「好き」とは?男女の違い・好きの3つの効用を心理学視点で臨床心理士が解説

2018.11.27公開 2019.05.16更新

本屋にいくと、恋愛を題材にした本がたくさん目にはいります。

 

流行の音楽や映画、ドラマも「好き」について描かれたものが多く、「好き」という気持ちは私たちの生活に密着した気持ちといえるかもしれません。

 

以前「『好き』ってなに?どんな気持ち?」と中学生の女の子に質問されたことがあります。私はその質問にすぐに答えることができませんでした。

 

好きとは、恋とは、愛とは、なんなのでしょうか?

 

身近ではあるけど、なんとも言葉にするには難しい「好き」という気持ち。

 

今回は、その「好き」について考えていきたいと思います。

 

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「好き」の定義とは?どんな状態・感情?

「好き」にも、「恋愛」「友愛」「家族愛」「夫婦愛」「宗教的な愛」などさまざまな形の「好き」があります。

 

どれにも共通する「好き」とは「特定の相手の幸せを願う気持ち」のことです。

 

その中でも、特に恋愛における「好き」は、情熱的な要素が含まれています。

 

具体的には「ずっと彼のそばにいたい」や、「もっと彼女のことを知りたい」気持ちをさします。

 

また、特に恋に落ちた瞬間は「どきどき」「頭がボーっとする」「顔が赤くなる」という体の症状が一緒にあらわれるときもあるかもしれません。

 

これは、脳内物質の「ドーパミン」が影響しているといわれています。

 

「ドーパミン」は「気持ちいい」「楽しい」感覚をつかさどり別名脳内麻薬とも言われ、アルコールや薬物の依存症にも多く関わっています。

 

ですから、「恋におちた」時の脳内は、まさに中毒症状のような、嵐のような状態とも言えるかもしれません。

 

一方で、長く恋愛をしているときに感じる満ちたりた温かい気持ちは、「オキシトシン」というホルモンが関係しているといわれています。

 

 

「好き」の男女の違いってある?

ある研究で、男性のほうが献身的で情熱的な恋愛をし、女性のほうが実利的な恋愛をする傾向がある、というデータがあります。

 

男性は、一目ぼれしやすかったり、はやい段階から相手に尽くしたり、など「好き」な気持ちにのめりこむことが多いようです。また、嫉妬なども男性のほうが少ない傾向にあります。

 

一方で、女性は単に「好き」になる気持ち以外にも、相手の収入や地位など多くの現実的な面も考えながら慎重に「好き」になる傾向があります。

 

さらに、相手が自分の目的を満たせないと感じると、好きという気持ちがさめてしまう…、なんてこともあるようです。

男性の好きは、感情的でエネルギッシュ

女性の好きは、堅実的でシビア

ともいえるかしれません。

 

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飯田杏奈

臨床心理士

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。教育機関や療育施設、カウンセリングルームにて勤務。未就学児から大学生、大人までさまざまな悩みに向き合っている。一児の母として子育て奮闘中

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2018年11月27日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。