【第30話:母はエスパー】〜お父さんうつ日記〜

今回は、母親って子どものことを見てないようでよく見てるんだなぁと驚かされたお話しです。

 

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以前、第4話で、私は兄と仲が大して良くはないと書きました。実は母もそうなんですね。

 

母とは育った時代とか、環境とかが全然違うので当たり前ですが、考え方が本当に違うなぁと感じます。

 

実際、意見の衝突もたくさんあって、「母は私のことなんて、ちっとも理解してくれてないんだ」と長らく思ったままでした。

 

でも、そんなことなかったんだなぁと、ある日の母との会話から知ることができました。

 

それは何となくリビングで母親と思い出話をしていた時のこと。「なんで私に中学校は私立を受験しないかって言ったの?」という質問に対しての母の言葉。

 

「なんかあなた小学校5~6年の時、妙にピリピリしてたのよね。ちょっとした会話とかでもすごく突っかかってきたりとか。ちょうどお父さんが病気して復職してっていう期間だったし、私もあなたの心のケアができるほどの余裕もない時期だった。でも、ふと思ったの。その“負のパワー”を勉強にぶつけてみたらいい方に転ぶんじゃないかなって。」

 

なるほど。母はすごい。とても衝撃的な答えでした。

 

というのも、実は、私はこの母の提案によって二つの意味で救われていたからです。

 

ひとつ目は、私立の中学校に行けるということが、自分に悪意を向けていたクラスメイトたちから逃れられるということを意味していたこと。これは私に強い希望を与えました。

 

ふたつ目は、勉強を通して、私の自尊感情が回復していったことで、これが私にとってとても大きかったです。

 

教室にいる時、私はとても居心地が悪くて、いつもいわれのない劣等感を抱えていました。

 

「本当に自分は変な子で、みんなより劣った存在なんじゃないか」と思いながら過ごした小学校時代はとても切なかった。

 

でも、塾に通って勉強するようになって、どんどん難しい問題が解けるようになることに楽しさを見出しました。

 

この「できなかったことができるようになる」感覚って、すごく自分を喜ばせるし、とても自尊感情を高めるんですよね。おかげで自信も付きました。

 

これがきっかけで勉強に夢中になった結果として、私は中学校・高校・大学・大学院と、人生で4回も受験を経験することになりました。(これは母も予想外だったと思います。)

 

こんな具合に、母が何気なく放った「あなた私立中受験してみない?」という言葉には、私の人生を大きく変える力があったので、その言葉が気まぐれで発されたものではなかったことにとても驚きました。

 

そして何より、母は私のことを実は誰よりもよく見てくれていたんですね。それがとても嬉しかった。

 

自分で勉強に夢中になって、勝手に立ち直ったような気でいたけれど、どれもこれも全部母の言葉がなかったら始まっていなかったんだと思うと、母には感謝してもしきれないなと思います。

 

【第31話を読む】

 

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【執筆】

シブ子

 

 

 

 

 

 

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