【臨床心理士解説】ペットロスで後追いを考えてしまう心理と乗り越える方法とは?
大切なペットと死別してしまった場合、悲しみがあまりも深くて後追いを考えてしまうということもあるでしょう。
その悲しみを乗り越え、後追いを踏みとどまるには、まずどうしてそれほどまでに悲しみが深いのか、背景を知ることが大切です。
背景を知ると次第に乗り越え方が見えてくるからです。
背景には様々なものがありますが、後追いを考えるほどに苦しくなる背景や乗り越え方について、臨床心理士に解説していただきました。
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ペットロスで後追いを考える心理
失ったものはペットだけではない
ペットロスについて見落とされがちなのが、ペットロスで失ったものはただ単にペットだけではない、ということです。
実はペットを失う、ということは同時に
「ペットと生活していた自分」を失う
ことになります。ペットがいた、それまでの生活自体も失われるのです。
そのため、ペットを失うと二重三重に喪失感を感じても何ら不思議なことではありません。
今までの生活から急に環境が変化し、ペットもこれまでの自分も失ってしまったことが大変なストレスとなり後追いを考えてしまう、ということも。
ペットに自分を重ねていた
自分自身でも気が付かないことが多いのですが、ペットを自分に重ねて可愛がっていると、失った時に自分の半身を失ったかのような悲しみに襲われ、後追いを考えるほどに深く苦しい気持ちになることがあります。
例えば、子供のころに愛情を満足に受けることができなかった人が、心の中にいる当時の自分を満足させるために、当時の自分にペットを重ねて愛情をたっぷりかけることで、今の自分を満たしていた、というケースもあります。
他にも普段忙しく制限ばかりで不自由な日々を送っていると感じている人が、のんびり自由に過ごすペットに自分を重ねることで心の安定を保っていた、ということもあります。
このように、今の自分に足りない(満たされない)ものがあり、自分に重ねたペットでその部分を満たすことによって心のバランスをとっていた場合、ペットを失うことで自分の心のバランスを一気に崩してしまうことがあります。
ペットの存在に激しく依存していた
ペットの存在が生きがい、ペットが自分の生きる理由、と思うまでに強くペット中心の生活を送っていた場合、もはやそれはペットに依存していたといっても過言でありません。
自分自身の生きる理由がペットの場合は、ペットを失くしたと同時に生きがいも失くしてしまうことになります。
上記のようにペットロスから後追いを考えてしまう背景はいくつもありますが、その乗り越え方を以下にご提案します。
ペットロスでの後追いする気持ちを乗り越えるには?
新しい生活を確立していく
ペットを失くすというのは、それまでのペットのいた生活自体がなくなってしまうということです。
少し時間はかかりますが、まずはペットがいない新しい生活を確立していきましょう。
具体的には、これまではペットのお世話をしていた時間がこれからは空白になりますので、空いた時間に散歩やランニング、スポーツを始めてみたり、料理に時間をかけてみてはいかがでしょうか。
また、これまでペットが一緒では行きにくかった場所への旅行もおすすめです。
ペットと過ごした時間が長ければ長いほど、ペットのいない生活を確立するのに時間がかかるかもしれませんが、ペットと出会う前の自分がどう日常生活を送っていたかを少し振り返ってみるとヒントがみつかるかもしれません。
家族や友人など、身近にいるペットロスを分かってくれる、信頼できる人との関わりを増やす
ペットロスの深い悲しみは、身近な人に話して共有することで軽くなる場合もあります。
亡くなったペットのことを知っていて、失った悲しみを分かってくれそうな人がいたら、例えば一緒に食事や飲みに行ったり買い物に出かけたりして関わりを増やしてみてもいいかもしれません。
悲しみを分かってくれる人となら、一緒にいるときにふとペットのことを思い出してたまらなくなってしまっても、悲しい気持ちを素直に打ち明けることができます。
医療機関や心の専門家に相談する
後追いしたくなる気持ちを自分でコントロールすることが難しそうなときは、ためらわずに医療機関や心の専門家に相談をしてみてください。
その際には後追いがしたくなる気持ちを率直に話してみてください。
自分らしい乗り越え方を専門家と一緒に見つけることができるかもしれません。
さいごに
そして最後に、後追いを考えてしまう時に思い出してほしいのが、自分自身の、ペット以外とのつながりです。
もしも自分がペットの後追いをしてしまったら、今自分が感じている以上の悲しみを他の誰かが感じることになります。
自分が後追いをしたら悲しむ人、そう考えて誰か一人でも思い浮かぶ人がいたら、後追いをしたくなるほどの苦しみをどうにか乗り越える方向へと目を向けましょう。
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- 本記事は2022年9月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。