【臨床心理士解説】アダルトチルドレン6つの性格タイプと18のチェックリスト

2023.05.09公開 2023.05.10更新

(質問)アダルトチルドレンかもと色々と調べていますが、自分がアダルトチルドレン傾向があるかどうが知るためのセルフチェックのポイントを教えてください。

 

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※アダルトチルドレンは診断名ではなく医学的な概念ではありません。
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アダルトチルドレンの6つの性格タイプ

アダルトチルドレンの性格タイプとして有名なのが、アメリカの心理療法家ウェイン・クリッツバーグが提唱した6つの性格タイプです。

 

この性格は本来の自分らしい性格とは違い、機能不全に陥った家族の中で生き抜くために後から身に着けた「演じている」性格になります。

 

生き生きとした本当の自分の性格とは違った役割を押し付けられてしまっている状態のため、どこか窮屈な感じや苦しさを感じたりすることがあります。

 

また、逆にこれらの役割が当たり前になりすぎていて、辛さを自覚できなくなっている場合もあります。

 

ヒーロー(英雄)

例えば、学校で成績が良かったりスポーツで活躍する、または学級委員などで優等生として活躍していたり、クラスの中心的な存在でいることなどが挙げられます。

 

社会に出てからだと、会社の業績に貢献したり、会社にとって重要なポストに就くなどです。

 

このヒーローの役割に共通するのが、家族にとって自慢になる存在であることです。

 

スケープゴート(生贄・叱られ役)

家の内外を問わず、何かしらの問題を起こして怒られてばっかりの、いわば「問題児」がこれに当てはまります。スケープゴートの役割はトラブルを起こすことで家族自体のもつ本当の問題から目をそらすことです。

 

家族の本質的な問題は「問題児」の起こすトラブルによって見なくてすむようになります。

 

学校では宿題を毎回やってこなかったり、授業を妨害するといったことや、時には万引きといった窃盗などの問題を起こすこともあります。

 

ロストワン(不在)

家族の中で波風をたてず、息をひそめて存在を消し、まるでいないかのようにふるまうのが、このロストワンです。

 

普段から目立たないようにひっそりと日常生活を送っています。

 

家族との会話もほとんどなく、家の中に他の家族がいたとしても孤独を感じています。

 

場合によっては家族旅行にも行かず、過去の家族写真にもほとんど写っていないこともあります。

 

ピエロ(道化)

ふざけたり、面白いことを言うことで場を明るくしたり、かわいらしく無邪気に振舞うことで家庭内の緊張を緩める役割を担っています。

 

一見すると楽しそうではありますが、内心は相手の表情を伺って、機嫌が悪くならないように空気を懸命に読みながらヒヤヒヤしています。

 

プラケーター(慰め)

家族としての生活機能が崩壊しないように、自分を犠牲にしてでも問題を収めようとします。

 

例えば、家事を放棄した親に代わってまだ子どもなのに料理や買い出し、掃除などの家事を担っていたり、病気の家族がいる場合には学校に行くことよりも家族の看病を優先します。

 

自分のことは後回しで、家族が生活していけるように気を配ります。

 

イネイブラー(支え)

イネイブラーはプラケーターと似ていて、家族に対し非常に献身的なのですが、プラケーターが家族の生活を維持するために自分を犠牲にするのに対して、イネイブラーは家族の問題を助長するような支え方をします。

 

例えば、アルコールに依存している家族に対してお酒を買ってきたり、本来ならば働ける状態である相手に対して(自分が懸命に働いた)お金を渡すことで相手が働かなくても良い状態を続けてしまう、といったことです。

 

上記の役割が時と場合によって入れ替わったり、いくつもの性格タイプが織り交ざった状態のこともあります。

 

上記のタイプを自分に当てはめてみて、普段の人との関わり方について心当たりがある、という人はアダルトチルドレンの傾向があるかもしれません。

 

アダルトチルドレン?18のチェックリスト例

また、アダルトチルドレンの治療で有名な西尾和美氏は著書の中でアダルトチルドレンかどうかを知るためのチェックリストを紹介しています。

 

チェックリストには以下のような項目があります(一部抜粋)。

□ものごとを最後までやり遂げることがむずかしい

□自分に自信がない

□自分が生きている価値がないと思う

□人生を楽しむことが下手である

□他人と親密な人間関係を持てない

□必要のない時にもつい嘘をついたり、ごまかしたりする

□必要以上に相手に忠実である

□何が正常で何が異常か分からない

□他人からのほめ言葉を受け入れにくい

□他人から認められたいという気持ちが強い

□アルコールや薬物(医師からの処方薬剤も含む)の依存症になっている

□いつもせかせかと衝動的に行動する

□何か起こるのではないかと常に恐れる

□何かが変わることに対する恐れが大きい

□怒りが爆発したり、いつもイライラしている

□権威のある人の前に出ると過剰に委縮する

□対人恐怖があったり、引きこもりをしている

□共依存的な行動に出やすい

これらは項目のすべてではありませんが、西尾氏は、

「もし10以上の項目がいつも自分に当てはまるようでしたら、あなたはアダルト・チャイルドである可能性が大きいと考えられます」

としています。

 

もしも上記の項目だけですでに10以上のチェックが入ったとしたら、これまでの自分を振り返り、アダルトチルドレンである可能性も踏まえて生き辛さの根本を見直すきっかけになるかもしれません。

 

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【引用文献】

〇西尾和美(1998):アダルト・チルドレン 癒しのワークブック、学陽書房

 

【参考文献】

〇C.L.ウッドフィールド(1997):内なる子どもを癒す―アダルトチルドレンの発見と回復、誠信書房

〇W.クリッツバーグ(1998):アダルトチルドレン・シンドローム、金剛出版

〇緒方 明(1996):アダルトチルドレンと共依存、誠信書房

〇岸見一郎、古賀史健(2013):嫌われる勇気、ダイヤモンド社

〇西尾和美(1997):アダルト・チルドレンと癒し 本当の自分を取りもどす、学陽書房

〇西尾和美(1998):アダルト・チルドレン 癒しのワークブック、学陽書房

〇アスク・ヒューマンケア:アダルトチルドレン――回復の4ステップ https://www.a-h-c.jp/article/7185(2023年4月閲覧)

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福丸みお

臨床心理士/公認心理師

臨床心理士・公認心理師。大学院修了後、精神科やメンタルクリニックにてカウンセリング業務やデイケア、生活相談等に従事。心の病から日常生活での悩みまで幅広く対応し、多くの相談者の心に寄り添う。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2023年5月9日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。