなら、その段階で失敗をした方が良かったといってあげてください。

 

スイスイとすり抜けて、甘く考え看護師になった後で、直接患者さんのケアや処置でミスを犯してしまうよりも、学生の内にうまく行かないことを経験した方が学びになります。

 

人が見ていると上がりやすい自分を知ることは、常に誰かの視線にさらされている医療者になるうえで、自己理解につながります。

 

緊張しないようにする方法もいくらでもあります。

 

優秀かどうか、器用にできるかどうかに、妹さんが価値を置いていることが気になりました。

 

看護師は結局のところ、国家試験に受かるかどうかですし、学校の成績は良くなかったけれど、看護師として患者さんに信頼されている人も多くいます。

 

実技試験がうまく行かなかろうと、赤点を取ろうと、はっきり言って大した問題ではなく、どれだけ患者さんと信頼関係を構築でき、患者さんのために勉強し続けられるかどうかです。

 

医療職は、成績が良いから続けられるといったものではない世界ではあります。

 

妹さんが続けられないと感じている本当の気持ちを、聴いてみることも良いかもしれません。

 

机上の学習とちがい、看護師は実習をしなければなりません。

 

看護師になりたい気持ちそのものが揺らいでいるのであれば、いくらご両親が続けて欲しいと頼んでも、難しいかもしれません。

 

ですが、看護師になりたい、患者さんのケアがしたいという気持ちが残っているのであれば、学生の時にたくさん失敗した方が、味のある看護師になることができると、ぜひ伝えてあげてください。

 

失敗をしない人は、患者さんの苦悩を理解することができないからです。

 

うまくできない気持こそが、患者さんの気持ち。それを今、体験しているのだと伝えて頂けたらと思います。

 

ただ、気持ちの整理をするために、気軽のメンタルケアを受けることをおススメします。ストレスマネジメントの方法などを勉強することも良いと思います。

 

看護師の仕事内容も色々あります。大切なことは、妹さんが看護師になりたいかです。

 

その部分が揺らいでいるようなら、今一度、踏みとどまって愚痴ではなく、家族全体で話し合ってみてください。

 

場合によっては、学校の先生や、学校でメンタルヘルスを担当する人を含めて話し合うと、冷静に話し合うことができることもあります。

 

そして、妹さんの人生は、妹さんが決めることと割り切り、妹さんと一緒に悩みすぎないことを、あなたにおススメします。

 

心配する気持ちはとても理解できますが、お互いが巻き込まれすぎると、本当の問題が見えなくなってしまいます。

 

見守るけれど、説得はしないといった対応で、距離を取るように心がけて欲しいと思います。

 

応援しています。

村松真実

村松真実

看護師 心理相談員

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