「頑張れ」という言葉はNGですか?(20代・女性)

2017.06.06公開
加藤たかこ

回答者
加藤たかこ
臨床心理士

 
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ご質問

「頑張れ」は、うつ病など気が弱ってる人には本当にNGワードなのでしょうか?難しくて悩みのタネです。

 

また、気が弱っている相手が話し出したら、どんな風に聞けば、素直に話してくれやすくなりますか?教えてください。

 

 

回答

質問を頂きありがとうございました。簡単ではありますが、以下に回答させて頂きます。

 

(1) 「頑張れ」は気持ちが弱っている人には本当にNGワードなのか

 

基本的には控えた方が良い言葉であると考えられています。

 

例えば、うつは体中のエネルギーが枯渇した状態で、まずはゆっくり休むことや投薬によってエネルギーを充電していくことが治療になります。

 

そして、うつになりやすい方は元々、性格的にまじめで責任感が強い方が多く、まだエネルギーが十分でない状態でも、「頑張れ」と期待のかかった言葉をかけられると、その期待に答えなければと無理を押してしまいがちです。

 

それによって、回復が遠のいてしまわれる方が大勢いらっしゃいます。

 

治療と真逆で、エネルギーを消費させる言葉なので、「頑張れ」という言葉は控えた方が良い言葉であると考えられます。

 

ただ、治療によって大部分で改善が見られ、仕事に少しずつ復帰する段階になってきたうつ患者の方の中には、多少体調が優れなくても、安易に休ませるより、ご本人の努力を支えつつ、仕事を継続した方が、早く社会復帰に繫がる方もいらっしゃいます。

 

ですので、同じ「頑張れ」という言葉でも、上から目線で「頑張れ」と叱咤激励するのではなく、ご本人の努力をねぎらったり、支えるという点で「頑張れ」と言うこととは質的に異なるということを意識してみてください。

 

② 相手が話し出したら、どんな風に聞けば、素直に話してくれるのか

 

まず確認しておきたい点は、投稿者様は、気が弱ってしまっている人とのお話に、どんな目的を持っているかということです。

 

決して、投稿者様からの問いかけに毎回きちんと答えを返して欲しい、ということは目的ではないはずです。

 

その上で今回は、話の聞き方について簡単にいくつかご紹介させて頂ければと思います。参考にして頂ければ幸いです。

 

1.何か作業をしながら話しをするなどして、沈黙の時間も保証してあげる

 

面と向かって話だけをするというのは、結構プレッシャーがかかるものです。

 

その点、写真の整理や編み物、読書などの作業をしながらの話しであれば、話しが途切れても不自然な感じではなくなります。

 

また、考えがまとまったところで「…さっきの話しなんだけど、」と、返すこともできやすくなります。

 

2.一番答えやすいのはYes、Noの質問

 

日常的に経験のあることだと思いますが、Yes、Noで返せる質問や、「今日夜何食べた?」のように1つの質問に1つの答えが明確にある質問は誰にとっても答えやすいですよね。

 

「どうだった?」というようなあいまいな質問は、様々な回答を可能にしますが、曖昧過ぎて答えに詰まる事があります。

 

「今日診察、どうだった?お薬変更あった?」など、曖昧な質問に明確な質問を加えてみると、相手は答えやすくなると思われます。

 

3.沈黙=答え、ということもある

 

相手が返す答えは言葉によるものだけではなく、表情、しぐさなど、言葉以外のアクションから私たちはその人の真意を知ろうとします。

 

もし、相手がお答えにならず沈黙が続いてしまったら、「今は言葉にするのが辛いのかもしれない」「考えるのがしんどいのかもしれない」と、言葉にされない心の内にまで耳を傾けてあげて頂ければと思います。

 

投稿者様が今後心穏やかに過ごされることを祈念しております。

 

応援しています。

加藤たかこ

加藤たかこ

臨床心理士

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