障害者トライアル雇用とは?対象・支援内容・費用・申請方法・事例を専門家が解説

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障害者トライアル雇用とは?

「精神疾患を抱えているけれど働きたい…」

 

しかし、実際に採用されても病状などが不安定になったり、実際に働いてみないと会社との相性が分からないので、不安になると感じている方も多いだろうと思います。

 

そういう悩みを抱える方は、「障害者トライアル雇用」を試してみませんか?

 

トライアル雇用を取り入れている会社に応募することで、雇用者側にも障害を理解してもらい、一定期間給料をもらいながら、自分も雇用主側も納得の上で働くことができます。

 

ここでは、「障害者トライアル雇用」についてご紹介致します。

 

 

障害者トライアル雇用の対象

障害を持っており、仕事をする意欲があるけれど、精神的・体力的に仕事ができるか不安があり、所定の企業で働きながら、自分の適応性や能力を理解したうえで、正式に就職を目指したい方。

 

 

障害者トライアル雇用の支援内容

障害者トライアル雇用とは、障害者側の「企業で無理なく働くことができるだろうか」「働くことができる能力があるか試してみたい」と感じる気持ちと、雇用者側の「障害を持つ方への理解ができるだろうか」「必要な職業訓練を行うことができるだろうか」という、両者の気持ちのミスマッチを防ぐために、原則3ヶ月間、特定の障害者を試雇採用する制度です。

 

また、一般的には週20時間以上の雇用が多いですが、長時間勤務が困難な方のために、20時間未満のトライアル雇用を行っている企業もあります。

 

トライアル雇用の期間中、両者はお互いを理解し合い、この企業で働いていける能力や適性があるかを判断し、お互いの意思を確認したうえで、本採用になるか判断します。

 

このような猶予期間を設けることで、障害者側は仕事や企業への理解が深まりますし、雇用者側も障害者や障害についての関心や理解を示すことが可能となります。

 

 

障害者トライアル雇用の費用

費用は、障害者と雇用者の間で一定期間の雇用契約を結ぶため、企業より給料が支給されます。

 

給料の額は、各企業の規定によって決められます。また、障害者だけではなく、企業側にもトライアル雇用者を雇うと、1ヶ月で4万円の報奨金が支払われます。

 

 

障害者トライアル雇用の申請方法、利用方法

障害者トライアル雇用申請の窓口は、最寄りのハローワークとなります。企業を探す際に、障害者トライアル雇用の求人を探したい旨を伝えて下さい。

 

ハローワークにはさまざまな企業が障害者トライアル雇用の求人を出していますので、自分が興味があり、挑戦できそうな職種を選ぶと良いでしょう。

 

目ぼしい企業が決まったら、面接を受け、合格したら障害者がその企業で働くこととなります。自分の体調に合わせて勤務する時間なども選択することができます。

 

 

障害者トライアル雇用の該当する事例

【Aさん20代男性】自閉症スペクトラム障害

Aさんは、通院治療をしながら生活をしています。

 

20代も後半に入り、周りの友人が仕事を頑張っている姿を見て、自分も就職したいとハローワークで求人登録し、紹介された職場へ何度か面接に行きましたが、結果はすべて不合格でした。

 

努力したつもりなのに、どうして不合格になったのか分からないAさんは、ハローワークの職員に不採用の理由を聞いたところ、「面接の際の礼儀ができていない」「場にふさわしくない不適切な発言をする」などと返事が来ているということでした。

 

やはり、病気を抱えていると、就職さえできないのかと落ち込むAさんでしたが、ハローワークの職員が、障害者トライアル雇用という制度があるので、それに挑戦してみてはどうかと言われ、話を聞くことにしました。

 

この制度は、雇用者側が障害を理解したうえで、3ヶ月程度試雇採用し、その間にお互いの相性を見ながら問題がなかったら、本採用になることができるというものだったため、Aさんはトライアル雇用を募集している企業に応募してみることにしました。

 

ハローワークの職員が、ある企業に連絡を取ってみたところ、「まず職場見学をしてみないか」ということで、Aさんが見学に向かいました。

 

すると、その事業主は他にも数人の障害者を雇用しており、仕事内容なども親切に説明してくれたので、この企業でトライアルをしてみることを決意。1日5時間、週4日の勤務から始めることになりました。

 

現時点では、事業主側が障害を理解してくれているということだけでも、随分と仕事がやりやすく、トライアル終了後も本採用を目指すことができるように働いています。

 

 

【Bさん40代女性】適応障害と軽度知的障害

Bさんは、飲食店でアルバイトをしていました。

 

しかし、自分の持つ障害を隠して働いていたため、事業主も理解がなく、普通の人がしない失敗もBさんが時々してしまうため、解雇になってしまいました。

 

障害を相手側に教えると、雇ってくれない可能性があるので、隠し通した上で必死に働いたのですが、こういうことになるのなら最初から理解がある企業に勤めればよかったと後悔しています。

 

今後どうすれば良いか悩んでいるBさんは、通院日に主治医に相談。そこで主治医はハローワークで障害者トライアル雇用という制度があるので、話を聞いてみてはどうかということでした。

 

ですが、主治医からBさんは頑張り過ぎて疲れてしまうことがあるので、短時間勤務ができるところが良いだろうとのアドバイスももらいました。

 

ハローワークに訪れ、トライアル雇用で短時間勤務ができるところを探してもらったところ、ある仕分け作業を行う企業が条件にぴったりでした。

 

早速申し込むと、面接があり、1日4時間、週3回の勤務条件でトライアル雇用をしてくれることとなりました。Bさんは、心機一転、この企業で頑張ってみることになりました。

 

 

障害者トライアル雇用の注意事項

障害者トライアル雇用は、原則的に3ヶ月間だと決められていますが、精神障害者の場合は、最大12ヶ月の雇用契約を結ぶことが可能になります。

 

また、精神障害者を初めて雇用した企業には、報奨金が1ヶ月に8万円支払われます。

 

また、トライアル雇用前に職場見学などをさせてくれる企業もありますので、企業を決める前に自分に合うか体験してみるのも良いでしょう。

 

 

Misudu Kukita【執筆者】

久木田みすづ 精神保健福祉士 社会福祉士

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