他人の顔色を伺いすぎる…ありのままの自分を受け入れるには?

倉本梓

回答者
倉本梓
臨床心理士

ご質問

繊細で人の顔色を常に気にしていて、人から言われたことや、失敗したことにいちいちクヨクヨするたちです。

 

5年ほど勤めている会社、やりがいもあり、周囲からも受け入れられ認められており、辞めるつもりはありません。

 

ですが、一年前に別の部署に退職予定の人間が出ることで、引き継ぎのため部署が変わり、仕事が評価されることがなくダメ出しや注意ばかり受けています。

 

メンバーはいい人たちなので、人格攻撃を受けることはありませんが、オブラートに包まれないキツい口調や態度(「ちゃんと考えてやってください」「失敗してどうすればいいかは自分で考えてください」等)

 

仕事ができないのは私のせいで、正しいことを言われているので自信喪失するばかりです。

 

顔色を伺っては心を痛めたり疲れたり。

 

元の部署の人に愚痴をこぼした際、「投げ出さずがんばれ」「その苦しみが君の糧になる」とか言われてしまい、私の気持ちが認められ受け入れてもらえることは今のところありません。

 

親にも友達にも相談できません。

 

友達には仕事の状況を説明してわかってもらうのに一苦労ですし、そんな話を聞かせるくらいなら、楽しい話をして楽しくなってもらいたいです。

 

親には子供の頃から、今まで悩みや愚痴を言っても「考えすぎだ」とか「世の中にはもっと辛い人がいる」とか、私の気持ちをありのまま受け入れてもらえたことは少ないです。

 

親は自分のことばかりを話し、関心をもって話を聞いてもらえた経験がほぼありません。

 

小中では不登校にもなりました。

 

それでも他所様からすれば、両親から何不自由なく育てられた私は幸せもので、ここでも結局寂しい気持ちや不満が認められることはありません。

 

人から受け入れられるには、まず自分が人を受け入れ、好きににならなきゃ…とはよく聞きます。

 

受け入れられない苦しみがわかるので、人の話はなるべくそのまま聞くように、無闇に否定したり決めつけたりしないようにはしています。

 

でもどうしてもダメな自分のことは愛せず、受け入れられません。

 

人からも受け入れられたと感じることは少ないです。

 

些細なことで悩みクヨクヨしているので、人からしたらとるに足らないことばかりで悩んでいるのでしょうか。

 

自分が弱いのは重々感じています。

 

そんな自分は、人から受け入れられると感じることができないまま人生を終えるのですか。

 

絶望的な気分です。

回答

はじめまして、ご相談ありがとうございます。

 

内容を拝見して、あなたの孤独な気持ちがとても伝わってきました。

 

あなたはただ、あなたのそのままの気持ちを受け入れてもらいたいのですよね。

 

家族、友達、職場のメンバー、周囲の人々…

 

誰か一人でも、ありのままに寄り添ってくれる存在が必要なのですよね。

 

それはごく自然な気持ちだと思います。

 

あなたが弱いわけでも、ダメなわけでもありません。

 

誰しも、自分をそのまま認めてくれる存在が必要です。

 

「もっとがんばれ」「それぐらい大したことはない」の前に、

 

「そうだね」「大変だったね」「それでいいよ」

 

という一言があれば、それだけでもどんなにか心が救われるでしょうか。

 

逆にそれがなければ、どんな効果的なアドバイスも

 

「あなたがこうしないから」「あなたが悪い」

 

というふうにしか響かないものです。

 

それを分かっているからこそ、あなたは他の人に寄り添うことができるのですよね。

 

これは、とてもすばらしいことだと思います。

 

そして、次はそのあたたかいまなざしをあなた自身にも向けていただきたいと、私は思います。

 

きっと、あなたもそうしたいと感じているのではないでしょうか。

 

それができないことが、つらくて苦しいのですよね。

 

ですから、まずは、あなたが自分自身に寄り添えるようにその方法を一緒に考えさせて下さい。

 

お気付きのように、幼いころの経験はその後の人生に影響を与えます。

 

親にありのまま受け入れられ、大切にされているという自信が、自分を愛する力や前進する力につながります。

 

でも、もし残念ながらその経験が十分得られなくても、それでおわってしまうわけではありません。

 

たしかに、子どもの頃には難しいことではありますが、大人になった今だからこそ、できることがあります。

 

それは、自分を少し遠くから客観的に眺めて、自分を「一人の人間」として大切にすることです。

 

もし悩んでいるのが自分ではない誰かだったら、あなたならどう声をかけるでしょうか?

 

「大丈夫だよ」「つらかったね」「がんばったね」

 

その言葉をそのまま、自分にかけてあげられるといいですね。

 

他の人を大切にできるあなたですから、自分自身にも、きっと寄り添えるようになるはずです。

 

もう少し具体的に考えていきましょう。

 

人が悩むのは、それだけその問題に真剣に向き合っているとも考えることができますね。

 

ネガティブな気持ちの裏には、必ずポジティブな意味も隠れています。

 

それを拾っていくことで、新しい自分に出会うことができるかもしれません。

 

これは他の人にはできない、自分自身だからこそできる自分の認め方でもあります。

 

まずは、あなたの思いを紙に書き出してみましょう。

 

その裏にある気持ちをポジティブに書き換えることはできるでしょうか?

 

(「もしこんな人が自分の周りにいたとき、どんな長所を見つけてあげられるだろう」と考えると書きやすいかもしれません)

 

たとえば…

 

【繊細】

⇒感受性が豊か。小さな変化に気付ける。

 

【人の顔色を気にしている】

⇒人とうまくやっていきたいという気持ち、自分を守っていこうという意志

 

【失敗にクヨクヨする】

⇒真剣に向き合う姿勢、周囲の求める自分に近づきたいという意志、同じ失敗を繰り返さずよりよい自分になりたいと願う気持ち

 

書いているうちに、「たしかに、いい面もあるんだな」と思えるところがでてくるかもしれません。

 

その部分を積極的に意識すると、自分への自信になりますね。

 

一方、「これは違和感があるな」「この気持ちは本当に必要かな」と感じる部分もあるかもしれません。

 

それは、あなたの心と考えの矛盾した部分ですから、変えていける可能性があります。

 

「自分のここがダメなんだ!」と考えると、自分を否定してつらくなってしまいます。

 

「私はこういう気持ちでがんばっていたのかな。今まで本当にお疲れさま。でも、これからはもう、こう考える必要はないかもしれない」

 

と、自分の気持ちをそのまま認めてあげられると、自分を否定することなく少しずつ考え方を変えることができるかもしれません。

 

自分をありのままに受け入れることの練習にもなりますよ。

 

最初は少し難しいかもしれませんが、「頭をやわらかくするトレーニング」くらいの軽い気持ちでいいですよ。

 

どうしても進まなくなれば、カウンセラーなどの第三者と一緒に取り組むのも手です。

 

カウンセラーは気持ちを整理していく専門家ですから、あなたの話をじっくりありのままに聴いて、いっしょに考えてくれます。

 

まずは自分が自分を受け入れてあげること。

 

少しずつですが、自分の将来を信じられるようになるはずです。

 

もしかしたら、他の人の言葉も、今までとは違って聞こえてくるということもあるかもしれません。

 

あせらずにゆっくり、自分を味方につけていきましょうね。

 

あなたを応援しています。

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