対人恐怖と漠然とした不安で仕事が続かない…どうすれば?

倉本梓

回答者
倉本梓
臨床心理士

ご質問

対人恐怖と無気力状態が強くて困っています。

 

もともと、家庭環境や身内からの暴力・精神的虐待、ADD気質、学校でのいじめなどから対人恐怖症や不安症です。

 

これまで何度も挫折してきましたが、変わる努力をして、周りに馴染めるようなんとか生活してきました。

 

心療内科でカウンセリングのため何度か通院歴はありますが、薬は服用したことはありません。

 

その時、心療内科ではADDのグレーゾーンだといわれました。

 

色々自分なりに努力し、かなりメンタル面や思考などが変わり、昔に比べると、という程度ですが生活しやすくなりました。

 

しかし、やはり根本的に治っていないのか、少し人と関わるだけでかなり疲れる部分もあります。

 

いつも何かと漠然とした不安を抱えている感じがします。

 

仕事は今までほとんど接客業ですが、接客業自体は大好きで、接客自体は全く苦ではありません。

 

私の対人恐怖は、仕事上の人間関係や微妙な距離感の友達関係の時に一番強く表れます。

 

そのため、仕事の内容は好きでも、続けていくうちに、仕事上の人間関係が不安でいつも精神的にやられてしまいます。

 

1ヶ月ほど前まで、そういう人間関係の煩わしさが嫌だけども接客業をしたいことから、接客業の派遣会社に登録し働いていました。

 

その派遣会社は、私が勤務先を選べるのではなく、会社が勤務先を決めます。

 

勤務先が毎日変わるし、人間関係の煩わしさもなく最初は楽しかったものの、やはり勤務先が毎日初めての場所というのは緊張するし、どんな人がいるか分からない不安も強くなりそれが負担になるようになりました。

 

ストレスではありながら、しばらく頑張りましたがダメでした。

 

これが、最近の対人不安の引き金だと思います。

 

それが原因で、結局派遣も辞めてしまい、人と関わることにもまた億劫になり始めました。

 

初めは少し休んだら、また別の仕事を探す予定だったのですが、急にどんどん不安が強くなり、ここ1週間ほど、外に出る気力がなく人と関わりたくありません。

 

このままではダメだし、仕事をしなければという焦りもあり、派遣会社の面接を予約するのですが、当日行くのが億劫になったり、気力が湧かずすっぽかしてしまいます。

 

今までこんなことはなかったし、それぞれ別の会社の面接を3回もすっぽかしてしまいました、、。

 

自分は面接に行くのもできないほどまた悪い方向に変わってしまったのかとかなり情けないです。

 

このままでは生活もできないのに、、。

 

夜も眠れず朝方まで起きてしまい、頭痛やめまい、吐き気などがして体調が悪くなってかなりの悪循環です。

 

こんな状況がかなり今しんどくて、また昔みたいに戻るのではと不安です。

 

外に出ること、人と関わること、働くことを考えるとなんだか苦しくなります。

 

こんな自分が嫌で仕方ありません。

 

今まで違うと思っていたのですが、私は適応障害か何かなのでしょうか。

回答

はじめまして、ご相談ありがとうございます。

 

お仕事をやめたことをきっかけに、対人恐怖や無気力感が強くなっているとのこと。

 

今はとても苦しいときですね。

 

これまでを文字にするのはつらかったと思いますが、よくご相談くださいました。

 

私もあなたのことを心から応援したいと思っています。

 

自分の苦手なことを認め、変えていくのはとても不安が伴います。

 

それでもあなたは自分を乗り越えようと、何度も何度も努力を繰り返してきたのですね。

 

そして実際に、成果が出ているのを感じられるまでになりました。

 

これは、あなたが挫けずにがんばってきた証です。

 

ですから、まず、これまで努力してきた自分に自信を持ってくださいね。

 

あなたには前に進む力が十分にあります。

 

今の調子の悪さは、いってみれば「波のひとつ」ととらえることができるかなと思います。

 

同じように生活していても、がんばれるときとがんばりが効かないときというのが、どうしても出てくるものです。

 

でもそれは、これまでの努力が無駄になったわけでも、身につけた力がなくなってしまったわけでもありません。

 

一時的に、力が発揮できない状況になっているというだけですので、環境を選んで整えていけば、また必ず前に進めますからね。

 

大切なのは、焦らないことです。

 

こんなときだからこそ、一度立ち止まって状況を整理してみませんか。

 

勢いよく進んでいたときには見えなかったものが見えるかもしれません。

 

少しふり返ってみてください。

 

これまでも、がんばりが効かなくなったり、なぜか調子があがらない、ということはあったのではないかなと思います。

 

波が下降気味になってくると、不安になったり自信がなくなってきたりしますよね。

 

「これまでのやり方が間違っているのかもしれない」と、焦ったり、もがいたりしてしまいます。

 

そんなときは、まずは気持ちを安定させることを目指してみましょう。

 

体やこころを休め、しばらく何も考えないようにする時間も、エネルギー充電のためには必要なことですね。

 

「がんばり続けていないと、元に戻ってしまうのではないか…」と感じるかもしれませんが、そんなことはないので大丈夫。

 

「前に進むために、今は休もう」と、安心して休んでくださいね。

 

もうひとつ、ご相談を読んで感じたことは、あなたが、「完全に治らないのでは」という不安を抱いているということです。

 

漠然とした不安というのは、このあたりから来ているのかもしれませんね。

 

もちろん、苦手を克服して、全く困らなくなればうれしいことです。

 

でも私は実は、今のままのあなたもまた、大切にしてほしいなと思っています。

 

完璧を目指すのではなく、「今の自分とうまく付き合う」という視点もまた、アリなのではないでしょうか。

 

なぜなら、それぞれの「弱み」は、実はその人の「強み」になったりもするんです。

 

あなたの場合であれば、人と接することに不安があるからこそ、相手との距離感に敏感であったり、相手の反応や気持ちを慎重に汲み取ろうと意識できます。

 

接客業をするうえで、そんなあなたの特徴が有利に活かせている部分もあるのではないかなと思います。

 

また、ADDグレーゾーンとのことですが、こちらも弱点だけばかりとはいえません。

 

ADDの方は「暗黙の了解」「行間を読む」といったことが苦手といわれていますが、そのぶん、型にはまらないアイデアや常識にとらわれない別の見方ができるという強みもあります。

 

ご本人がこの強みに気が付いていないために、それを十分活かすことができていないということもあるのですが、

 

ADDの方の素朴な感想や疑問、斬新な発想が、周囲の人々にとっても新たな発見となったりすることも、決して少なくないんです。

 

ですから、自分の弱みだけでなく強みも含めて、改めて書き出してみて、そのうえで環境の調整をしたり業務の工夫をできると、より選択肢が広がるかもしれません。

 

お仕事についても、ご自身にあった環境を選べるといいですね。

 

長く続けることよりも、まずは「お試し」のつもりで選んでみるのもアリですよ。

 

接客でも、一人で担当できる現場もありますし(クリーニング店のような小店舗の受付、配達など)、同僚のつながりが薄い現場もあります(コールセンターなど)。

 

手に職をつけることで、個別に接客できる職場も多いです(マッサージや美容系、裁縫修理など。未経験でも研修を受けられる場合も)。

 

接客以外の業界を試してみるのも、新しい発見があるかもしれません。

 

ハローワークなどで適性を相談できる場合もありますので、余裕があれば活用できるといいと思います。

 

調子がよいときはどんどんチャレンジしたいところですが、調子が悪いときも、悪いときなりのチャレンジの仕方が必ずあります。

 

あなたは十分がんばってきましたので、まずは自分の頑張りをねぎらって、焦らずにできることから始めてくださいね。

 

あなたのことを応援しています。

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