【第22話:どうしよう】〜お父さんうつ日記〜

2017.06.01公開 2017.06.06更新
 
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ある晴れた日曜日、電車に乗っていたら急に涙が込み上げてきて、どうしたらいいのか分からなくなりました。

 

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この日のことはよく覚えています。

 

友人の家に遊びに行く予定で、お土産のおやつを持って電車に乗りました。

 

この日曜日は、母が父に対して怒りをぶちまけた後の最初の日曜日でした。

 

日曜日なので、電車の中は家族連れの乗客が沢山いました。

 

向かいの席にいる、仲の良さそうな親子を見て、なんだか急に悲しくなってしまいました。

 

「どうしてうちにはこんな和気あいあいとした雰囲気がないんだろう」

「どうしてこんな“当たり前”の家族像がうちにはないんだろう」

 

そう思ってしまったんです。

 

目の前にいる幸せそうな家族と自分の置かれた状況を比較して、とても卑屈な気分になってしまいました。

 

電車で急に泣き出すのもおかしいと思ったので、その時は静かに涙を拭き、後から出てこようとする水滴を瞼に留めておくことに注力して目的の駅まで向かいました。

 

こんなに変な気分になったのは、この時が初めてでした。

 

それまでは、

 

「問題のない家族なんてめったにいないし、問題があってもそれは普通のこと」

 

と思えていたのに、この時はそう思えなかった。

 

父と母の衝突が、相当ショックだったみたいです。

 

この時ばかりは、「なんで私だけ」という気持ちになりました。

 

「私だけ」と思ってしまったからか、そのことを友人や恋人に話せる気分にはなりませんでした。

 

4コマの通り、「こんな訳分からないこと誰に言ったらいいんだろう」と、取り付く島もない気分でした。

 

この時、訳が分からなくても、誰かに言えばよかったかもしれないなと今になって思います。

 

今の私が、この4コマを見ても、「そんなこと考えても仕方ないのに」と思ってしまうからです。

 

比較する必要もないことを比較して、「人にはあって自分にはない」ことに落ち込むことは、あまり意味がない

 

と、今の私は思います。でもこの時は気が付けなかった。

 

だから、誰かに話して、

 

「シブ子、そう思ってしまうの仕方ないことだけど、そういう思いを抱えている人はシブ子一人じゃないよ。」

 

と言ってもらえたら、私の気持ちは今になるまで尾を引かなかったかもしれない。

 

でも、「言いたいなら言えばいいのに」というほど簡単には行かないし、“相談する”という高いハードルは、この時の私にはどう頑張ったって越えられない気がするので、やっぱりこんなこと思ったって仕方ないなぁ。

 

 

【第23話を読む】

 

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【執筆】

シブ子

 

 

 

 

 

 

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