【カウンセリングの効果】8つの疑問に論文を用いて臨床心理士に答えてもらいました

2020.04.10公開 2020.05.07更新

カウンセリングの料金が高い…相場はどれくらい?

近藤
カウンセリングの料金が高いという声もよく聞きます。

 

相場はどれくらいの料金なのでしょうか?

藤本さん
首都圏だと60分10000円くらいが相場でしょうか。

 

たしかに保険が効かないこともあり、高く感じる人も多いと思います。

近藤
た、高いですね。
藤本さん
なかなか手が出ない気持ちはわかります。

 

しかし、このカウンセリングでの心のケアが、後々の医療費の大幅な減少につながるとも言われているんです*14)。

近藤
医療費の大幅な減少、ですか?
藤本さん
厚生労働省の調査だと、入院をすると平均で1日15000円かかり、平均入院日数は29日と言われています。

 

合計すると、435,000円。結構かかりますよね…。

近藤
たしかに悪化して、通院が余儀なくされたり、入院が必要になったら、さらにお金はかかりますよね。
藤本さん
しかし、先ほど少しお話ししたように、1,2回のカウンセリングで良くなる方も多くいます。

 

「涙もろい」と言った大きな精神症状につながる前のカウンセリングであれば、5回程度で効果が得られるとされています。

近藤
カウンセリングが1回1万円だとすると、約1〜5万円で済むと?
藤本さん
なんだか保険のセールスみたいになっちゃいましたね。笑

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近藤
ですね。笑
藤本さん
しかし、ストレスなどが様々な疾患を引き起こすのは皆さん多分ご存知かと思います。

 

精神的なケアを怠ってしまうことは、身体的にも悪影響になります。

近藤
健康が第一で、予防が大切なのも分かってはいるんですけどね。
藤本さん
「人生が変わる」と言うとちょっと胡散臭くなってしまうのですが…。

 

それくらいの力をカウンセリングやセラピーは持っていますし、私たちカウンセラーは、「精一杯、この人の人生に関わっていくぞ」という覚悟で関わっていきたいという思いでいます。

近藤
たしかにカウンセリングの効果が研究などで明らかになってきていますしね。

 

精神的なケアの選択肢としてカウンセリングが当たり前になるような料金形態も今後期待したいと思います。

 

良いカウンセラーの見分け方

近藤
良いカウンセラーの見分け方ってありますか?

 

事前に調べるときのポイントもあればぜひ教えてほしいです。

藤本さん
性格・年齢・性別に関しては、どんな方を選んでも実は大差がないということが言われています* 11)。

 

ただ、専門的なトレーニングを受けていることが問題の改善に役立つということは明確なようです*12)。

近藤
年齢とか性別があまり関係ないのは意外でした。

 

ベテランであれば良いという単純なことでもなさそうですね。

藤本さん
心理の専門的なトレーニングを受けたカウンセラーとそうでない人のセラピーの結果を比較した研究もあります。

 

それによると、専門的なトレーニングを受けているカウンセラーの方が問題を解決するまでの時間が短期間だそうです*13)。

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近藤
カウンセリングって誰でも出来ちゃいそうですが、専門的なトレーニングを受けてるかどうかが重要だと改めて実感させられますね。
藤本さん
この知見に基づくと、現時点の日本において幅広く深いトレーニングを受けているという意味では、「臨床心理士」が挙げられると思います。

日本には心の問題に取り組む職種として、心理カウンセラー、サイコセラピスト、心理相談員などの名称で呼ばれる人々がいますが、それぞれに明確な資格があるわけではありません。それに対して「臨床心理士」は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格し、認定を受けることで取得できる“心理専門職の証”となる資格です。実際には、臨床心理士の資格所有者が、たとえば文部科学省の実施する全国公立中学校や小学校に1996年以降よりスクールカウンセラーとして任用(派遣)され、活躍している(5,000名)

引用元:日本臨床心理士資格認定協会HP

近藤
カウンセラーと謳っていても、資格を持っていなかったり、専門的なトレーニングを受けていない場合もあるということですね。
藤本さん
そう考えると、やはりカウンセラーのプロフィールは事前にチェックしておくべきかと思います。

 

資格やどんなセラピーをしているのかを書いていないのであれば、問い合わせることも良いと思います。

近藤
その辺りの情報は少なくとも事前に把握しておきたいですね。
藤本さん
一方で、ホームページなどにカウンセラーの情報を掲載することがセラピーに影響するからと、掲載していない場合も多いのが実際のところです。

 

可能な限りの情報は掲載すべきと思っていますが、上記のような事情で掲載していない場合もあるので、直接問い合わせてみてください。

 

カウンセリングに行くのが怖い人へ

近藤
最後に、カウンセリングに行くのが怖い…洗脳されるかも…と心配している読者にメッセージをお願いいたします。
藤本さん
これまでの質問につながるかもしれませんが、まずはきちんとしたカウンセラーを選ぶと言うことに尽きます。
近藤
専門的なトレーニングを受けていて、臨床心理士のような資格を持っているカウンセラーってことですよね。
藤本さん
トレーニングを受けていない、資格がない人でも「助けたい」という純粋な思いでカウンセリングを実施している人はいます。

 

そのあたたかい思いを受け入れたい気持ちもあります。

 

しかし、そういった人のセラピーを受けることで、カウンセラーが意図していないうちに洗脳のような形になってしまうことがあると思います。

近藤
なるほど…。
藤本さん
また、セラピーを受けて右肩上がりでどんどん良くなっていくことばかりではなく、波もありながら良くなっていく場合もあります。
近藤
一時的に悪化しているように感じることも有り得ますね。
藤本さん
先ほどもお伝えしましたが、「悪化しているかもしれない」と思ったら、この悪化がどういう意味をもたらしているのかについて、きちんと聞いてみることもとても大切です。
近藤
正直な思いをカウンセラーにどんどん言ってOKですもんね。
藤本さん
カフェで友達に話すような感覚で話ができて、さらに専門的知識を持っていて、きちんとトレーニングを積んでいるから、気づくとすごく生きやすくなった…

 

そんなふうに「カウンセリングもなかなか悪くないよ!」という人が増えるといいなと思っています。

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近藤
藤本さん、様々な視点からカウンセリングについて教えてくださり、ありがとうございました!

>>藤本志乃さんの詳しい情報はこちら

 

【参考・引用一覧】

1) Chambless, D. L. and Hollon, S.D. (1998) ‘Defining empirically supported therapies’ Jounal of Counseling and Clinical Psychology, 66(1): 7-18
2) ミック・クーパー.清水幹夫,末武康弘 監訳 (2012).エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-.東京:岩崎学術出版 pp47-57.
3) Howard, K. I., Kopta, S. M., Orlinsky, D. E. (1986) ‘The does-effect relationship in psychotherapy’., American Psychologist, 41(2): 159-164
4) Hansen, N. B., Lambert, M.J. and Forman, E.M. (2002) ‘The psychotherapy dose response effect and its implications for treatment delivery services’. Clinical psychology: Science and Practice, 9(3): 329-43.
5) Kopta, S.M. Howard, K. I., Lowry, J. L. and Beutler, L. E. (1994) ‘Patterns of symptomatic recovery in psychotherapy’ , Journal of Counseling and Clinical Psychology, 62(5): 1009-16.
6) ミック・クーパー.清水幹夫,末武康弘 監訳 (2012).エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-.東京:岩崎学術出版 pp34.
7) Lambert M.J. and Ogles, B.M. (2004) ‘The effectiveness of psychotherapy suprtvision’, in C.E. Watkins (ed.), Handbook of psychotherapy Supervision. Chichester: Eily, pp. 421-46
8) Nicholson, R.A. and Berman, J. S. (1983) ‘Is follow-up necessary in evaluating psychotherapy? Psychological Bulletin, 93(2): 261-78.
9) Paulson, B.L., Worth, M. (2002) ‘Counseling for suicide: client perspectives’, Jourmal of Counseling and Development, 80(1): 86-93
10) ミック・クーパー.清水幹夫,末武康弘 監訳 (2012).エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-.東京:岩崎学術出版 pp201.
11) Beutler, L. E. Mlik, M., Alimohamed, S., Harwood, M. T., Talebi, H., Noble, S, et al. (2004) ‘Thrapist variables’, in M. J. Lambert(ed.), Bergin and Garfield’s Handbook of Psychotherapy and Behavior Change (5 th edn). Chicago; John Wily & Sons, pp.227-306
12) Hillsenroth, M. J. Defife, J. A. ., Blagys, M.D. and Ackerman, S. J. (2006) ‘Effect of Training in short-term psychodynamic psychotherapy:changes in gratitude clinician technieque’ Psychotherapy Research, 16(3): 293-305.
13) ミック・クーパー.清水幹夫,末武康弘 監訳 (2012).エビデンスにもとづくカウンセリング効果の研究-クライアントにとって何が最も役に立つのか-.東京:岩崎学術出版 pp120.
14) Chillies, J. A., Lambert, M. J. and Hatch, A. L. (1999) ‘The impact of psychological interventions on medical cost offset: meta-analytic review’. Clinical Psychology: Science and Practice, 6(2): 204-20

 

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近藤雄太郎

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  • 本記事は2020年4月10日に公開されました。現在の状況とは異なる可能性があることをご了承ください。

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