【うつ病・接し方】職場での意外な8つの禁句とは?臨床心理士が解説

2018.10.17公開 2018.10.30更新
 

職場の仲間が「うつ病」であると分かると、どのように接してよいのか戸惑う方も多いと思います。

 

早く元気になってもらいたいとは思うものの、誤った声かけで相手を傷つけたくない…

 

そんなことをお感じの方のために、今回は「8つの禁句」について考えてみたいと思います。

 

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うつ病への誤った接し方が与える悪影響とは?

誤った接し方や声かけは、うつ病を抱える人にとって負担になるばかりでなく、場合によっては悪い影響をもたらすことがあります。

 

どういった影響を及ぼしてしまうのか、一緒に見ていきましょう。

 

回復を遅らせる

投薬や休養などによってある程度まで持ち直していても、誤った接し方をされたことで回復が遅れることがあります。

 

中には、「こんなことを言われた(された)」と傷つくことで状態が悪くなってしまうこともあります。

 

心を閉ざさせる

うつ病を抱える人にとって最もつらいのは、自分の気持ちや病気のつらさを「誰にも分かってもらえない」と感じることです。

 

適切でない接し方や声かけは、その人に「自分を理解してもらえない」ということの表れのように映る場合があります。

 

その結果、自分のことを相談したり分かってもらおうとしなくなり、ますます孤独を深めてしまいます。

 

追い詰めてしまう

うつ病とは、心のエネルギーが尽きかけている状態です。

 

特に症状が強く出ている時期は、楽しさや喜びといったポジティブな気持ちを感じることができなくなり、周囲や自分に関して暗く考えてしまいがちです。

 

自責の念や罪悪感、失望感などを抱きやすく、周囲のちょっとした言動で追い詰められた気持ちになりやすい、危うさのある時期でもあります。

 

 

意外と言いがち?8つの禁句とは?

うつ病の人にとっては「頑張って」という言葉が負担になる場合がある、というのは有名な話ですね。

 

これと同様に、良かれと思ってかけた言葉が返って相手を苦しくさせてしまうことがあります。

 

「つらいのは気の持ちようだよ」

「気持ちを切り替えよう」

うつ病の原因はまだ完全には解明されていませんが、神経伝達物質の作用が症状に大きく関わっていることが分かっています。

 

うつ病による苦しさは、本人の「甘え」や「気の持ちよう」のせいではないということを、しっかりと理解しておく必要があります。

 

「薬に頼りすぎてはいけないよ」

うつの治療にかかるお薬は、医師が必要と認めた場合にのみ処方され、十分な期間服用しなければ効果を発揮しません。

 

周りの人から見ると「薬がないとやっていけなくなるのでは?」と心配に感じることもあるかもしれませんが、お薬の増減ややめるタイミングは医師との相談によって決めなければなりません。

 

「気分転換に出かけたら?」

「家にばかりいるのは体に良くないよ」

うつ病が十分に回復してくれば、散歩や趣味を通して気分転換を図ることもあります。

 

しかし、うつの症状が強く出ている時期は「楽しい気持ち」や「物事への興味・関心」が極端に薄らいでしまっており、何かをしようとすること自体が困難です。

 

無理に明るい気持ちに向かわせようとせず、本人のペースを尊重してあげることが重要です。

 

 「死にたいなんて言わないで」

「そんなことを言われると悲しい」

時には、相手から死に関する話をされることもあるかもしれません。

 

そんな時、恐怖心や焦りから「そんなこと言わないで」「悲しむ人がいるよ」と、つい否定的になってしまいがちです。

 

しかし、自分の気持ちを理解してもらえないと感じられれば、その人はそれ以降、心を開くことが出来なくなってしまいます。

 

死にたい気持ちを打ち明けられたら、

 

「そう感じるくらい、苦しいんだね」

「一人でそんなにつらい気持ちを抱えていたんだね」

 

と相手の気持ちを受け止めた上で、出来そうであれば、

 

「また苦しくなったら教えてほしい」と伝えてあげてください。

 

正直に話しても良いのだと、相手を安心させてあげることが大切です。

 

「いつ頃なおりそう?」

うつ病の多くは半年ほどで良くなりますが、人によっては数年の治療が必要であったり、良くなったと思っていたのに症状がまた現れたりと、扱いが難しいものでもあります。

 

病気を治したい、いつ治るか知りたいと一番思っているのは本人です。

 

責められているように聞こえがちでもありますから、治るタイミングについて尋ねるのは避けましょう。

 

 

禁句を言わないための心構え

「禁句」を言わないためには、うつ病を抱えた人について「自分が想像するよりもずっと苦しい状態にあるのだ」と理解しておくことが大切です。

 

周囲にとってはちょっとした言動でも、その人にとっては大きな不安や負担となることもあります。

 

「これくらいのこと」と思わずに、「この人は今、こういったことが負担になってしまうほどしんどいのだなぁ」と、ゆったり受け止めてあげてください。

 

共感的な理解は、その人の在り方や苦しさを尊重することに繋がり、おのずと「禁句」を言わずにすむ状況を生み出すことと思います。

 

 

さいごに

うつ病を抱えた人と接するからと言って、極度に気を遣う必要はないと思います。

 

しかし知っておく良いポイントはいくつかあり、「禁句」にまつわる知識はそのうちの一つです。

 

本人から何か打ち明けられるようなことがあれば、「気のせいだよ」「そんなこと言わないで」「よくあることだよ」というような否定的な言葉や態度は控え、

 

「話してくれてありがとう」とねぎらいの言葉をかけてあげてほしいと感じます。

 

あたたかい一言が、その人の苦しさを和らげてくれるものと信じています。

 

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鈴木さやか

臨床心理士

心理系大学院修士課程を修了後、臨床心理士資格を取得。福祉分野のケースワーカーとして従事したのち、公的機関でテスター兼カウンセラーとして勤務。子どもの問題(不登校、非行、発達障害等)や労働、夫婦問題をはじめ、勤労者、主婦、学生など幅広い立場への支援を行っている。

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