双極性障害の私が実践する仕事上のちょっとした工夫とは?【松浦秀俊さん】

2018.04.16公開 2018.07.02更新
 
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まずは、今回のコラムを書いている今の私の気分の状態について。

 

資格試験の合格によって軽躁が2週間続きましたが、それがおさまりつつあり、気分としてはちょっともやっとした状態。

 

なので、かなり平常時に近い形で今回の記事を書けそうです。

 

さて、今回は「双極性障害の私が実践する仕事上のちょっとした工夫」。

 

「工夫」を「双極性障害の対処」と考え、気分が上がり過ぎる軽躁(躁)の対処と、気分が落ち込むうつの対処の2つに分けて記していきます。

 

 

「きっかけ」と「注意サイン」

ここでまず、お伝えしたいのは「きっかけ・注意サイン」という考え方です。

 

気分が上がり過ぎる、または下がる前に現れる兆しのうち、外側からの刺激は「きっかけ」、自分自身の内側の変化を「注意サイン」と表現していきます。

 

また、きっかけ・注意サインは、それが発生したときには体調は崩れていないけど、ほっておくと体調を崩す可能性のあるものを指しています。

 

風邪に例えるとすれば、

 

「急に気温が下がった」

「家族が風邪をひいている」

 

というのがきっかけ。

 

「鼻水が出てきた」

「少し悪寒がする」

 

が注意サイン。

 

ただ、この状態は風邪の前兆なので体調は崩してないというイメージです。

 

 

軽躁期のきっかけ・注意サイン

私の場合の軽躁時のきっかけは、

 

「新しい仕事にチャレンジする」

「広報で突然取材の依頼が来る」

「ポジティブなライフイベント(転職、結婚、育児etc.)」

 

などです。そして、注意サインとしては、

 

「やりたいことが次々浮かぶ」

「帰宅後も仕事をやり続ける」

「深夜・早朝に同僚に役立つと思う情報をメールする」

 

などが症状として出てきます。

 

 

軽躁期のちょっとした工夫

気分の盛り上がり、活動を抑える

軽躁期の何よりの対処は、気分の盛り上がり、活動性を抑えていくこと。

 

具体的な事例で工夫をみていきます。

 

例えば、仕事で採用に関わっていた時。

 

「新しい採用のWebサービスを使おう」【きっかけ】という話になり、私は「どうやったら沢山の人にエントリーしてもらえるか?」と考え、リサーチを始めました【注意サイン】。

 

そして、調査結果から考えた施策を試してみると、予想以上の反響【きっかけ】。

 

それが刺激となり、業務後も深夜までWebアクセスし、更新作業を続ける【注意サイン】。

 

こんな悪循環に陥ったとき、まず私自身がやったことは、「業務後、スマホで採用Webにアクセスする時間を決めた」こと。

 

業務後、アクセスはしてもいいけど、1日1時間までと制限を決めました。

 

全くアクセスしない、だとイライラが募り、結果、制約を破ってしまう傾向が私にはあるので、最低ラインを決め、抑制しました。

 

睡眠時間の確保

また、「睡眠時間6時間以上の確保」を必須とし、もし寝れなくても、布団から6時間は出ないこと、また布団の中ではスマホを触らないことを守っていました。

 

私にとって、睡眠時間減少が軽躁に拍車をかけるため、たとえ眠れなくても布団の中にはいました。

 

軽躁状態であると主治医に伝える

この事例当時は出来ませんでしたが、今やっている対処としてはやはり薬の処方変更です。

 

最近の話で、私が軽躁状態だと主治医に伝え、軽躁に効果があり、副作用としての眠気が出る薬を処方されたことで、比較的早く軽躁が落ち着きました。

 

薬物療法は主治医の方としっかり相談の上ですが、取り入れることも大切だと私は考えます。

 

周囲からサポートしてもらう

他に、職場に開示できる環境であれば、まわりにサポートしてもらうことはとても効果的です。

 

私の場合、社内全員、私が双極性障害ということは周知されているため、少しでも軽躁サインがでると、そのことを教えてくれます。

 

先ほど挙げた採用Webの事例の時も、1つのアカウントを複数人で利用していたため、私の編集時間が深夜であることに気づいた他スタッフから「軽躁なのでは」という声掛けが有りました。

 

そして、周りからセーブがかかり、業務量を強制的に減らしてもらえたのも、軽躁を抑えることに役立ちました。

 

なかなか、軽躁自体を気付くことが難しいというのもあるので、周囲のチェックを取り入れるのは、軽躁の早期対処には重要かと思います。

 

 

うつ期のきっかけ・サイン

私の場合のうつ期のきっかけは、

 

「大きなイベントが終わった後」

「社外の人と会うことがほとんどない」

「土日外出をしない」

「軽躁のあと」

 

などです。そして注意サインとしては、

 

「今までやっていたことが楽しめない」

「予定をキャンセルする」

「周囲を気にして自分と比較する」

「夜ではなく朝風呂に入るサイクルになる」

「過眠」

 

などが出てきます。特に特徴的なのは「同僚と目を合わせなくなる」です。

 

 

うつ期のちょっとした工夫

「明けない夜はない」と胸に刻む

気分が落ち込んで来た時にまず行うのは、軽躁とうつの期間を記録したメモ帳を見ること。

 

過去、長くても3ヶ月以上、うつ期が続いたことがないので、このメモ帳を見ることで「明けない夜はない」ということを胸に刻みます。

 

また、うつ期で大事にしているのは、V字回復は目指さない、無理やり気分を持ち上げようとしなこと。

 

下がる気分にストップをかけるだけでもエネルギーが必要なので、これ以上、気分が落ちなければ良し、くらいの感覚で向き合っています。

 

ちょっとした事にも感謝する

そして、仕事上でやっていることの一つは、ちょっとした事にも感謝すること。

 

うつ期で陥りがちなのは、当たり前のハードルが上がってしまい、出来てない所に目がいってしまうこと。

 

「今働かせてもらえてるのは有り難い。やらせてもらってる一つ一つを大切に行おう」

 

そんな心持ちで、初心に戻る機会と思って、基本的なことを淡々と行うようにしています。

 

出来たことを書き出す

また、出来たことをちゃんと文字に書き出して読んで、自分で認識していくことも心がけています。

 

とりあえず行動してみる

うつ期になると、どうしてもマイナスな考えが頭を占めてしまいますが、四の五の言わずに行動するようにしています。

 

例えば、「●●さんに電話しないといけないけど、なにか言われたら嫌だなぁ」。そんな考えがぐるぐるしてても、エイヤっと電話をかけてしまう。

 

相手が出たら、話さざるをえない。でも、話し終えて振り返ると、当初の不安は杞憂に終わっている。

 

そういうちょっとした行動の繰り返しが、うつ期から立ち直る上で大事だと実感しています。

 

休むことが必ずしもプラスではない

双極性障害のうつ期の特徴としては、休むことが必ずしもプラスではないこと。

 

私の場合は、仕事を休んだりしてしまうと過眠に逃げて悪循環に入ります。

 

ちょっと気分が塞いでいても活動性を下げない、会社に行っている中でどう立て直すかも大事なポイントです。

 

 

さいごに

ざっと、私なりの仕事上での軽躁期とうつ期の対処を列挙してみました。

 

この内容も、いま現時点のもので、今後の働き方や症状の出方でアップデートされていくだろうと思います。

 

大切なのは、常に自分と向き合い、「自分らしく双極性障害と付き合いながら仕事をする方法」を模索し続けることかと思います。

 

一生続くこの探求を、私は無理なくマイペースにやっていければと思います。

 

>>双極性障害での仕事探し!大切にしたい5つのこととは?

 

 

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松浦秀俊 双極勤めびと(双極性障害の支援員&広報)

1982年生まれ、国立名古屋工業大学卒。島根県出身、現在は東京都在住。一児の父。21歳で発症。20代で転職3回休職4回を経て、リヴァ社の社会復帰サービスを利用。後に同社入社、勤続7年目(休職0回)。精神保健福祉士。産業カウンセラー。WRAPファシリテーター。

blog: https://note.mu/mahide

Twitter: @bipolar_peer

 

松浦秀俊さんの連載一覧

【Part  1】双極性障害では仕事が続かない?正社員7年目のホントのトコロ

【Part  2】双極性障害の私が実践する仕事上のちょっとした工夫

【Part  3】双極性障害での仕事探し!大切にしたい5つのこととは?

【Part  4】躁(軽躁)でもうつでもない平常時の自分なりの定義と働き方

【Part  5】仕事上、双極性障害で辛い2つのことと私なりの対処方法

【Part  6】双極性障害で職場復帰までの工夫、嬉しかった職場での接し方とは?

【Part  7】妻からみた双極性障害の夫。出会い・結婚・子育て・家族としての工夫や悩み

 

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