愚痴の聞き方…心の専門家が実践する3つのポイントとは?

2017.02.04公開 2017.03.21更新
 
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「あの人がうざい」「こんなことがあって腹が立った」「もう仕事なんてやめてしまいたい……」

 

日々過ごしていると、いろんな愚痴を聞く機会があると思います。

 

誰かの愚痴を聞いているとき、最初は一生懸命相手を元気づけようと聞いていても、話が長くなるにつれてだんだん面倒になったり、自分がイライラしてきたりといった経験はありませんか?

 

愚痴というのは、日常で溜まったストレスを発散するために、どうしても口をついて出てしまうものです。

 

しかし「愚痴を聞く」というのはただ人の話を聞くよりもとても難しいことです。そこで愚痴を聞くとき、心の専門家が実践している3つのポイントをご紹介したいと思います。

 

 

相手のことを否定しない

愚痴を言いに来る人というのは「自分の気持ちを分かってほしい」と思っていることが多いです。

 

同時に、「この人ならわかってくれるのでは」という期待のもとに愚痴を言いに来ているのです。

 

だからこそ、愚痴を聞いている間は、その人の考えを否定するような態度を取らないようにしましょう。

 

自分が愚痴を言っているときのことを思い出してみてください。相手が自分の考えに同調して「そうだよね」と言ってくれるとなんとなく安心しませんか?

 

逆に「それは違うよ」「あなたが悪い」といった態度を取られると、なんだかむっとしてしまいませんか?

 

これは、あなたが愚痴を聞く側に回ったときにも起こります。

 

聞き手に回ったときには、相手の言葉は否定せず、相手の気持ちに寄り添って話を聞くことに重点を置きましょう。

 

相手が欲しているのは、具体的な解決案や第三者からの意見ではなく、「自分の気持ちへの共感」なのです。

 

 

なるべく客観的に聞く

しかし、ただ愚痴を聞き続けるというのはとても大変です。

 

あなたがその話を聞いて感じたのが、同情や共感ではなく、相手とは反対の意見だとしたら、なおさら黙って聞くのは辛いと思います。

 

そこで大切なのは、あまり相手の愚痴に感情移入しすぎないことです。

 

あくまで愚痴を聞くときには、「そんなこともあるんだな」「その時この人は腹が立ったんだな」と、一歩引いた位置に立って話を聞くようにしましょう。

 

「客観的に」なんて言われると、随分冷たいんじゃないかと感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

そんな方は想像してみてください。

 

例えば、愚痴の対象になっている人に対して、聞き手が積極的にその愚痴に同意して、その人物を非難したとしましょう。

 

相手は共感を得られるので、その時はストレスを発散することができますが、後で愚痴の対象人物に再び出会ったとき、その人へのマイナスイメージが大きくなり、余計にストレスを感じてしまうと考えられます。

 

聞き手がマイナスイメージをあまりにも煽ってしまうと、余計に愚痴の種を生んでしまうのです。

 

 

「その時どう感じたか」を引き出す

杉原保史氏の著書、『プロカウンセラーの共感の技術』によれば、愚痴を言っている人には、「あなたはその時どのように感じたのですか」と聞いてみて、その人本人の感情がどうだったのかを聞き出すことが大切です。

 

しかし、これはただ質問しても引き出すことができません。

 

なぜなら、愚痴を言っている人はたいてい、愚痴の対象になっている人の「悪い」と思うところや気に喰わないところにばかり注意が向いていて、その出来事が起こったときに自分の感情がどういうものだったのかには、なかなか注意を向けることができないことが多いのです。

 

具体的には、「Aさんは私の話を聞いてくれない」「私はこうしたかったのにAさんは聞いてくれなかった」という愚痴を言っている人は、Aさんが話を聞いてくれなかった時、腹が立ったのか悲しかったのか、その感情がよくわかっていないことがあるのです。

 

「そのときどう思ったのですか?」と聞いてみても、「Aさんは話を聞かない嫌な人だと思った」と自分の感情ではなく、Aさんへの印象を答えてしまうこともあります。

 

そんな人には、その時に感じた可能性のある感情を具体的に言葉にしてあげると、自分の気持ちに意識を向けさせることができます。

 

例えば、「Aさんに話を聞いてもらえなかった時、あなたはどんな気持ちでしたか? 腹立たしいとか悲しかったとか、あなたの感情はどんな感じでしたか?」のように聞いてみましょう。

 

そうすることで、愚痴を言っている人の気持ちを自分の内面に向けさせて、感情を整理できるように導くのです。

 

愚痴からわかることのさらに内側の感情を整理することで、一時しのぎのストレス発散ではなく、心の落ち着きを取り戻せるようにするのが大切です。

 

 

おわりに

ここまで、愚痴の聞き方のポイントをご紹介してきました。

 

・相手を否定しない

・なるべく客観的に聞く

・「そのときどう感じたか」を引き出す

 

これらはいきなり実践しようと思っても難しく感じるかもしれません。

 

愚痴を聞くというのは意外と大変なことですが、あなたが愚痴を聞いてあげることで相手の気持ちが少しでもすっきりしているのは確かです。

 

今回ご紹介したポイントを参考に、相手もあなたもよりすっきり悩みを吐き出したり聞いたりできるようになれることを祈っています。

 

 

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【執筆】

須賀 香穂里

神奈川大学人間科学部・人間科学科所属

 

 

 

 

【監修】

杉山崇 臨床心理士

神奈川大学人間科学部 教授

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