【家族向け】うつ病で社会復帰するまでの心がけとは?うつ病当事者の看護師が解説

2016.12.02公開 2019.05.16更新

家族がうつ病になった時にできることについて、初期編・回復期編に分けてお話ししてきました。

 

シリーズ3回目の今回は、社会復帰までの過程で、家族に何ができるのかを、考えてみたいと思います。

 

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完治がゴール?

大切なことは自分の症状をコントロールできること

うつ病で闘病中の人の中には、「治す」ことを目標に頑張っている人もいるのではないでしょうか。

 

しかし今回、私はこの記事を書くにあたり、うつ病のゴールは「完治」とはしていません。

 

なぜなら、うつ病をはじめとした精神疾患に「完治」という言葉はほとんど使わないからです。

 

薬を飲まなくてもいいくらいに症状が良くなることはありますが、それは「完治」ではなく「寛解」と呼びます。

 

「寛解」とは、簡単に言うと、症状が改善した状態が続いているということ。

 

その状態は、一時的か永続的かは問いません。それは治ったわけではなく、また悪くなる可能性もあるのです。

 

精神疾患は、症状とずっと付き合わなければならない慢性疾患であると、私は認識しています。それは、他の医療従事者も同じだと思います。

 

うつ病も、一旦良くなっても再発する恐れは十分にあります。

 

そういった意味では、薬を飲む必要性がなくなるか、通院しなくても良くなるかということが重要なわけではありません。

 

薬の力を借りながらでも、自分の症状をコントロールできるかどうか。

 

日常生活を問題なく送れるようになって、社会復帰できるかどうかということが大切ではないかと思っています。

 

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小松亜矢子

元看護師のフリーライター

自衛隊中央病院高等看護学院卒。22歳でうつ病を発症し、寛解と再発を繰り返し今に至る。自分自身のうつ病がきっかけで夫もうつになり最終的に離婚。夫婦でうつになるということ、うつ病という病気の現実についてもっと知ってほしいと思い、ブログやウェブメディアを中心に情報発信中。

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年12月2日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。