
【臨床心理士解説】ペットロスで急に涙が出たり毎日泣いてしまう状態から立ち直るには?
大切なペットを失くした悲しみを持ち続けることは誰にとっても辛いことです。
一方で、多くの方が勘違いしてしまうのが、この悲しみが悪いもので、抑えつけたり、早く振り払わないといけないものだと思ってしまうことです。
大切な家族の一員を失ってしまって悲しむことは当たり前のことで、決して悪いことではありません。
悲しみを抑えつけたり、消し去ろうと躍起にならずに、悲しさを持ちながらも日常生活を送れるように悲しみをコントロールしていく方法を考えることが心の健康のためには大切なことです。
悲しみをコントロールしながら日常生活を送っていくことで、多くの場合はペットロスから自然と立ち直っていきます。
そこで今回はペットロスで急に涙が出たり、毎日泣いてしまう悲しみの感情をうまくコントロールするポイントについて、臨床心理士に解説していただきました。
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ペットロスで急に涙、毎日泣いてしまう状態から立ち直るには?
仕事中など泣きたくない場面で泣きそうになったら…
普段の生活の中でペットのことを思い出し、涙がでてしまうこともあると思います。
1人の時ならまだしも、誰かと一緒の時や職場等、人の目がある時に泣いてしまうと日常生活や仕事に支障が出てしまいます。
そんなときにはペットのこと以外に注意を向け、意識をそらすことで泣いてしまうことを回避することができます。
例えば、
・トイレの個室に入って心音がドキドキと感じられるまで壁を使って斜めに腕立て伏せをする
・自分のデスクで腹式呼吸を10回する (4秒間吸って2秒息を止め、8秒かけてゆっくり吐き出す)
・あらかじめ決めておいた歌の歌詞を頭の中で冒頭からメロディにのせずに棒読みする
・飲み物を一口飲み、味をグルメレポーターのように詳しくわかりやすく表現してみる(頭の中で)
といったものがあります。
重要なのは「ちょっと難しい」ことをすることです。
意識せずにさらさらとできてしまうものではなく、意識を向けないとうまくできないことをすることで、泣きたくなる気持ちから距離をとることができます。
心を休める時間を作れたら…
いつでもいいので、30分から1時間ほど、しっかり心を休められる時間を作ってみてください。
1人になれる場所でゆっくりとリラックスできる状態、例えば
・お風呂で湯船につかっている時
・自分の部屋で暖かい飲み物を飲んでいる時
・一人で落ち着いた音楽を聴いている時
などです。
その時には何も周りを気にする必要はなく、もしペットのことが思い出されて泣きそうなら、思いっきり泣いていいのです。
声を出してもいいですし、涙や鼻水を流して顔をぐちゃぐちゃにしてもいいのです。
リラックスしてぼんやりしてもいいですし、ペットとの大切な思い出を振り返ってもいいですし、思い浮かぶものに抵抗せず、頭の中に浮かぶものをそのままにします。
一日に一度は、そういった心を自由にする時間を作って下さい。
医療機関や心の専門家に力を借りる
ペットを失った悲しみを一人で抱えることはとても辛いことです。
上記のポイントを試してみても一向に悲しみをうまくコントロールする事が難しく、涙が止まらなくなったり職場などで泣いてしまって日常生活に支障が出てしまうという場合には、専門家の力を借りるのが得策です。
相談できる専門家がいるということ自体が気持ちを楽にしたり、自分一人ではできなかったことができたり、気が付かなかったことに気づけるようになります。
医療機関は主に心療内科や精神科、メンタルクリニックをおすすめします。
医師に、涙が止まらない、泣きたくない場面で泣いてしまうといった、具体的に困っている点を伝えてください。
場合によってはサポートしてくれる薬を処方してくれたり、アドバイスをもらえます。
心の専門家は、臨床心理士や公認心理師と呼ばれる専門家をおすすめします。
心の専門家に出会える場所はさまざまありますが、主に以下の場所で出会えます。
カウンセリングをしている医療機関(精神科・心療内科・メンタルクリニック)
心の専門家はどの医療機関にもいるわけではありませんが、カウンセリングを標榜している医療機関には心の専門家がいることが多いです。
受診前にホームページを見てみたり、実際に電話で問い合わせるなどして心の専門家がいるかどうかを確認してみてください。
近隣のカウンセリングルーム
「○○(地域名) カウンセリングルーム」と検索すると、近隣のカウンセリングルームを見つけることができます。
カウンセリングルームでは心の専門家が個人でやっていたり、複数の専門家が在籍していたりと形態は様々ですが、直接自分に合う専門家と一対一で話すことができます。
カウンセリングルームによって費用に違いがありますので、料金を事前に確認しておくことをおすすめします。
オンラインのカウンセリングルームなど
最近では直接会うことをためらう場合や、遠方でも自分に合う専門家と出会うことができるオンライン形式の相談場所も存在します。
ラインやチャット、メールを用いているものから、ズームなど画面越しに対面して話すものなど、形態が幅広く、忙しくてまとまった時間を作ることが難しい場合や、直接の対面では緊張してしまう時、悲しみが大きすぎて会話よりも文面の方がスムーズにやり取りができる、等の場合にも利用しやすいというメリットがあります。
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- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2022年9月24日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。