希死念慮が子どもの頃から続く…知っておきたい3つのこととは?

2016.12.13公開
 
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子どもの頃から、ふと「死にたい」「死んだほうが楽になれる…」といった風に考えてしまうことはありませんか?

 

このように、自分の死について考えてしまうことを「希死念慮」と言います。そして長い間、続いている希死念慮をひとりで抱え続けるのは生きづらさにつながってしまいます。

 

そこで今回は、希死念慮が子どもの頃から続いて不安に思っている人が知っておきたいポイントをご紹介します。

 

 

希死念慮は特別なこと?

希死念慮は誰でも体験する

子どもの頃から死にたい気持ちが消えないと、「自分の心が弱いせいではないか」「周りに相談してもわかってもらえないのではないか」と自分を責めたりしてしまうかもしれません。

 

また、自分の心の弱さが不安になったりして、余計にネガティブな気分に陥ってしまうことがあるかもしれません。このような状態はとても生きづらくて苦しいですね。

 

実は、希死念慮は、心が弱いから感じるものではありません。

 

確かに、神経質な人ほど自分の失敗などを気にしてしまい希死念慮に陥りやすいと言えますが、多くの人は人生で一度は「死にたい」という気持ちを感じているのです。

 

例えば、部活の試合や会社の重要な会議で、ここぞというときにミスをしてしまうと、とても落ち込みますよね。

 

そんなときにふと、「こんな役立たずな自分なんて、死んでしまったほうがいい」という考えが浮かんでくるかもしれません。これも広い意味での希死念慮といえます。

 

また過去の研究で、特に中学生以上の女子において、希死念慮を感じている比率が高いというデータもあります。

 

希死念慮、という名前を聞くと、なんだか物々しくて大変な病気のように思えてしまいがちですが、実はこれは誰でも体験しうる大変身近な心の動きなのです。

 

 

なぜ希死念慮を繰り返すか?

十分な休息が取れていないと希死念慮を感じやすい

上記で述べたように「死にたい」という気持ちは多くの人が体験することのあるものです。

 

それでは何故、すぐに立ち直れる人と何度も希死念慮を繰り返してしまう人が出てくるのでしょうか?

 

実は希死念慮は、心がとても疲れていることを伝えるサインなのです。

 

希死念慮はひどく疲れている人ほど感じやすく、子どものころから希死念慮が続いている人は、心が常に疲れている状態だと考えられます。逆に、心に余裕のある人は落ち込んでもすぐに立ち直れるのですね。

 

例えば、2006年に群馬大学の笹沢良明らが行った研究によると、中高生で睡眠時間が短い人たちは希死念慮を感じている割合が高いとするデータがあります。

 

睡眠は身体と心を休めるうえでとても大切な行為ですが、このデータから十分な休息が取れていないと希死念慮を感じやすいと考えることができます。

 

長いこと希死念慮が続いている方の中には、昔からあまりよく眠れず、なかなか疲れが取れないのに忙しくて休む暇がない、という状況の方がいらっしゃるのではないでしょうか?

 

もしそんな状況にある場合、あなたが感じている「死にたい」気持ちは心が休息を欲しがっているサインかもしれません。

 

 

希死念慮を和らげるには?

まずは、身体を休めることから

先ほど述べたように、希死念慮は心が疲れていることのサインです。よって、ゆっくりと休息をとり、心身を休ませることで希死念慮は和らげることができます。

 

心身が疲れているときほど人はネガティブな思考に陥って、何をしてもうまくいかないように感じてしまうものです。

 

そこで「死にたい」という気持ちが出てきたら、ちょっと立ち止まってじっくり自分の置かれている状況を考えてみましょう。

 

・手帳にびっしり予定が書きこまれている、

・一日で終わらないような量の仕事がある、など

 

いかにも疲れの原因になっていそうなものはありませんか?もしあったら、意識して休息をとる時間を作るようにしましょう。休息の取り方は人それぞれです。

 

家で何もせずにぼーっとする、

友達に愚痴を聞いてもらう、

ゆっくり散歩をする、

ジムで身体を動かす…、

 

などなど、いわゆる「ストレス発散」をして心と身体を整えることで、希死念慮を和らげることができると考えられます。

 

ただし、一度リフレッシュした後、また以前のように予定ぎっしりで休む暇のないスケジュールを組んでしまっては本末転倒です。またすぐに心と身体が疲れて、希死念慮が首をもたげてきてしまいます。

 

希死念慮を感じたら、自分の生活や心身の状態を見直すチャンスです。週に一度はリフレッシュの時間を作るなど、心の健康を保つ方法を考えましょう。

 

心の休め方があまりピンとこない、という方は、身体を休めることから始めましょう。

 

心と身体は密接にかかわりあっています。心が疲れれば身体が重くなるし、身体が疲れれば心はネガティブになっていきます。

 

マッサージを受けたりお風呂に浸かってゆっくりしたり、しっかりと睡眠をとって身体を休めることは、心の休息にもつながるのです。

 

 

さいごに

希死念慮は、誰でも一度は感じるようなよくある症状です。

 

そしてこれは、心がとても疲れていることを伝えてくれるサインなのです。希死念慮を感じたら、自分の生活を見直し、心身を休めることで死にたい気持ちを和らげることができると考えられます。

 

希死念慮を感じている状態はとても生きづらくて苦しいものです。けれど、心身を休めるタイミングを教えてくれる合図でもあります。

 

長く希死念慮を感じて不安に思っている方に、少しでもお力になれればよいと思います。

 

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【執筆】

須賀 香穂里

神奈川大学人間科学部・人間科学科所属

 

 

 

 

【監修】

杉山崇 臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授

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