【第9話:治りたかったんだよね】〜お父さんうつ日記〜

この4コマは、私が父を診療所に連れていこうとした時のことについて描いています。

 

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父は3ヶ月スパンで、休職手続きの書類を出していました。

 

つまり、3ヵ月に1回は、診断書を書いてもらいに、診療所に行く必要があったということです。

 

この時、父は2ヶ月以上、通院を止めていました。

 

もうすぐ、休職期間が終わってしまうのに、父が新しく診断書を書いてもらっていないことについて、私はとても心配していました。

 

でも、父は相変わらずの様子で、私は「書類のことについてちゃんと覚えてるのかな?」と思っていました。

 

それで、父とこんなやり取りをしたんです。

 

「お父さん、休職期間いつまでだっけ」

「今月末」

「休職延長の書類書いたの?」

「書いてない。お医者行ってない」

「書かないとどうなっちゃうの?」

「どうなっちゃうんだろう…」

 

「ちゃんと覚えているのかな?」という私の懸念とは裏腹に、父は手続きについて覚えていて、なおかつそれは「ナンバーワン気がかり事項」であったようです。

 

会話の後に、不安そうな表情を浮かべる父を見て、「じゃぁ一緒に行こうか」と提案してみました。

 

「嫌だ」と言われるかと思ったら、「うん」とすんなり受け入れられたので、正直少し驚きました。

 

きっと、それまで重い腰を上げようと思えるきっかけに巡り合えなかっただけで、「忘れてた」とか「絶対嫌」という訳ではなかったんだなと思い、少し安心しました。

 

その後は、父に診察券を借りて、診療所に予約を取りました。

 

時を少しさかのぼりますが、父が通院を止めたと知った時、私はすごく焦っていました。

 

以前の投稿で書いたとおり、私は父に外出の機会があることに安堵を覚えていたからです。

 

父が通院しなくなったことが分かった時、「通院とコンビニと散歩くらいしか外に行かないのに、通院しなくなったら本当に引きこもりになっちゃうんじゃないか」とすごく心配しました。

 

しかも、治療のためには不可欠である「通院」という要素が消えたことに大きな衝撃を受け、不安で仕方なくなったのです。確か、めちゃくちゃ泣きました。

 

さて、この時に私はどのような行動を取ったでしょう?

 

私が住む自治体の、保健相談所に電話をしたのです。

 

確か「○○区 精神保健 相談」みたいにグーグルで調べて、出てきた番号にすがるように電話をかけたと思います。

 

電話では地域の保健師さんが対応してくださいました。父の状況と家族の状況について、そして私の心情について、確か1時間くらい話しました。

 

自分や家族の詳細な個人情報を伝えなければならなかったことには少し抵抗を感じましたが、話を聞いてもらったおかげで、随分落ち着きを取り戻すことができました。

 

そして、この1週間後くらいに父を通院に誘ったのです。

 

「知は力なり」というのは本当で、どこに行けば、どこに頼れば必要なアドバイスがもらえるのかを知ることができると、かなり生活しやすくなるなと実感した出来事でした。

 

【第10話を読む】

 

 

【うつ病まとめ記事】

 

 

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【執筆】

シブ子

 

 

 

 

 

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  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2017年3月29日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。