【第1話:普通の家族】〜お父さんうつ日記〜
我が家はパッと見、普通の家族です。家族構成も普通。暮らしぶりも普通。何ら特徴はありません。
ただ我が家には、うつ病患者の父がいます。そして“グレーゾーン”と言われる兄がいます。
この状況を「普通」と捉えるかどうかは人によるんじゃないでしょうか。私は、「ごく普通」と考えていました。
一見、普通に見えるところに「生きづらさ」が潜んでいるという状況は、実は今更言及する必要もないほど、ありふれたことなんじゃないだろうか。
そう思ってこれを描きました。
今振り返っても、考えはあまり変わりません。我が家は紛れもなく普通の家庭です。
ただ、これは確率論的な話です。精神疾患の生涯有病率は何%とか、新生児が障害を伴って生まれてくるのは何%だとか、色んな数値が色んな研究で示されてきています。
それに伴って精神疾患患者の家族も、障害のある子どものいる親も相当数いるはずだし、私の家族に起こっている出来事も何も不思議じゃないと考えています。
でも、もし「自分の身にいつ起こってもおかしくないこと」だと認識していたとしても、本当に自分の身に起こった時に耐えられるか・乗り越えられるかというのは、また別のようなんですよね。
実際、私自身、自分の身の周りに起こっていることに、きちんと立ち向かえている気は今でも全然してないんです。
そしてもう一つ、「普通」のことだから、「まあいいか」と思えるかどうかもまた人によると思っています。
私はその分、学ぶことが多かったと思うけれど、せいぜい「仕方ない」というくらいの気持ちの整理しかできないし、「仕方ない」から「それでいいか」と訊かれれば、口ごもってしまいます。
本当に何事もなく、穏便に人生送れたらなぁ~とか思わずにはいられないんですが、なかなかそうもいかないから、うまくいかないのが「普通」なんでしょうね。
【第2話:私の父】を読む
【執筆】
シブ子
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- 本記事は2017年3月8日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。