【家族向け】うつ病初期の接し方とは?うつ病当事者の看護師が解説

2016.11.30公開 2019.05.16更新

大事な家族がうつ病かもしれないと感じたとき、あるいは病院に行ってうつ病と診断されたとき、戸惑う人がほとんどではないでしょうか。

 

きっと、「うつ病」という病名は知っていても、わからないことだらけだと思います。

 

具体的にどんな症状が現れるのか?

これからどんな経過をたどるのか?

家族として、どんなことをすればいいのか?

 

聞きたいことがあっても誰に聞いたらいいかわからない、そんなこともあるかもしれません。

 

そこで、私自身の患者・家族、両方の立場での経験を交えながら、家族がうつ病になったときにできることについて、3回に分けてお話ししてみたいと思います。

 

今回は、うつ病と診断される前後のことについてです。

 

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うつ病かもと思ったら…

一緒に暮らしていると、家族の異変に気がつくことがあると思います。

 

「眠れていない」「食事量が減った」「元気がない」

 

そんな、いつもとは違う状況に、「もしかしてうつ病では?」と思うこともあるかもしれません。

 

あるいは、本人から「調子が良くない」「何か変だ」などと言ってくることも考えられます。

 

そんなときに、まずできることを考えてみましょう。

 

まずは休養を勧める

調子が悪そうなのに、無理して会社や学校に行こうとする人もいると思います。

 

そんなとき、まずは休養を取るよう進めると良いと思います。

 

責任感の強い人は、「仕事に穴は開けられない」と休むことを拒否するかもしれません。

 

しかし、自身の健康を守ることが大切であること、心配だから休んでほしいということを伝えてみてください。

 

病院探しを手伝う

休養を取っても改善しなかったり、症状が長引いたりする場合は、精神科や心療内科の受診を検討したほうが良いでしょう。

 

精神科と言っても、小さなクリニックから大きな病院まで、いろいろなタイプのものがあります。

 

うつの症状があるときに、これらの中から自分で選ぶことは難しいこと。

 

「こんな病院があるけどどう?」と提案してみたりして、病院探しや受診の予約を手伝うと、本人はとても助かることが多いです。

 

受診に付き添う

病院を決めて予約をして、いざ受診となると、抵抗を感じる人も少なくありません。

 

精神科の受診自体が初めてで、緊張することもあるでしょう。

 

もし1人で行くことに不安があるのであれば、受診に付き添うのもひとつの方法です。

 

信頼している家族が一緒であれば、少しは安心につながったりします。

 

また、本人が医師にうまく話ができないときに、代わりに家族が症状を伝えることもできます。

 

私も実際に、家族がうつ病になったとき、初診からしばらくは付き添いましたし、私が受診するときも付き添ってもらったことがあります。

 

自分の受診に付き添ってもらったとき、待合室で診察を待っている間はとても心強かったです。

 

初診は特に抵抗を感じやすいですから、可能であれば付き添ってみると良いでしょう。

 

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小松亜矢子

元看護師のフリーライター

自衛隊中央病院高等看護学院卒。22歳でうつ病を発症し、寛解と再発を繰り返し今に至る。自分自身のうつ病がきっかけで夫もうつになり最終的に離婚。夫婦でうつになるということ、うつ病という病気の現実についてもっと知ってほしいと思い、ブログやウェブメディアを中心に情報発信中。

小松さんのインタビュー記事はこちら

  • 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
  • 本記事は2016年11月30日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。