幼い頃、愛されなかったことはうつ病発症に関係ある?(30代・女性)

2018.01.02公開
加藤たかこ

回答者
加藤たかこ
臨床心理士

 
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ご質問

幼い頃、愛されなかったことはうつ病発症に関係ありますか?

 

今の上司に冗談でですが、「お前はダメだ」とか「ちゃんとやれ」とかいわれ続けて、幼い頃のことを思い出すようになりました…

 

幼い頃の記憶を辿ると、一度も抱きしめられた記憶がなく愛されてた実感が一つもないんです

 

だからか、人にも優しく出来ず、つい意地悪なことを思ってしまいます。

 

だれかが心配されてると羨ましくて私も心配されたいと思ったり、だれかが評価されてると嫉ましく思ってしまいます。

 

そんな自分が嫌で「なんて嫌な奴なんだろう」「なんで素直に喜んであげられないんだろう」と自問自答ばかりしています。

 

「もうこんな嫌われ者の私は、いっそ死んだ方がいいんだ」と最近は思うようになり、薬を大量に飲みましたが、病院に運ばれてしまい、結局死ねませんでした…

 

話がそれましたが、幼い頃の事を話すのは辛そうだからと、主治医の先生に言われ、話したことはないですが、私の今の状態が幼い頃に関係しているなら、何かできることはないのかなと思い相談しました。

 

現在は、親兄弟とも絶縁状態なので、一人暮らしです。犬を一匹飼っています。

 

心療内科に三年ほど通院中です。

 

強迫性障害と反復性うつ病と診断されました。

回答

初めまして。投稿を拝見致しました。

 

上司とのやりとりをきっかけに、幼かった頃のことを思い出されるようになったそうですね。

 

大人になってから振り返ってみると、幼少期の頃には気が付かなかったことに「あれ?」「そういえば・・」と思いが巡ることもあるかと思います。

 

もしかしたら、幼少期の頃感じていたこととズレがあったりして、戸惑いを感じられていることもあるのではないでしょうか。

 

また投稿者様は、自分以外のだれかが親切にされていると意地悪な思いを抱いたり、他人の幸せを素直に喜べないと感じていらっしゃるようですね。

 

他人を妬ましく思う気持ちは、人間としてごく自然な感情で、その気持ちを完全に無くすことは現実的な事では無いでしょう。

 

けれども投稿者様は、他人を妬ましく思うご自身に罪悪感を持っていらっしゃるようですね。

 

それは投稿者様の気持ちの中に「一緒に喜んであげたいけど」という気持ちが、一緒に含まれているからこそのことなのではないかと思いました。

 

妬ましい気持ちがあったら、素直に喜んであげられないのも無理ないのに、そのことで気を病まれる投稿者様は、きっと優しい方でいらっしゃるのでしょうね。

 

またかつ、「自分など死んだ方が良い」と、一度に大量のお薬を飲まれたそうですね。

 

そのようにご自身を傷つけたくなるのも、うつ症状の1つと考えられます。

 

今回、一命は取り留められたものの、これから先も同じようにご自身を傷つけられてしまうのは・・ということが、私はとても心配です。

 

今回のご質問は、幼少期の頃のことがうつの発症と関係があるかとのことですが、どんな人でも、今の自分自身は幼少の頃からの糸の紬合わせの結果としてあるので、全く関係ないとは言えないと考えられます。

 

けれども、同じ家庭で育った兄弟でも皆同じになるわけではないのと一緒で、他の要因も同じ位影響しています。

 

幼少期の頃の影響として考えられることとして、心理学の言葉では「レジリエンス」を挙げることができます。

 

レジリエンスは「逆境に打ち勝つ力」とか「跳ね返す力」のことを言います。

 

レジリエンスが高い人は幼少期の頃に、大人に見守られた環境の中で「僕はできる!」という体験を、多く積んでいることが言われています。

 

そういう点で、幼少期とうつには関係が示されますが、先程述べた様に、これは全体における一部の影響としてのことです。

 

さて、投稿者様は親から愛された実感が無いとの事ですが、これは投稿者様の心の中の真実ではそうなのだろうと思います。

 

ただそれは、事実はどうだったかはさておき、投稿者様としてはそう受け取られたのだろうということです。

 

ここで私がお伝えしたいのは、可能性の1つとして親として愛情を持っていたけれど、残念ながら投稿者様には届かなかった、ということもあるかもしれないということです。

 

親によって得意な愛情の示し方は異なり、投稿者様が求めていたものとは違ったのかもしれません。

 

現に投稿者様は、成人されて仕事にも就かれています。そういう点で、少なくとも投稿者様の親は衣食住を保証したり、教育の機会を与えて下さっていたというのはあるのでしょう。

 

親兄弟と絶縁されている今、確かめる方法も無いでしょうし、確かめても「愛した」「愛されていなかった」と、水掛け論で終わってしまう可能性もあるでしょう。

 

ところで投稿者様は今、犬を飼われていらっしゃるそうですね。

 

自分が愛されなかったという思いは、自分より小さい物を愛し世話してあげる事で、少しずつ埋めて行くことができます。

 

犬の他植物など、どんなものでも構いません。これからも大切に育てていかれることを、おすすめします。

 

投稿者様のこれから先の日々が、穏やかなものとなりますように、応援しています。

加藤たかこ

加藤たかこ

臨床心理士

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