【アルコール依存症家族】子供への3つの影響と子供への伝え方のコツ【体験談】

2018.05.28公開 2020.05.13更新

父親(母親)が酒ばかり飲んでいては、子どもに悪い影響があるのでは…、子どもの将来が心配だ…

 

そう悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

 

私自身も、息子への影響をとても心配していた一人です。

 

我が家は、2007年生まれの一人息子がいる3人家族。

 

義理の両親はすでに他界しており、パートナーは一人っ子。

 

日本にいる私の両親とは滅多に会えませんから、典型的な核家族です。

 

狭い閉ざされた環境の中で、子どもへの悪影響が怖くて、

 

「家庭内からお酒の問題をなくさなければ」

「パートナーに自覚させて、お酒をやめてもらわなければ」

 

と、躍起になっていました。

 

しかし、子どもたちは、父親(母親)のお酒だけに影響を受けるわけではありません。

 

アルコール依存症は家族の病気?

アルコール依存症は、家族の病気とも呼ばれます。

 

依存症でない方の親も、不安から混乱し、感情的に不安定になっています。

 

私の不安定な精神状態も少なからず、息子に影響を与えていたはず。

 

アルコール依存症は、大人でもなかなか理解するのが難しい病気です。

 

子どもなら尚更のこと。

 

口にはしなくても、不安に怯え傷ついているかも知れません。

 

子どもには安心してのびのびと育ってほしい。親なら当然の願いです。

 

では、アルコール依存症の問題を抱える家庭で、私たち親は子どものために何ができるのでしょうか。

 

 

「パパ死んじゃえばいいのに」

当時6歳だった息子が放ったこの「パパ死んじゃえばいいのに」の一言が、それまでただ途方にくれていた私に、具体的な行動を起こさせました。

 

2014年の春のことです。

 

すでにその数年前から、アルコール依存症の問題は家庭内に現れていましたが、酔っ払うのが夜遅かったため、息子はその場を目撃せずに済んでいました。

 

しかし、しだいに酔っ払う時間が早くなるにつれ、息子も、父親がまともに歩けない姿や、大声でわめくのを目にするようになりました。

 

そのうち、息子も父親に怒鳴り返したり、クッションでぶったりと、怒りをあらわにするようになりました。

 

当時の私は、決して子どもにとって良い状況ではないと思いつつも、何をどうしたら良いのか分からず、途方にくれていました。

 

そんなある晩、酔っ払って大声でわめき散らした後、ソファでつぶれていたパートナーが、失禁しているのに気づいてびっくりしました。

 

最初は着替えさせようと奮闘していたものの、酔いつぶれた大の男を着替えさせるなんて、到底無理。

 

結局、半裸状態のまま、ソファに放っておくしかありませんでした。

 

とても情けなく惨めな気持ちになって、涙が止まらなかった時に、息子が呟いた一言を聞いて

 

「このままでは私も、家族もダメになってしまう。なんとかしなくては。」

 

と決意したのでした。

 

私は、自助グループ(アラノン)に定期的に通うようになり、本やインターネットでもアルコール依存症について学び、自分の状態を良くすることに力を注ぎました。

 

そして、落ち着きを取り戻し心に余裕ができるにつれ、息子も少しずつ落ち着いていきました。

 

子どもへの影響という点においても、アルコール依存症患者をどうにかしようとするより、依存症でない方の親が自分を取り戻すことの方が、先決かつ大事だと感じています。

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プリームみどり

ベルギー在住。夫がアルコール依存症になり家庭崩壊の危機に直面するが、 病気について学び自分自身を取り戻す。 自身のブログ「私から始めよう」では、周りに振り回されずに、 幸せに生きるためのメッセージを発信している。>>blog

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年5月28日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。