精神科と心療内科の違いとは?どちらを受診すべき?看護師&心理相談員が解説

2017.01.26公開
 
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精神科と心療内科があることは知っているけれど、自分が感じている症状はどちらの科をかかった方が良いか悩んだことはありませんか?

 

クリニックなどは両方を標榜していることもありますが、やはり違いは知っておきたいですよね。

 

精神科と心療内科では、同じ疾患を扱うこともあるため、今回は、精神科と心療内科の違いについて詳しくご説明します。

 

 

内科の一部である「心療内科」

心療内科とは、患者さんの出現した症状を、身体面だけでなく、心理・社会的側面をとらえた全人的な視点で治療を行うことを目的としています。

 

そのため、身体的症状を伴わない幻聴や妄想を扱うのではなく、主に「心身症」と呼ばれる状態を中心に扱うことになります。

 

「心身症」とは、1991年に日本心身学会では、

 

「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など他の精神症状に伴い身体症状は除外する」

 

と定義しています。

 

簡単に言えば、強いストレス(災害や死別、いじめや失業など)によって、胃潰瘍や急性胃炎などの疾患が発症しただけでなく、気持ちの落ち込みや不安などの症状も出現した場合には、心療内科が対応し、体の症状と心の症状をフォローすることになります。

 

また、身体所見に合わない咳や慢性胃腸炎、慢性的な倦怠感や疲労感、摂食障害や睡眠障害、自律神経失調症なども、心療内科で対応しています。

 

つまり、心と体の両方に対しての治療が必要な場合にかかる科が心療内科なのです

 

そのため、身体症状は何もないのに、幻聴や妄想が出現する場合や、うつ病によって引き起こされた食欲低下やめまいなどは、心療内科ではなく、精神科の範疇であると考えることができます。

 

 

精神疾患を専門に扱う精神科

心療内科よりも、より心の病気を扱うのが精神科になります。

 

例えば、幻聴や幻覚・妄想といった精神症状や、イライラいや不安、抑うつなども精神症状に対しても対処することになります。

 

主に扱う主な精神疾患としては、「アルコール依存症・うつ病・強迫性障害・摂食障害・双極性障害・総合失調症・薬物依存症・パニック障害・不安神経症・PTCD・認知症」などがあります。

 

つまり、精神症状が主となる疾患を扱うのが精神科であり、症状が重く向精神薬などが必要となる場合には精神科が対応することが適切です。

 

とはいえ、クリニックで精神科を標榜していても、人を傷つける可能性や、自殺の意思が強い患者さんに関しては対応困難になります。

 

自傷他害の可能性がある患者さんは場合によっては隔離して対処することが必要になるため、より専門的な医師の診断が必要になります。

 

もし、自分の家族が強い自殺願望がある場合には、精神科クリニックや心療内科ではなく、最初から入院施設があり、精神保健指定医と呼ばれる医師が在籍する精神科を受診するほうが適切な治療が受けられることになります。

 

 

同時に標榜されている心療内科と精神科

内科の範疇であり、心と体の両方を見る心療内科と、うつ病や統合失調症などの精神症状に対処する精神科。

 

ですが、身体化された精神症状を見分けることは難しいですし、「精神科」を受診することは患者さんにとってハードルが高いですよね。

 

そのため、めまいや頭痛、咽頭違和感などの身体症状はあるが、検査などで症状にあうほどの異常が見つからなかった方などは、まずは心療内科の受診を勧められることも多いのです。

 

また、私自身も、昔みたTVの影響で、心療内科には、適応障害や人格障害などの患者さんが受診する科であると長らく思い込んでいました。ですが、実際はこの範疇の疾患は、精神科が対応する症状なのでしょうね。

 

多くの「心療内科・精神科」を標榜しているクリニックなどは、精神科医が対応しているため、主症状が精神症状である疾患は、すべて対応できるので、問題はないのかもしれません。

 

しかし、本来の意味での「心療内科」とは厳密には違うことも頭の隅に入れておくと、混乱を招くことなく受診することができると思います。

 

 

受診するときに参考になる医師の資格

ですが、実際は総合病院や精神科専門の病院を受診するには、紹介状が必要になることもあります。

 

そんなとき、精神科のクリニックにかかるべきか、心療内科にかかるべきか迷われることがあると思います。その場合には、医師の資格をチェックすることも選択肢の一つになります。

 

心療内科医であるか、精神科医であるかによって、専門性が異なることは今まで述べてきた通りです。精神科を標榜しているクリニックは、精神科は精神科医が在籍して対応しているため、精神症状の診断が得意です。

 

ですが、「内科・循環器科・心療内科」などと標ぼうしているクリニックの場合には、内科専門の医師が不眠症や抑うつなどのメンタルケアを行っている場合があります。

 

内科専門医であっても産業医の資格を持っている場合には、メンタルヘルスに詳しい医師もいますが、どちらかといえば「心療内科」である不眠や食欲不振などの身体症状などに対するアプローチが上手な先生が多いと考えられます。

 

自分の症状が、ストレスを契機に発症した身体症状などは、まずは心療内科を受診することが良いと思います。

 

ですが、アルコール依存症・不安神経症などは、精神科か精神科と心療内科が併記されているクリニックや病院を受診することが良いと思います。

 

そのため、精神科か心療内科かを迷った場合には、HPなどに記載されている医師の専門をチェックすることがおススメです。

 

 

迷った時には、電話で確認

自分の症状が、心が原因なのか、体の異常からきているのか迷ったときには、受診しようとする病院やクリニックに相談してみることも一つの方法です。

 

「精神科」「心療内科」と標ぼうしていても、担当する医師によって対応できない症状や年齢などがあります。

 

また、「死にたい」「このままだと、誰かを傷つけてしまいそうだ」といった自傷他害の可能性がある場合には、クリニックなどを受診するよりも最初から専門医がいる入院施設がある病院で対応してもらうことが適切です。

 

自分の症状を電話で伝えることが難しいこともありますが、電話をかける前にあらかじめメモをしておくと、落ち着いて症状を伝えることができます。

 

精神科も心療内科も、初めてかかるには少しハードルが高い科になると思います。

 

基本的には予約制の場合も多いため、自分のかかりたい症状をきちんと伝えることが、結果として適切な科への受診につながることになります。

 

また、医師の診察のほかに、「話を聞いてほしい」「心理テストを受けたい」などの希望がある場合にも、電話で確認しておくと良いと思います。

 

心療内科の場合には、臨床心理士がいない場合もあります。自分が希望する診察や検査、カウンセリングを受けられるかどうかは、ホームページだけではわからない場合もあります。

 

「精神科」なのか「心療内科」なのかを迷い不安になるよりも、まずは電話で確認して欲しいと思います。

 

 

まとめ

精神科と心療内科の違いは、心の病気を扱う精神科医が担当する場合が「精神科」であり、心身症をはじめとする心と体の症状を内科医が担当する場合が「心療内科」になります。

 

ですが、精神科・心療内科を両方併記しているクリニックも多く、その場合には精神科医が対応しているため、心の症状に対してのアプローチになります。

 

ですが、どちらの科にかかるべきか迷う時は、気になる症状の強い科を選択する方法もありますし、電話で症状を伝えて対応できるかを確認することで対処できると思います。迷ってしまったら、まずは問い合わせてくださいね!

 

 

【執筆者】

村松真実 看護師・心理相談員

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