被害者が加害者に好意を抱く?ストックホルム症候群を臨床心理士が解説
家庭内ストックホルム症候群とは?
近年は「家庭内ストックホルム症候群」という言葉も出てきています。
例えば、
・配偶者や恋人からのDV
・こどもの虐待
など、犯罪者と被害者に似たような状況が家庭内でも起こっているという考え方です。
子どもが親から傷つけられる行為を受けているにも関わらず、子どもは生きていくために、親は悪くないと思い込んだり、良い子でいようと努める場合も例として挙げられます。
力関係がある場合に起こりやすいので、場合によってはパワハラなどでも同じような状況が起こる可能性があるといえます。
ストックホルム症候群への対処法
心的外傷後ストレス障害のようなストレス反応だった場合
時間の経過と共に、犯罪者など相手への気持ちや考えが変化していく可能性が高いです。
・現在に目を向けること
・今は安全な場所で、特殊な状況だから起こった普通の反応だったのだと理解すること
が大切です。場合によっては専門的な治療を受ける方法もあります。
共依存のようになっている場合
まずは自分の状態に気づくことです。
自分と相手との関係はもしかしたら共依存なのではないか…と気づくところからスタートになります。
・状況を変えたいと決意すること
・今まで違った行動パターンを取ること
・環境を変えること
など、いろいろなステップを経て長く時間がかかるものです。
ひとりで乗り越えるのは大変なことなので、専門家の力を借りたり、自助グループで支え合ったり、さまざまなサポートを得ながらをおすすめします。
パラフィリア障害群の場合
性的嗜好は文化的、社会的影響を大きく受けます。
例えば、日本では許容されることも、海外では許容されなかったり、国や地域、年代、文化、さまざまな影響を受け、時代と共に変化する流動的なものです。
もしも、自分が生きているエリアで社会的に認められないものでしたり、自分も変化を望んでいるのでしたら、専門的な治療を行っている機関がありますので、相談してみることをおすすめします。
さいごに
今回はストックホルム症候群についてご紹介しました。
ストックホルム症候群自体は大きな事件に伴うことが多いものですが、家庭内ストックホルム症候群といわれるような、似た状況になる可能性は十分にあります。
気になる方は、いまの状況を改めて考えてみたり、客観的な視点になるために書き出してみるのも良いかもしれません。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2019年1月11日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。