「できない=怠け」と思っていた自分に若年性パーキンソン病が教えてくれたこと
難病情報センターによると、患者数が約10万人とも言われるパーキンソン病。
発病メカニズムは不明で、効果的な治療方法も未確立(2020年4月現在)である指定難病のひとつです。
40歳以下で発症した場合は「若年性パーキンソン病」と呼ばれていて、主な症状としては以下が挙げられています。
【静止時振戦(せいしじしんせん)】
何もしないでじっとしているときにふるえるなど症状
【筋強剛(きんきょうごう)】
肩、膝、指などの筋肉がかたくなって、スムーズに動かしにくいなどの症状
【無動(むどう)】
歩くときに足が出にくくなるなどの症状
【姿勢反射障害(しせいはんしゃしょうがい)】
体のバランスがとりにくくなり、転びやすくなるなどの症状
参照元:パーキンソンスマイル.net
今回のインタビューは、若年性パーキンソン病当事者のつとさん。
発症前に比べて働き方を大きく変えつつ、周囲の理解を得ながら現在もフルタイムで働いています。
発症前は暇さえあれば働いていたというつとさん。
どのように体調の異変に気付き、若年性パーキンソン病という診断にたどり着き、そして家族や会社からの理解を得たのか、などについてお話しいただきました。
目次
若年性パーキンソン病 診断前の異変
2015年(上)146(下)104
2016年(上)154(下)100
2017年(上)156(下)104
と上がり続けました。血圧が上がる前は、
2012年(上)116(下)74
2013年(上)124(下)86
でしたので、2014年を境に急に高血圧な人になりました。
ところが、2014年くらいからボールの制球がしっかりできなくなり、とんでもないところへボールがいくようになってしまいました。
「これがいわゆる四十肩か!」
「厄年の洗礼か!」
とか思い、近所の整体やたまに鍼灸へ行き、身体をほぐせば何とかなるんじゃないかと思っていました。
この時はパーキンソン病の「パ」の字も浮かんでいません。
若年性パーキンソン病と診断されるまで
営業の帰り道、オフィスの近くである銀座松屋の前で、急に左膝の動きが悪くなり、左脚を引きずって歩くようになったことがきっかけでした。
それら全て左側に症状が出ていたので、右脳に何かしらの問題が生じて、脳梗塞か脳に腫瘍ができているのではないかと考えました。
呂律のことやら色々と問診してもらったのですが「問題ない」という判断でした。
それで「とりあえず、MRIを撮らないと収まりつかないよね」と、しぶしぶMRIとレントゲン検査をしてくれることになったんです。
しかし、正直どれも効果があったとは言いづらいもので、徐々に症状が進行している感じでした。
富士山の八合目で寝ているようなもので、脳に酸素が全然行っていない状態と言われました。
医療器具などを活用して「脳に酸素を送っていけば治るんだ」と。
ただ、治療を続けていく中で、やはり症状が進んでいってましたね。
そこで様々な医療機関を紹介してもらい、MRIやCTでの検査をしたのですが、どれも「問題なし」でした。
その一方で、MRIとCTで異常がみられず、体の片側から症状が出ている場合、パーキンソン病の可能性が高いという情報を知ったんですね。
そこで一発で「若年性パーキンソン病です」と言われました。
でもその時の気持ちは、変かもしれませんが正直ホッとしました。
何の病気か分からない状態よりも、何と闘って行けば良いのかハッキリしたからだと思います。
会社も辞めないと行けないだろうし、家族も養えなくなるから、離婚も考えなくちゃならないだろうし。
「自宅を売却して子供の進学に必要な資金を作らないといけないかな」とか色々考えました。
ただ、検査に行っていることは伝えていたので、妻とも相談し会社にはすぐ伝えることができました。
収入面で厳しくなることも想定して、妻の負担が増えないようにと、どちらかというと協力を仰ぐという感じでした。
それを自宅のよく見られる場所に貼っておいたのがよかったのかもしれません。
つとさんが実際にご自宅に貼っているもの
「一緒にがんばろ。つとさんならきっと難病も治っちゃうよ」
と笑顔で言ってもらえて…。すごく安心できました。
「こういう時はお互い様や。見捨てへんから、心配すんな。安心せい。とにかく、身体のことを第一に考えや」
と言ってもらい、泣けてきたことを覚えてます。
若年性パーキンソン病 原因のこと
仕事を抜くと何も残らないような仕事人間でした。
だから、仕事が上手くいってないと24時間ずっとストレスで、上手くいったらいったで「もっとやるぞ!」と余裕がない人でした。
血圧が上がってきた頃は、ずっと一緒にやってきた仲間と思えるメンバーが立て続けに退職し、精神的ダメージが大きかったことがあります。
営業のプレッシャーも大きくなり、「もうこれ以上背負えない」と感じ、心の中で何かが崩れたような感じでした。
・ラーメンやカレーなどの偏った食事
・ドリンク剤やカフェイン摂取
・深夜の食事、睡眠不足
・無理なランニングや水泳
など、弱った身体に鞭を入れ続けた結果だと振り返っています。
- 本コンテンツは、特定の治療法や投稿者の見解を推奨したり、完全性、正確性、有効性、合目的性等について保証するものではなく、その内容から発生するあらゆる問題についても責任を負うものではありません。
- 本記事は2020年4月26日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。